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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』の初陣  作者: 橋本 直
第十一章 たまり場

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第57話 月島屋

「はい!到着!」


 コインパーキングに車が止まるとアメリアがそう言ってシートベルトに手をかけた。


「ここは?」


 東和ならどこでも見かける鄙びた商店街が窓の外に広がっていた。


「豊川の駅前商店街の外れだな。まあ、豊川の駅前には何でもあるから」


 東都の下町育ちで活気あふれた商店街を見慣れた誠の問いにアメリアは笑顔で答える。


「豊川から三駅東都よりの羽衣(はごろも)だと結構大きい駅でお店が多いけど……あそこは混むかんなあ……駐車場も少ねえし」 


 かなめはそう言うと助手席から伸びをしながら駐車場に降り立つ。誠は後部座席で身を縮めて周りを見渡した。地方都市の繁華街の中の駐車場。特に目立つような建物も無い。


 黒いタンクトップに半ズボンと言うスタイルのかなめは、周りを見回しながら伸びをした。 


「新入り。いつまでそこで丸まってるんだ?」 


 誠は後部座席の奥で手足をひっこめて丸まりながら二人を眺めていた。


「この車はツードアだ。西園寺がシートを動かさなければ彼は降りられない。そんなことも分からないのか?」


 清楚な白いシャツ姿のカウラが噛んで含めるようにかなめに言った。 


「すいません……」 


 誠は照れながら頭を下げる。その姿を見たかなめはめんどくさそうにシートを動かして誠の出るスペースを作ってやった。大柄な誠は体を大きくねじって車から降り立った。


 カウラは作り物のような笑顔で自由になった手足を伸ばす誠の姿を見つめている。一方、かなめはわざと誠から目を反らしてタバコに火をつけた。


「じゃあ、行くか?」 


 咥えタバコでかなめはそう言って先頭を切って歩き出した。


「はい!行きましょうね!」


 そう言いながらかなめとアメリアは二人を連れて歩き出す。


「特別な歓迎会って……なんかうれしいですね!ありがとうございます」 


 無表情に鍵を閉めるカウラにそう話しかける。ムッとするようなアスファルトにこもった熱が夏季勤務服姿の誠を熱してそのまま汗が全身から流れ出るのを感じた。


「それが隊長の意向だ。私はそれに従うだけだ」 


 そうは言うものの、カウラの口元には笑顔がある。それを見て誠も笑顔を作ってみた。


「何二人の世界に入ってるんだよ!これからみんなで楽しくやろうって言うのに!」


「そうよ!カウラちゃんずるい!」


 ランがかなめ達三人を『明るい奴』と言ったことを思い出して誠は笑顔を浮かべた。


 かなめは笑顔の誠と目が合うと少し照れたように目を逸らして暮れなずむ空を見上げた。


「それと……だ。まあこれから行く店は、うちの暇人達が入り浸ることになるたまり場みたいな場所だ。とりあえず顔つなぎぐらいしといた方が良いぜ。カウラ!ったくのろいなオメエは!」 


 急ぎ足のかなめに対し、カウラはゆっくりと歩いている。誠はその中間で黙って立ち止まった。


「貴様のその短気なところ……いつか仇になるぞ?」


 そう言うとカウラは見せ付けるように足を速めてかなめを追い抜いた。 


「う・る・せ・え・!」 

挿絵(By みてみん)

 かなめはそうそう言うと手を頭の後ろに組んで歩き始めた。駐車場を出るとアーケードが続くひなびた繁華街がそこにあった。誠は初めての町に目をやりながら一人で先を急ぐカウラとタバコをくわえながら渋々後に続くかなめの後を進んだ。




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