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第14話 顔がダメなら中身で勝負じゃ!

五郎丸設定超絶変更

独身→既婚者

 





 俺と蓮海がペアを組み、一年生のC組とD組に学園を案内する事となった。


 案内とは言っても、基本的には荒木先生と一年生の担任の教師が現場を指揮しているため、特にこれといってやる事はない。


 しかし2クラスともなればそれなりに大所帯。質問したくても、会って間もない大人である教師に質問しづらい新入生もいる事だろう。


 それの補助をするのが俺達らしい。一つしか歳が変わらず、話しかけやすい先輩という俺達は後輩に大人気だった。



「…………」


「あの、蓮海先輩! この教室は何ですか?」

「ここは視聴覚室だよ。大きなモニターがあって、大勢で映像を見るための部屋だね」


「…………」


「蓮海先輩! この学園ってアーチェリー部はありますか?」

「う~ん、確かなかったかな? 弓道部ならあるけどね」


「…………」


「蓮海先輩って、彼氏とかいるんですか?」

「それは教えられないな~」

「「「けち~」」」


「…………」



 このように、後輩たちに先輩は大人気。蓮海先輩だけだが。


 おかしいな? この場にはもう一人、脇谷先輩がいるのに。俺も先輩と呼ばれたい。


 なぜか俺には誰も寄り付かない。男はもちろん、女ですら蓮海に寄って行っている。


 そりゃ、俺はイケメンかと聞かれれば首を傾げざるを得ないが、別に怖そうとか取っつき難そうな雰囲気はないはずなのに。


(まぁ、蓮海の容姿なら仕方ないか……)


 その優しい笑顔には、一切の拒絶が含まれていない。本人が心の内でどう思っているのかは分からないが、あの笑顔を見れば受け入れられていると誰もが思うだろう。


 愛川とはまた違ったタイプ。愛川は楽しさで周りを包み込むタイプだが、蓮海は優しさで周りを受け入れるタイプだ。



「――――先輩、聞きたい事があるのですが」


「…………んん!? お、俺にか!?」

「私の目は貴方と合っていると思いますけど、違いますか?」


 いつの間に傍にいたのか、一人の後輩が俺の事を見上げていた。その目は俺とシッカリ合っていて、蓮海ではなく俺に質問したい事があるようだ。


 上目遣いというのもあるのだろうが、守ってあげたくなるような、小動物的な可愛さをしている後輩ちゃん。顔が小さくショートカットが恐ろしいほど似合っている。


 しかしその目からは、疑問というか、どこか責められているような力強さを感じた。



「先輩になんでも聞きなさい! 先輩なんでも答えるよ!」

「では……先輩はここで何をしているのですか?」


「……うん? 何をって、君達のオリエンテーション補助……だけど」


 え? もしかして俺って関係ない人だと思われていたの? なんかイベントに関係ない先輩がついて来るんだけど……って思われてたの?


「聞き方を変えます。どうしてここにいるのですか? どうして先輩なのですか?」

「ど、どうしてって、荒木先生に選ばれたから……です」


 なるほど、そういう事か。つまり後輩を案内する先輩の代表が、どうして俺みたいに平凡な奴なのだとそう言いたいのだな?


 イケメンとか、そういう奴が代表になるべきだと彼女は言っているのだろう。その点、蓮海は完璧だ。二年生の中で、恐らくトップクラスに可愛い容姿をしているのだから。


 その人と同じ代表が、なぜ俺なのかと。つまり、なんで公太のようなイケメン主人公ではなく、俺のような平凡脇役がここにいるのかって事か。


 ……キツい。その通りだけどキツい。遅刻なんてしなきゃよかった。



「私の予想だと、兄さんが来るものだと思っていました」

「あぁ、そうなんだ……」

「こういうイベントには決まって兄が選ばれるのですけど、何かが捻じ曲がったんですかね?」

「あぁ、そうかもね……」

「ああいうメインヒロインみたいな女性の隣には、いつも兄さんがいたのに」

「あぁ、そうだよね……」

「それなのに選ばれたのは貴方。先輩、名前をお聞きしてもいいですか?」

「あぁ、そうですね……」

「……先輩? ちゃんと聞いてますか?」


 ……後輩ちゃんが何かブツブツ言っているけど、聞き流そう。俺のメンタルは鋼じゃないんだ。


 そりゃ俺は主人公じゃないけど、俺にだって人権はあるのよ!? いいじゃん俺だって! 俺が選ばれたんだから、俺が選んだんだから!


 やはりイケメンとは相容れぬ……いや、違う。俺もイケメンになればいいんじゃないか!?


 顔……は無理だが、性格イケメンと言う言葉がある! それを目指そう!


 この後輩は外面至上主義らしいが、内面至上主義の女性だっているはずだ! それを見つけ出して、エンディングを目指すんだ!!



「あの、先輩? お名前――――」


「――――ありがとう後輩ちゃん。俺は俺のヒロインを見つけに行くよ」


「……もしかして先輩も兄さんの様に、どこか頭のおかしい人種ですか?」

「俺はまともだ! という事で……お~い、内面重視の方々がいらっしゃいましたら質問受け付けますよ~?」

「あ、ちょっと先ぱ――――」


 外面重視の後輩を放っておいて、俺は辺りをキョロキョロと見渡している後輩たちに声を掛けて回った。


 最初はみんなビックリしたり警戒していた様子だけど、最終的には笑顔で喜んでくれた。


 いや~生まれ変わった気分だ。イケメンを恨んでも、羨ましがっても時間の無駄だ。外面重視の女などいらん! 内面重視の俺のヒロインを見つけるんだ!!



 その後、精一杯性格アピールを続けた俺の周りにも、蓮海ほどではないが後輩達からの質問が寄せられた。


 しかし質問こそしないが、先ほどの外面重視後輩も俺の周りにずっといるのが不思議だった。


 その目は何かを探るような目だったので、俺の内面を見てくれていようとしたのかもしれない。


 外面重視女子も努力次第で変えられるのか? とは思ったが、そんなのは夢物語だと切り捨ててしまうのであった。


お読み頂き、ありがとうございます


次回

→【餌付けする春風の天女】

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