テスト
入学して、初めての中間テストがやってくる。
「・・・・。」
やばいやばいやばいやばい。
私は、一人じゃ集中力がすぐ途切れてしまう。だから、小学生のときはほとんどテスト勉強なんてものやったことが無かった。
そんな私が、中学校に入ってからこの勉強方法(?)を変えることができるわけも無く、とうとう、テスト3日前となってしまった。。。。もちろん、テスト期間中部活は休み。
私は、全ての事に無気力になりつつあった。
「鋼、那智、助けて。。。」
「死にかかってるね、さち」「死にかかってるね、さち」
綺麗なハモリで返ってきた。少しの焦りも感じさせない、綺麗な声で。
鋼も那智も、見かけとは裏腹に(こんな事いったら、鋼に殺される)二人とも頭がいい。
二人とも、いきなり不良とかにならない限り、この二人は上位確実。。。
それに比べて私は。。。
やばいやばいやばい。
ここはもう、
「鋼、那智勉強教えて〜」
「はぁ?!嫌です〜。お前なんかに教えるの!!」
「鋼、いいじゃん。さちが勉強しようって気になってるんだから」
「そうそう。今までの私ならもう諦めて、カンニングしてるよ。」
「それは、いけないと思うんだけど。。。」
「そう思うよね、那智。だからさぁ、鋼と那智、勉強教えてよ。」
「ねぇ、那智。思うんだけどさ。吹奏楽部の一年生ってさ、馬鹿ばっかりだよね。」
「鋼、そんな事言っちゃいけないと。。。」
「それなら、那智はどう思うのさ??!!」
「えっ!!・・・・。」
「おい、那智そこで黙っちゃいけないと思うんだけど。。。」
「そうだ、そうだ!!」
いつの間に来ていたのだろう。後から、慎の声がした。
「慎もさ、仲間だよね!!私の!!!」
「はぁ??!お前よりマシだし〜!!」
「何を〜??」
「また始まってるよ、お母さんとお父さんの喧嘩。」
「本当に仲いいよね。さちと、慎。」
「仲良くない」「仲良くない」
「ほら、息もピッタシ!!」
キンコーン・カンコーン
「またいい具合に、チャイムが。。。」
「じゃぁ、放課後ね」
そして、いつものように眠気を誘う授業を50分間受け、
やっぱりいつものように、眠っていた。。。。
そして、放課後。
鋼が、私の前に立った。
目の色に、いたずらを始めそうな悪がきと同じ色がにじんでいた。
「さち」
声にのって、鋼の気持ちが伝わってくる。
やばいやばいやばい。
「吹奏楽部の一年生でさ、勉強会開こうよ。」
このくらいなら驚かない。でも、この次の言葉に更なる嫌な予感が。。。
「さちの家で」
はぁ。やっぱし??嫌な予感は当たった。
・・・・・・?
「吹奏楽部1年生で」
・・・・・・・・・?
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!????
みんなってことは、慎も来るって事??
そのほかの男子たちも!!???
あの部屋に、女子はともかく男子も入れるの???
「いやいやいやいや、私の家で??」
「もちろん。それ以外場所無いもん」
「そんな言われても。。。」
「だめ。いくらなんでも、今日はかわいそうだから、明日みんなで行くよ」
「え、そんな。。」
「それじゃ。また明日。」
「鋼、そんな。。。」
明日は、土曜日。
今日は、徹夜だな。
私は、小さくため息をついた。




