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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』の初陣  作者: 橋本 直
第二十六章 機械なんて要は動けば良い!

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第119話 いざデッキアップ

『立てんぞ!』


 誠が乗り込んでハッチを閉めると島田の声がコックピットに響いた。


「大丈夫です!行けますよ!」

挿絵(By みてみん)

 誠はそう言いながら主電源を入れてシステムを起動させた。


「なるほど……エンジンは位相転移式か……まあ歩かせる程度なら蓄電池とモーターでなんとかなりそうだな」


 一応は理系大学出身なので起動と同時に全天周囲モニターに浮かび上がる文字を見れば誠にもそのくらいのことは分かった。


 そうこうするうちに次第に機体の角度が変わり始めた。


「おう……これが……」


 雰囲気に浸りながら誠は自分の機体が直立していく様を想像しながら笑顔を浮かべていた。


『ベルガー大尉の隣のデッキが見えるだろ?そこに立たせろ!』


 島田の言葉を聞くと誠はそのまま操縦桿を握る手に汗をかいている自分に気が付いた。


「焦るな……冷静に……どうせ補助システムでうまい事動かしてくれるんだから。これでヘタッピ卒業だ」


 自分自身にそう言い聞かせながら誠はゆっくりと自分専用の新品の05式の左足を前に踏み出させた。


「よーし……できるじゃないか……」


 右足をトレーラーの台から抜いて何とか自分の機体を自立させた。モニターの下の方では手を叩いて喜ぶつなぎの整備班員の姿が見えた。


「じゃあ……」


 そのまままっすぐカウラの機体の前を抜けて機体を反転させて静かに予定地点に機体を固定した。


『オメエ……できるんだな……やれば』


 何かアクシデントを期待していたような島田の言葉に反応するには誠の緊張は極限を超えていた。


「やりましたよ……」


 わずか数分の出来事だというのに誠は疲れ果てていた。


 そのままコックピットのハッチを開けるとそこにはアメリアが当然のように立っていた。


「大したものね……まあ、私は誠ちゃんならやれると思ってたけど」


「本当ですか……」


「嘘だけどね」


 誠はいつものアメリアの術中にはまった自分を笑いながら彼女の伸ばした手に引っ張られて機体から降り立った。


「よーし!ばらすぞ!総員、上腕の関節部から外して第一装甲を引っぺがせ!装甲の間に入ってる『訳の分からない板』は触るなよ!材質も分からねえんだ!何が起こるか分からん!」


 島田の叫び声にはじかれるようにしてそれまで野次馬を気取っていた整備班員達が駆け回り始める。


「やるじゃねえか……」


 かなめとカウラ、そしてランが地上に降りた誠とアメリアを迎えた。


「オメーの機体は正式名称では『05式特戦乙型』って言うんだ……さっき言ったように『法術増幅システム』搭載の初の実戦型シュツルム・パンツァーなんだぜ」


 ランは得意げにそう言って笑った。


「あのー……だからその『法術増幅システム』ってなんなんです?説明してもらわないと使いようがありませんよ」


 誠は自分が得体のしれない機体に乗せられることに困惑しながらそう言った。


「今は教えねー!でもさっきオメーはこいつを動かしたじゃないか。動くからいいんだよ!シュツルム・パンツァーなんざ要は動けばいいの!『法術増幅システム』だって邪魔になるもんじゃねーし、オメーの身体に害もねーから安心しろ」


 誠は予想通りの反応をして誠に背を向けるランを見送る。


「要は動けばいいか……」


 誠はランの言葉を聞きながら自分の命を預けることになる機体を見上げた。


「僕の機体……」


 誠は感慨深げに自分の『専用機』を見上げた。ここにとりあえず居る理由にはなるかも知れない。誠はそんな後ろ向きの考え方をする青年だった。




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