第6話 冬姫・個別イベント
1万ポイント記念、丁度50部目でした
本日2話目
パン屋でのアルバイトを終えたは、一度家に戻った後、再び街に繰り出していた。
以前から約束していた、トーリとの麻雀。五郎丸さん達との予定も合ったため、今日開催する事になっていた。
麻雀中は、趣味が料理という八千代さんが軽食を大量に準備してくれるので、夕飯は少なめにするのが当たり前となっている。
本来は打ちながら食べるのはダメだと思うが、身内麻雀だから。牌を汚さないようにすれば大丈夫!
明日は祝日、徹マンをするつもりはないが、少しくらい遅くなっても大丈夫だろう。
「――――トーリ! お待たせ」
「こんばんはクロー。別に待ってないわよ」
今日のトーリもパンツスタイル。サブリナ……だったっけ? 綺麗な足首が見えていて、高身長で脚が長いトーリによく似合っている。
あぁ、トーリもマニキュアするんだ……ペディキュアっていうんだっけ? 最近の高校生はお洒落だなぁ。
「……春香の言った通りね。足フェチのクローさん?」
「なっ!? 蓮海の奴……!! 違うぞトーリ! 綺麗な足首だと思っていただけだ!」
「……それを足フェチと言うんじゃないの? 踏んであげましょうか?」
「いや、その趣味は一切ない」
あぁでもトーリに踏まれるのは……女王さまぁぁぁ……いやいや、マジでない。
その世界を否定するつもりはないけど、理解するつもりもない。
大体、そのヒールで踏まれたら穴開かない? いてぇのレベルちゃうよ。
「じゃあ行こっか? 五郎丸さん達も待ってるし」
「ええ……というか駅から近いのだから、別に迎えに来なくても良かったのよ?」
【こんな時間に女の子を一人にできない】
【女の子との待ち合わせはいいものだよ】
【雀荘の場所を忘れていないか心配でね】
よし……言うぞ? たまにはカッコつけて、主人公のような選択を!
本音を言うと雀荘の場所、忘れてんじゃね? って思っていたのは内緒だ。
「こんな時間に可愛い女の子を一人にできないだろ? ナンパされるぞ」
「へぇ……」
決まったぁぁぁ!! スラスラ言えた! まさに主人公、言葉だけなら完璧なはず。言葉だけならな!
「……私をナンパした人が言うと説得力があるわね」
「ん……? ちがっ!? あ、あれはナンパじゃない!!」
なぜだ!? ここは恥ずかしがって目の一つや二つ潤ませてもいいはずなのに! トーリさん、いつもと変わらぬ、平常心。
顔か? やっぱり顔なのか? そう言えば今の恰好……うわ、Tシャツにハーパン、サンダル……これのせいか!?
「…………りがと」
「え?」
「だ、だから! ありがとっ! ほら、もう行くわよ!」
急に早歩きになったトーリを追いかける。すぐに追いついたが、トーリは何かブツブツと呟いており横に並ぶのが憚られた。
「ばか……なによサラッと可愛いとか言って……言い慣れてるのかしら……」
「……あ~トーリさん?」
「なによっ!!」
「道……違うよ?」
「……へ? も、もうっ! 早く言ってよ!」
プンスカ怒るトーリ見て思った。今日の勝負も頂いたようだと。
――――
――
―
「――――おう九郎に冬凛! 待ってたぜ!」
「ちゃっす五郎丸さん」
「こんばんは」
相変わらず、蓮海並みに綺麗な黒髪をした五郎丸さんが出迎えてくれた。
いつもと変わらず元気モリモリといった様子だが、米農家の五郎丸さんは、この時期それなりに忙しいらしい。疲れてはいないだろうか?
「九郎たちは飯、食ったか?」
「軽く済ませましたよ」
「私も、クローに言われた通りに軽く……」
「ならまだ入るよな? 八千代の奴が、なんか今日は張り切っててよ」
南雲家に入った瞬間から、なにかいい匂いが漂っているとは思ったが、どうやら今日は八千代さんが張り切っているらしい。
たまに麻雀ではなく、食って飲んでのバカ騒ぎになる事があるのだが、今日はその日なんだろうか?
「いらっしゃ~い二人とも」
「お邪魔します、八千代さん」
「こんばんは、八千代さん」
奥から姿を見せた美魔女。なんで五郎丸さんと結婚したのだろうと考えた事は、一度や二度ではない。
背は低めなのだが……俺の知り合いの中では文句なくNo1の持ち主だ。言わなくても分かるよな?
「ちょっと作りすぎちゃったのよ。まず、先に少し食べない?」
「俺は構いませんけど……トーリは?」
「構わないわ。頂きます、八千代さん」
「じゃあ座って待っててくれる? ほらアナタ、運ぶの手伝いなさい」
「はいよ」
奥に行った二人を見送って、俺とトーリは向き合った。
麻雀目的のトーリは、もしかしたら気を使ったかと思ったけど、そんな表情はしていなかった。
「今日は麻雀しないのかしら?」
「いや、するとは思うよ? 時間的にもね」
「……まぁ別の日でも構わないけど」
「ははは、顔に書いてあるぞトーリ。麻雀したいって」
なんて適当な事を言ってみるが、あながち間違いではないかもしれない。
今日の開催はトーリが熱望したようなもの。たまたまみんなの予定が合っただけではあるのだけど、俺的にも麻雀は好きだから乗り気ではあった。
「そうじゃないわよ……だた」
「ただ?」
「……クローに負けたままは嫌だわ」
「でたよ負けず嫌い」
ほんと負けず嫌い。メッセージでも何度も言われてきたが、そんな簡単に勝てる世界じゃないのだよ! その顔に出る癖を抑え込まない限り厳しいのでは?
勝負はもう始まっている。揺さ振りを掛けておくか――――
【負けたらジュース】
【負けたら罰ゲーム】
【負けたらデコピン】
――――選択肢のボキャブラリーよ! 全部同じ事じゃん! 全部罰ゲームじゃんか!
「なら……負けたら罰ゲームでどうだ?」
「罰ゲーム? 望むところよ」
馬鹿め! 掛かりおったな? どこからそんな自信が湧いて来るのか不思議でしょうがない。
デコピンは可哀そうだな……ジュースじゃ……つまらないし。
「……えっちな事はだめよ?」
「お、俺をなんだと思ってんだ!?」
「足フェチさん」
「グッ……!!」
【踏んでもらう】
【スカートを履いてもらう】
【足裏を擽る】
――――決まったようだな。全部、下半身に集中している足フェチ選択肢だが。
今に見てろよトーリ! 罰ゲームは絶対だからな!!
「クローが負けたら……くふふ」
「……なに赤くなってんだよ? えっちな事はダメだぞ?」
「そ、そんな事しないわよっ! ばか! 変態!」
……こいつ絶対変な事考えたよ。
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次回
→【神が微笑んだぁぁ!】




