第2話 僕は友達が少ない?
九< ――――って事でさ、海の家でアルバイト+海で遊び放題、コテージ宿泊バーベキュー付き。どう?
春< 絶対に行く。
夏< 行きたいっ!
秋< 行きたいです。
冬< 行きたい。
まず最初に彼女達に声を掛けた。
送ってから数秒で返信がきた。よほど海が好きらしい、誘って良かった。
次は働き手の確保だ。遊ぶばかりじゃなく、海の家での労働力も必要となる。
九< 海の家でアルバイト。三食美少女付き。行く?
央< ぜっったいに行くッ!!
公< 面白そうだね。日程は?
こちらは数秒とは言わないが、それなりの速度で反応。
こんなにおいしいイベントを見逃すはずのない央平と、海イベントと言えば公太の主戦場だ。
二人に予定されている日程を送り、反応を待った。
央< え!? ずらせない?
九< ずらせねぇよ。
央< ……補習だ。バイトもある
九< マジで? ずらせない?
央< 補習はずらせねぇぇぇ
ありゃ~。そう言えば央平は赤点まみれ。聞くと全ての日程に被っているらしく、こちらは参加が絶望的となった。
公< その日は俺も無理だなぁ。
九< マジで?
公< うん。部活の合宿の日と被ってる。
九< 部活かぁ……そっち優先か?
公< だね。ごめん九郎、楽しんで来てよ。
なんと公太までもが不参加。どう考えても部活より海の方が主人公っぽいと思うのだが、まさか日程が被るとは。
仕方ないので、他に予定が合う時に遊ぶ約束をし、公太たちとの会話を終わらせた。
九< ――――という訳なんだけど、どうだろう?
月< 実家に帰らせて頂きます。
陽< もうちょっと早めに言ってくれればね。
なんてこった。月ちゃんと陽乃姉さんも無理だとは。お爺ちゃんお婆ちゃんの家に行くらしい。それが見事に被ってしまったようだ。
陽< でも、最後の方になら行けるかもしれないわね。
月< 実家の帰りに寄らせて頂きます。
アンタの実家じゃないだろ。それに実家に帰らせてもらうとかの言い回しが月ちゃんっぽい。
流石に日程をずらしてとは言えず、行けたら行くし、ダメなら他の日に会いましょうという事でこちらも終了。
春< 水着、みんな持ってるの?
秋< サイズが合わなくなったので新調します。
夏< は? はぁ? まだ育ってるの!?
冬< デザインで勝負するしかないわね。
再び四季姫の部屋に戻ると、こちらは大盛り上がり。
公太達や月ちゃん達が来られないのは残念だが、この四人と海に行けるのはとても楽しみだ。
しかし男がいないのも寂しいな。とーさんや五郎丸さんはいるけど、他に誘えるほど仲のいい友達が……。
もしかしなくても俺、友達が少ない……?
冬< みんなで買いに行かない?
春< さんせーい。
秋< 楽しみです。
夏< いつにしよっか?
秋< 明後日はどうですか?
夏< ウチは大丈夫!
冬< 私も構わないわ。
春< じゃあ明後日で。
夏< 九郎、見てるよね?
九< 見てるけど。
冬< 明後日になったから。
九< そうか。
春< 用事あるの?
九< いや特には。
秋< じゃあ行きましょう。
九< 俺も行っていいの!?
春夏秋冬< 当たり前でしょ。
ありがとうございますっ!! まさか水着購入イベントに同伴できるとは。
急いでネットで検索。そこにあった記述に目を奪われた。
水着って……試着できるんだぁ。
――――
――
―
そしてやってきた夏休み二日目。
昨日は今日のための準備で色々と大変だった。
今日はデートと言う訳ではないので、行く所も決まっているしエスコート要素はないはずなので除外。
恋愛ゲームで、彼女達にかける言葉、要は選択肢の学習をし、公太に手伝ってもらい私服も頑張って選んだ。
九< こんな感じでどう?
公< う~ん……ちょっと重いかな?
九< 重い? これ、めちゃくちゃ軽いけど。
公< 重さじゃなくて、色な。
公< うん、いいんじゃないか?
九< 助かったぜ!
公< 新しい服、彼女達に選んでもらいなよ? 夏菜とか張り切ると思うし。
九< そうか? 時間あったら聞いてみる。
公< 頑張れよ。彼女できたら教えて。
九< そんな簡単にできれば苦労しねぇよ。
持っている服で今の時期にベストかつ、女性と歩いても問題ない服装を公太と一緒に考えた。
終わってみれば無難の一言。量産型の恰好ではあるが、それ故に失敗もしないだろう。
そして本日、待ち合わせ場所は隣町の駅前広場。
夏休みという事が関係しているのか、凄く若者が多いように感じる。
人混みの一部となり待ち合わせ場所に向かうと、まだ待ち合わせ時間まで時間があるのに、すでに四人が待っている様子が目に入った。
ヤバいと思い小走りに……しかし近づくと、もっとヤバい状況になっているようだ。
「だから、人を待ってるんだってば」
「しつこい。どっか行って」
「待ってるのって女の子? こっちも人数集めるからさ、みんなで遊ばない?」
「結構ですっ! それに待ってるのは男の子だから!」
「他を当たってちょうだい」
……ナンパですね。ほんとよくナンパされる子達だな。
まぁあれだけ目立てば仕方ないのかもしれないが、他にも綺麗な人はたくさんいるいのに。
あしらおうとしているのは夏菜とトーリ。春香とアキは面倒臭そうな、つまらなそうな顔をしていた。
「あっ! 九郎くん来たよ!」
「クーちゃん! こっちこっち」
男に対応していなかった春香とアキが俺を見つけたようで、小走りで近づいてきた。
夏菜とトーリも男を無視して、二人に少し遅れて近づいて来る。
というか男一人で四人をナンパしてたのか? すげぇな、どうやったらそんな度胸が身に付くのだろうか。
ともあれ、どう切り抜けようか? まぁ、黙って無視するのが一番かな?
そう思っていたのだが、彼女達が放ったお断りの手段は、斜め上を行くものだった。
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