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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』の初陣  作者: 橋本 直
第四十二章 国士の『意地』と誠の『力』

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183/212

第183話 標的は女サイボーグ

『姐御!『那珂』がセンサーの感度上げてきたぜ!どうすんよ。さすがにアタシの機体の光学迷彩とジャミングがあっても位置を感知されるぞ!』

挿絵(By みてみん)

 かなめからの音声通信が誠の機体にも届いた。


『西園寺!通信をしてくんじゃねー!自分から敵に見つけてくださいと言うような行動をしやがって!貴様はスタンドアローンじゃなきゃ意味がねーんだ!そんなこともわからんから『女王様』なんだ!それに近藤の旦那がやけになってそうすることも隊長から言われている!』


 いかにも『特殊な部隊』らしいカウラの『特殊』なツッコミが走る。


『通信ついでにアタシの本心を言っとくと、どうせ死ぬのは西園寺だけだろ?いーんじゃねーの?自分の荘園から得た貴重な税収を無駄遣いばっかりのオメーが死ねば、その荘園で働いてる庶民の迷惑も半減するわけだ。甲武の貴族主義の闇も近藤の旦那を潰せば軽減するからそのついでに近藤の旦那と一緒に死んだらちょうどいいじゃん。世の中がそれだけ平和になる』


 ランは助けを求めてきたかなめを非情にもそう言って突き放した。


『ひでーぜ、姐御。アタシは見殺しかよ』


 相変わらず顔も見せず、レーダーにも引っかからないかなめの通信が続いていた。


『サラ!『那珂』と僚艦の動きは!』


 さすがに虐めすぎたと悟ったようにランは背後で起きた爆発の調査にあたっていた管制官のサラ・グリファン少尉に連絡を入れる。


『はっ、はい!現在、『那珂』と行動を共にしている『官派』反決起派のシュツルム・パンツァーパイロットは近藤中佐には同調せずに出撃を拒否していたのですが……かなめちゃん『だけ』が相手になったとなると何機か出てくるんじゃないかって……隊長が言ってました』


 サラは隊長室でこの状況を見守っているであろう嵯峨の言葉を伝達した。


「西園寺さんって……嫌われてるんですか?」


 誠はサラの言葉を聞くと自然にそうつぶやいていた。


『連中は西園寺の親父に冷や飯食わされてクーデターなんて真似を始めたんだ。西園寺が恨まれない訳がない』


 カウラはあっさりそう言って、05式電子戦特化型の背中のランチャーからミサイルを射出する。それは『那珂』の手前で自爆し大量の金属粉を撒くレーダーや誘導兵器を混乱させるチャフだった。


『カウラ、済まねえな、チャフを撒いてくれたか。これで近藤の旦那の兵隊の目からしばらく逃げられる』


 静かな口調のかなめの音声通信が誠にも聞こえてきた。


『アタシは結局『スナイパー』なんだよ。アタシは確実にそいつを『無力化』する。それが『スナイパー』。そしてそれがアタシ流の『女の闘い』』


 『那珂』の後方から6機の機体が誠達の待つ宙域へ進軍してきた。


『やべーな。今度出てきたのは旧式の火龍じゃねー。最新式のシュツルム・パンツァー『飛燕』だ……しかもおそらく有人……凄腕が出てくんぞ』


 ランはそう言うと誠を置いて機体を進攻させた。カウラの機体もそれに続いた。


「カウラさん!電子戦用の機体で最新式の『飛燕』とやりあうなんて無理ですよ!待っててください!」


 誠はついそう叫んでいた。


『神前か?貴様のように普通に『人間』として生まれた男にはわからないだろうな……私は結局『ラスト・バタリオン』なんだ。かつてのナチスドイツの理想とした『戦闘の身のために作られた先兵』そのものだ。戦場以外では、私は単なる『依存症』患者。だから戦う。それでいい』


 カウラはそれまで手にしていた指向性ECMの放出装置を背中のラックに引っ掛けると、代わりにそこにあった230ミリカービンを構えた。


『要らねえよ、カウラの支援なんざ。カウラの狙撃はワンヒット・ワンキルの戦いだろ?弾の無駄だ。アタシはサイボーグ。弾が届けば当たって当然。外れる生身の気が知れねえな。生身の射撃のお上手な連中とは格が違うんだよ』


 そう言った瞬間、レーダーの左端の『飛燕』のコックピットが吹き飛んだ。




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