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第6話 ビキニだ

私服同様、水着も分かりません






 出発してから数時間。昼休憩などを挟みつつ、夕方前に目的地に到着した。


「――――海だぁぁぁぁぁぁぁ!」


 数年ぶりの海に興奮し駆けだした俺たち高校生組と、眩しいものでも見るかの様に微笑む大人組。


 荷物降ろしを大人に任せて、波打ち際で海の感触を楽しんだ。



 その後、明日からアルバイトを行う予定の海の家に顔を出し、簡単な説明を受けた後で宿泊先のコテージへ。


 コテージは男用と女用に分かれており、俺としてはちょっと残念だった。



「じゃあ九郎。俺達は仕事に行くから、また夜な」

「カギはしっかり掛けてけよ」

「はいよ~、いってらっしゃい」


 六斗と五郎丸が仕事に向かったのを見送り、俺は早速水着に着替える。


 とは言っても男の着替えなんて数分も掛からない。脱いで穿いて終わりだ。


 着替えを終え、パラソルとクーラーボックスを担いで外に出た。


「あっつ……こりゃ焼けちまうな」


 晴れ男か晴れ女が同行者にいるのか、滞在中はずっと快晴らしい。


 俺は焼けても構わないが、女性陣は嫌だろうしケアが大変だろうな。



 そして女性陣のコテージ前で待つ事……数十分。


 冗談だろ? なんで水着に着替えるだけでこんなに時間が掛かるんだよ?


 大きな荷物は全部俺が持ってるし、着替えて簡単な手荷物を準備するだけだと思うのだが……。


 なんて、女性は色々と準備が必要なのだとは知らなかったので、炎天下の中で待つ事に若干イラつきが生まれた所で彼女達は現れた。



「ごめ~ん九郎。おっまたせ~」

「ホントだよっ! どんだけ待ったと……お……思って……」


「そんなに怒らなくてもいいじゃない」

「い、いや……怒ってなんて」


「ごめんね? 暑かったでしょ?」

「ああ……うん……まぁ」


「うふふ。クーちゃん? 真っ赤ですよ?」

「そ、そんな事は……」


 コテージからぞろぞろと出て来た四人を見た瞬間、逆上せるかと思った。


 これほどまでにドキドキした事があるだろうか? たかが水着? されど水着だ。


 見慣れている制服姿とは違う。腕や足を露出した私服姿だって見てきたのに、ここまで変わるものなのか。


 エロいとか、そういう話じゃない。魅力的すぎる。ここまで魅惑的な女性を見た事がない。



「あ……じゃ、じゃあ……行こうぜ……?」


 直視できず反転。本当は褒めたりしなきゃいけないのだろうが、何を言ったらいいのかすら浮かばない。



 【――――】

 【――――】

 【――――】



 そんなマジマジと見ていないのに、頭に浮かぶのは彼女達の水着姿だけ。


 頼みの綱の選択肢すらバグる始末。こうなっては何も言えない。


 落ち着いたら伝える、そう自分に言い聞かせて彼女達を無視して足を動かした。



「成功かな? 挙動不審だったよ」

「にゃはは、真っ赤だったよね!」

「流石に意識してくれたと思うわ」

「…………」


「秋穂? どうしたの?」

「クーちゃんの体……凄くないですか?」


「「「……うん、それは思った」」」


 見たくないのに見たいという、俺の中で何かが戦っているようだ。チラチラ後ろを見ると、ニヤニヤした彼女達が何かを言い合っていた。


 まさかみんなビキニとは。羽織ものをしている子もいるが、括れた腰に目を奪われてしまう。


 見たい欲望が勝ってしまい、目だけは合わさないようにチラチラと彼女達を観察してみた。



 春香……ビキニだ。白、胸元などにあしらわれたリボン、ひらひらスカート。髪型はお団子にしている。ただただ美しい。


 夏菜……ビキニだ。レモン色ベースのチェック柄、胸元フリル、パンツタイプ。ポニテを編み込んで固定している。ただただ可愛い。


 秋穂……ビキニだ。水色ボーダー。胸元……谷間!? あの谷は深そうだな! パレオ好き、多分一番好き。ただただ悩ましい。


 冬凛……ビキニだ。黒、紐。上も下も首も胸も紐、紐だらけ。デザインはシンプル、ビキニと言ったらコレ。ただただ素晴らしい。


 三枝子……三枝子!?!? 母さんいたの? なんて言えばいいんだろ? 母親の水着をなんて言えばいいんだろう? まぁ一応……ビキニだ。


 母さんがいるならと八千代さんの姿を探したが見あたらない。


 どうやら八千代さんは五郎丸さんについて海の家に行ったようだ(No.1を見てみたかった)


 しかし三枝子のお陰で落ち着いた。あれだけバクバク言っていた心臓も鳴りを潜め、頭もスッキリしてきた。


 これならば大丈夫、主人公のように彼女達の事を褒める事ができると、振り返ったのだが。



「「「「……ん? どうしたの?」」」」


「ああ……いえ……いい、天気ですね」


「「「「そ、そうですね……?」」」」


 言えねぇ。四人も集まると何処を見てもヤバイ。


 視線を逸らした先に谷間や美脚や笑顔や括れがあるものだから、どうしようもない。


 後で個人的に伝えようと、その後は黙って先頭を歩き続けた。


 後からブツブツと聞こえるが、何も感想を言わない俺への文句なのだろうな。



「何も言ってくれないね?」

「照れてるんじゃないの?」

「九郎のために選んだのに」

「全く見なくなりましたよ」


「……はぁヘタレ。まぁこの四人を見たら分からないでもないけど……血は争えないわね~、あの人にソックリだわ」


 男1人に女4、監視役1。間違いなくナンパされるんだろうな。


 ここでも彼氏役をさせられるのだとは思うが、魅力的な彼女達を見ていると、いよいよ自信がなくなってきてしまった。


お読み頂き、ありがとうございます!


ちょっと忙しく、連日投稿できない可能性があります

のんびりお待ち頂ければ幸いです


次回

→【ローションプレイ】

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