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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』の初陣  作者: 橋本 直
第三十一章 作られた平和

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142/212

第142話 情報戦のもたらす『勝利』

「でも……アナログ式量子コンピュータでしたっけ?そんなの他の国でも作れそうじゃないですか……量子コンピュータの理論自体は地球のものなんでしょ?地球から来たゲルパルトや外惑星の国にも作れそうじゃないですか」


 隣で響く射撃音に思わず大声を出しながら誠はそう尋ねた。


「そうよ……でも、そのプランが練り上げられる前に電子戦でその開発計画自体がおしまい……先にアナログ式量子コンピュータを開発した遼州の勝ちよ。先手必勝って訳ね」


 アメリアはそう言うとレンジに置かれた銃弾の箱を片付け始めた。


「つまり戦争とは経済戦争であり情報戦なの。そんな圧倒的優位を維持するためには諜報機関を使っての綿密な情報収集活動が必要になるわけ。東和共和国の場合は噂では国防費の十倍の諜報予算を組んでるって話……」


「十倍?」


「そう、十倍。まあ、予算として組んでるのはその数パーセントだけど……さっき言ったように銀河の『経済』を牛耳っている東和共和国にとってそのくらいの裏金を安全保障のためにねん出するくらい訳ないわね……いろいろあるのよ、東和共和国が裏金を作る方法……まあ経済知識ゼロの誠ちゃんにはいうだけ無駄ね」


 アメリアはそう言うと置いていた銃を手に本部に向けて歩き始めた。


「そんな……馬鹿にしないでくださいよ……」


「だって『投資ファンド』とか『資源採掘権売買』とか……理解できる?この星に眠る潤沢な資源の採掘権を地球圏なんかの金持ちに売りつけて、その後まるで何事も無かったかのように採掘権の増資が必要になったからって雪だるま式にファンドの金額がデカくなっていく仕組みとか……って分かる?誠ちゃん」

挿絵(By みてみん)

「たぶん分からないです」


 振り向きもせず経済用語を話し出すアメリアに誠はそう言って黙るしかなかった。


「ともかく、誠ちゃんは敵を撃つことができるけれど、敵から撃たれることは無いわけ。良いじゃないの、安全なんだから」


「そうなんですけど……」


 誠はとりあえず自分が簡単に死ぬことは無いことが分かった。


「ランちゃんじゃないけど、少しは経済を勉強した方が良いかもね、誠ちゃんは。給料貯金してるんでしょ?隊にも結構投資ファンドで稼いでる人もいるみたいよ……最低、新聞やネットニュースの裏を取るくらいのことはしても罰は当たらないでしょ」


 明らかに馬鹿にした口調でそう言うとアメリアは二挺の銃を手に射場を後にした。


「経済か……社会科学って苦手なんだよな……」


誠は苦笑いを浮かべながら自分が死なないらしいことだけは理解してアメリアに続いて射場を去った。




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