春姫・蓮海春香
四季姫の独白的な何か
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4人分を2日で書いて、入れるか迷って、消すのアレだから入れます
今日は午前授業で早く帰れたと言うのに、なんてツイてないんだろう。
家でのんびり小説を読んでいたのに、学園に明日のオリエンテーション補助の資料を忘れたのに気づき、取りに戻る事になった。
それだけならまだいいよ。ついでに欲しかった小説を買おうと書店を覗けば売り切れていて、母から頼まれたお使い中に足を挫いてしまった。
でも彼との出会いだけは、その日の中で唯一ツイていたのかも。
『ご、ごめんなさい!? 大丈夫ですか!?』
へ? なになに!? あ、あたしが謝られたのかな?
スーパーを出て足の様子を確認していた時、彼と出会った。
どうしてか、突然謝られた。
理由を聞くと、まぁ分からなくもない理由だったけど、普通は気にはなっても反射的に謝るなんてしないと思う。
少し変な人だなって、その時は思った。同じくらいの歳って感じだったから、そこまで警戒はしなかったけど。
『これで少しはマシになるかも……足、見せてもらってもいいか?』
あ……柔道しているのかな? …………って、ちょっと待って!? 全然下心なんて見えなかったし、凄くスムーズだったから流れに身を任せたけど、普通に恥ずかしくなってきたよ!?
脚……汚くないよね? 痣とかなかったよね? 大丈夫だよね!? く、臭くないよね……?
フレアスカートだから、見えても膝くらいまでだとは思うけど……うぅ、恥ずかしい。
下心を持たない男子が新鮮で、無意識に警戒を解いたのだろうか? いきなり謝罪から入られた事も、影響したのかもしれない。
恥ずかしいけど、彼は親切心だけでやってくれている。それが凄く新鮮で、彼に少しだけ興味が湧いた。
『と、とりあえずこんなもんか!? 痛みはどうでしょうか!? 大丈夫か!?』
な、なんで急に慌てだしたのだろう? 彼もいまさら恥ずかしくなった……とか? でも、顔は赤いどころか青いんだけど……。
そしてそのまま、彼は慌てたように去って行った。ちゃんとお礼できなかった事が凄く悔やまれる。
歳は同じくらいだと思う。この駅前にいたという事は、もしかしたら同じ四風学園の生徒なのかもしれない。
明日、時間があれば柔道部を覗いてみよう。柔道かぁ~……うん、サッカーとかいいかなって思ってたけど、柔道も悪くないかも。
彼に言われた通り、親を呼び車で迎えに来てもらった。呆れた顔をされたけど、元はと言えばそっちのお使いのせいで足を挫いたんだけどっ!
しかし車の中で母親に言われた言葉は衝撃的だった。ニヤニヤして足を触って、挫いた事がそんなに嬉しいの? と。
無意識だった。挫いた所ではなく、彼が触った所に触れて私はニヤニヤしていたらしい。
慌てて繕うも、顔が赤くなっていることが自分でもハッキリ分かった。
そんな彼と、まさかあんなに早く再会できるとは思わなかった。
正直、運命かもとか思っちゃったり……なんて。向こうが覚えていなかったのが、ちょっとムカついたし、捻挫女子ってなにかなっ!?
彼は柔道ではなく空手をやっているそうだ。でも学園の部活ではないようなので、マネージャーになるとかは難しそう。
残念だなって思った。でもその時に気づいた。
空手は好きなスポーツという訳ではないので、残念だと思ったのは彼に思った事なのだと。
サッカーはスポーツとして好きなんだけど、その時はすでに頭の中から消えていた。
『へぇ、意外。美人は運動神経がいいイメージがあった』
……言い慣れてるのかな? そんなサラっと言われたら恥ずかしいよ……。
脇谷九郎くん。最初の印象としては、背が高い親切で面白い人。イケメンかと聞かれれば……あはっ。
いきなり首を掴まれて登場するし、なぜか立ったままお弁当食べてるし、び……美人とかシレっと言うし。
『……空手に興味があるならさ、見学に来ないか?』
なにか意を決した表情でそう言う君が可愛く見えて。
サッカーよりも空手と君に興味が湧いて。
空手をしている君の姿が見てみたくなって。
――――うん、見学に行く。空手をしている君を見てみたいな。
…………
…………
……あれ? もしかして脇谷くんって、モテるのかな?
うわぁ四季姫だよ。実はあたしもそう呼ばれているのだけど……恥ずかしいからやめてほしいな。
あたしより可愛い子、綺麗な人はこの学園に大勢いる。その中の三人が、九郎くんの周りに集まっているなんて。
むぅ……なんか、負けたくないなぁ。
……なんだろう? 抱いた事のない感情が……な、なんだろう、これ。
アキって言ったよね? トーリって言ったよね? あたしは名字でしか呼ばれた事がないのに……よしっ、あたしも九郎って呼んじゃえ。
なによ九郎くんもニヤニヤしちゃって……でもどこか、困っている?
九郎くんが、困っている……? 困らせているのは……誰? あたし……? それとも……。
あぁ、そっか。この女達が九郎くんを困らせているんだね? 九郎くんは優しいから、ハッキリ言えないんだね?
大丈夫だよ、あたしがこの女達から君を守るから。
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