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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』の初陣  作者: 橋本 直
第三十四章 司法局実働部隊運用艦『ふさ』

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154/212

第154話 出航の時

 食事を終えた誠はランと別れて居住スペースへと向かった。


 これまで乗ったどの艦よりもその通路は広く、若干閉所恐怖症気味の誠には少しばかり安心できた。


 エレベータを降りた、男子居住スペースの入り口のところで誠はカウラとアメリアに遭遇した。


「カウラさん……とアメリアさん」


「なんでアタシが後なの?アタシはこの艦の艦長!一番偉いの!」

挿絵(By みてみん)

 抗議するアメリアを無視してカウラは静かにほほ笑んだ。 


「貴様はブリッジでお笑い小唄の練習でもしていろ。私は神前の案内をする」


 カウラはそう言いながら通路をまっすぐ歩き続ける。


「カウラちゃんはずいぶんと淡白なのね……誠ちゃんはこれからどうする気?」 


 アメリアはカウラの言葉にわざとらしく驚いた風を装いながら誠に目を移した。


「自分はとりあえず荷物の整理をします」 


「私も手伝うわよ、誠ちゃんの部屋については私も興味あるし」 


 アメリアの顔にいたずらっ子のような笑みが浮かんだ。誠は断っても無駄だろうことを悟って歩き始めた。汎用戦闘艦は幹部候補研修で何度か乗ったことがあるが、『ふさ』の艦内は明らかにそれまで乗った船とは違っていた。


 ランがあれほど得意げだったのもこの艦の居住区画を五十メートル歩けば理解できることだった。


 第一に通路が非常に広く明るい。対消滅式エンジンの膨大な出力があるからといって、明らかにそれは実用以上の明るさに感じた。


 それに食堂の隣が道場、そしてその隣にフリースペースとも言える卓球台と自動麻雀卓を置いた娯楽室のようなものまである。


「やっぱり変でしょ?この船の内装。全部隊長が自腹で改修資金出した施設だから。おかげで定員が1200名から360名に減っちゃったけど」 


「それってまずいんじゃないですか?」


 技術下士官達が出航までの待ち時間を潰しているのか、ドアを開けたままの部屋が多い下士官用と思われる区画を進む。さすがにここまでくるとどの部屋も狭苦しく感じる。ちらちら覗き込んでいる誠に配慮したように歩みを緩めたアメリアは言葉を続けた。 


「他の軍みたいに敵艦にとりついて白兵戦等をしようって訳じゃないから。うちの持ち味は少数精鋭が売りなのよ。実際、艦内のシステム管理要員は技術部の数名だけで十分だし、こう見えて『特殊部隊』なんで、白兵戦闘時にはそれなりの個人の技量を発揮するから、別にそんなにたくさんの人間は要らないの」 


 アメリアに続いて誠はエレベーターに乗り込む。


「しかし長期待機任務の時はどうするんですか?」 


「部隊編成自体、長期間の戦闘を予測してないのよ。第一、今のところシュツルム・パンツァー一個小隊しか抱えていない司法局実働部隊に大規模戦闘時に何かできるわけ無いでしょ?それにうちは軍隊じゃなくあくまで司法機関の機動部隊という名目なんだから、そんなことまで考える必要なんてないわね。着いたわよ」


 アメリアは開いた扉からパイロット用の個室のある区画に向かって歩き出した。誠は居住区の一番奥の室に通された。個室である、そして広い。正直、彼の下士官用寮の部屋より明らかに広い。そこには誠の着替えなどの荷物を入れたバッグがベッドの上に乗せられていた。



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