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44.怪異物語 承(1)

探索を続け、遂に最上階へ辿り着いた。


「う〜ん・・・」


「どうしたの?風里」


「いや、この建物の前であたしが感じた気配の濃さ濃さに対して、中の怪異が少ないなぁって。気をつけて、あたしの勘違いならいいけど、もしかしたらこの先、ヤバいかもしれない」


ヤバい、とはどういうことだろう。この中にたくさんの怪異がいるってこと?


「いや、それならまだいいよ。最悪なのは、この中にいる奴が他の怪異を取り込んで、強化されてるってこと」


なるほど、ボスが更に強化される可能性があるんだ。条件があるのかな。時間経過とか、道中で倒した怪異の数とか。

一応、万が一の時に備えて景たちを召喚しておこうかな。


「景、参上!って、ここはどこでしょう?」

「瑞、出撃します。あら、見たことのない場所ですね」

「彩、いきま〜す。およ?なんかやな感じだね」

「紫、参りました。ここは・・・」


すると4人が風里の方を見て、


「ふむ、なるほど」

「そういうことですか」

「あ〜、はいはい」

「状況は理解しました」


と何かを理解したみたい。


「今の一瞬で理解するって、うちの子賢すぎない?」


『賢いねぇ』

『親バカ、いや主人バカ?w』

『4人には甘いモミジちゃん』

『ただしセクハラには容赦ない模様』


「・・・すごいな、モミジは。これなら彼女らだけじゃなくて、あたしも、いやあの子も」


「ん?風里、なんて?」


「いや、何でも無いよ。それじゃ覚悟はいい?開けるよ!」


そうして扉が開かれる。中には大量の怪異がうじゃうじゃと・・・いるわけではなかった。


「あれ?誰もいない?」


「あ、上にいるわ〜」


マリアの声に視線を上にあげると、そこには。


「うわっ、キモっ!」


「やっぱり、喰ってたか。みんな気をつけて。あれ、多分強いから」


そこには、天井から垂れ下がる肉塊があった。さらには、そこから目玉のようなものが伸び、ボクたちをぎょろりと覗いていた。


「どうする?一気に叩く?」


「反撃される前にデストロイなのです?」


「様子見してても仕方ないわね。とりあえず一発殴ってみましょ」


サキが肉塊に向かって飛び、サキュバスとは思えないスピードのパンチを繰り出す!


「くらってみなさい!オラァ!」


ぶにぃっ!


「な、きゃっ」


しかしその拳は肉塊に沈み、弾力でサキが弾き飛ばされた。


「よいしょ。危なかったわね〜」


「ありがと、マリア」


落ちてきたサキの軌道が分かっていたかのようにサキを抱き止めたマリア。流石、長いこと一緒にいるからなのかな。


「キシャアアッ!」


肉塊が咆哮をあげ(どこに口があるんだろ?)、地面に落ちてくる。


『こっからボスバトルかな?』

『どんな攻撃してくるのか』

『どんな勇姿が見れるかwktk』


「来るよ!」


ボクたちも結構長いことやってるからか、攻撃をくらうことはなかった。しかし奴は意外とすばしっこく、刀や弓で攻撃しても避けられてしまう。そうしてどんどん時間が経ち、みんなの体力が減ってきた。


「はっ、はっ、なんなのあいつ。全然ダメージ通らない」


「ふぅふぅ、避けるので精一杯よ〜」


「どうすれば・・・弓よりも速い攻撃なんて」


そこで思いついた。


「そういえば、これがあった」


そうして取り出したるは一〇〇式機関短銃。いつぞやかのイベントで入手した銃火器だ。


『そういえばあったね』

『もう懐かしいな、あのイベ』

『あれからルナメイツは始まったみたいなもんだしなぁ』


「弓は避けれても、それより速いこいつはどうかな?」


タタタタタッ!


弓よりも圧倒的にスピードの速い銃弾を経験したことがないのか、避ける動作が遅れた奴は、ついにダメージを受けた。


「これならいけるよ!」


「動きも鈍ってきたわね。これならいけるかも」


そうして、銃火器と刃物の連携でなんとか奴を倒したのだった。


「やったー!ボス討伐!」


「ご主人さすがです」


景がそう言ったのに合わせてうんうんと頷く瑞たち。


「・・・でも、ここに歪みは起きなかったわね」


「そういえば・・・じゃあ別のところに行かなきゃか」


「そうね、こんなとこさっさと出てしまいましょ」


「うん?ちょっと待って、なんか落ちてる」


拾ってみると、何かのメモだった。


“あの事件はあなたのせいじゃない。自分を責めないで”


とだけ書いてあった。


『またまたどういうことなんや』

『なんか繋がってるんやろか』

『なんかまだ足りない感じ』


「・・・そんなこと言われても」


「どうしたの、風里?」


風里が俯いて震えている。どうしたんだろう?


「っ、あー気にしないで。疲れただけだから。一旦戻りましょ。それから別の心当たりの場所に行くことにしよ」


「そうね。ちょっと私も疲れたわ」


なんだろ、この違和感。風里が何かを隠してるような気がするけど、気のせいかな。

最後までお読みいただきありがとうございます!よければいいね・感想をいただけると嬉しいです。次回ものんびりお待ちいただければ幸いでございます。


ここ最近、投稿頻度が少なく、また大変不定期で申し訳ありません。作者が忙しく、またネタを文章化するのに苦労してます(´・ω・)

今月中には何とか今の一連のストーリーを完結させたいところです。

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