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80 竜と迷宮主①

①休憩

②風・・・・・・呂?

③ヤバい薬?

 

 新しい魔物が生まれて約10日。この世界に来て、もう少しで一月になる。長かったような、短かったような……短いですね、普通こんな短期間で森なんてできません。世界樹さんの力を舐めていました、普段があれですからね~。そして、当の世界樹さんはと言うと……


「ふふ~ん! 分かれば良いなの!」


 満足したのか、ようやく落ち着いたところだ。うわぁ、もうこんな時間だ、一日潰れてしまった。折角外から知的存在、しかもドラゴンが来たと言うのに、勿体ない。

 ……流石に、今から話をするのは失礼ですかね? クロカゲさん曰く、今晩は泊って行くみたいですし、明日の朝で良いか。


「う~~~ん」


 ボキボキと、凝り固まった体をほぐす様に体を動かす。一日を全く動かず過ごすのは流石にきつい、なんでわざわざ膝の上に座りますかね? ……逃がさない為か。


「なの? もうこんな時間なの。この後は如何するなの?」


 ははは、こやつめ。誰が原因で、こんな時間になったと思っているんですかね~?

 しかし、世界樹って皆こんな感じなのでしょうか? ……プライドは高いかもしれないですね。他の世界樹に関わることがあったら、対応は気を付けましょう。

 それにしても、この後ですか……もう疲れた。


「今日はもう、お風呂に入って休みます」

「なの? じゃぁ、私は先に休むなの!」

「はい、おやすみなさい」

「なの!」


 そうして、世界樹さんは依り代を解除した。明日もありますし、俺もさっさとお風呂入って休みますか。

 今日は、何風呂に入りましょうかね~。スタミナ……癒しの湯系の方がいいかな?

 タラントさん達から貰ったタオルを持ち、風呂場に向かう。最初は困惑したが、今では薬に癒しにと、皆さん大いに利用している。薬効が良いですからね~。

 ……あれは風呂場です、誰が何と言おうが風呂場なのです、良いですね?


 ただ歩くだけでも良いですけど、折角ですからクロスさんに話でも聞きましょうか。


(お疲れ様です、主様!)


 うん、開口一番に労われた。まぁ、世界樹さんの愚痴の相手は、俺の担当かつ最重要事項ですしね。素直に受け取っておきましょう。

 俺が知りたかった情報も、少しは得られたかな? 相手がドラゴンですからね~、自然や縄張り関係は期待しても良いとは思いますけど、一番知りたい人間の国の情報については……期待薄かな?


(ハ! ご報告させて頂きます!)


 やっぱり竜は強い種族の様ですね。コクガさんが何とか勝ったみたいですけど、中級竜でギリギリ同等ですか、


 名称:暴力戦士蟻ドンアルト・ウォーリア

 氏名:コクガ

 分類:現体

 種族:虫族

 LV:23 / 25

 HP:3050 / 3050

 SP:3050 / 3050

 MP:800 /  800

 筋力:2000

 耐久:1100

 体力:1250

 俊敏:1300

 器用:600

 思考:425

 魔力:425

 適応率:25(Max100)

 変異率:5(Max100)

 スキル

 ・肉体:<異常耐性LV5><異常無効LV2><硬牙LV5><硬爪LV5>

 ・技術:<身体操作LV5><魔力操作LV3><隠密LV4><立体機動LV3>

<瞬撃LV2><見切りLV5><急所抜きLV3><感知LV2>

<高速思考LV1>

 ・技能:<身体強化LV7><特攻LV5><威圧LV8><念話LV3>

<自己修復LV3><集中LV8><限界突破LV3><外殻LV8>

  <突撃LV5><高速移動LV6>


 称号: <蟲王の眷属><下剋上><戦闘狂>


戦士ウォーリア】戦闘を得意とする。戦闘技能に補正(大)、筋力の成長に補正(大)

 

 戦闘大好きコクガさん。物理特化種+物理戦闘職の、まさに戦うために生まれた様な子、神様も認める戦闘狂である。これ以上に強いとか……上級竜との真っ向勝負は、避ける方向で考えましょう。


 竜族達の反応は上々の様だ、敵対する可能性は限りなく低いとの事。良かった、良かった。


 そしてタラントさん達が、魔術関係の話を聞けて狂喜乱舞しているとか。

 ……あの職人共が狂喜乱舞。お願いが有るみたいですが、あ…明日で良いですよね? 魔術は俺も気になるし、万全な体調で挑みたい。目的の効果を持った魔道具とか作れるかな?


 外の森については、今までダンジョンに侵入してきた魔物以上の存在は、そうそう居ないみたいですね。この情報は有り難い。

 世界樹さんの復讐対象が居ると思われる東の森、今まで慎重に進めていましたが、新しい子のレベル上げも兼ねて、もうちょっと大胆に開拓……開拓? 侵略? ……どっちでもいいですね。東側の領域拡張を進めていきましょう。

 世界樹さん曰く、消えた西の森はそれ程でも無かったらしいが、東側の森はかなりバランスがおかしいらしい。特定の魔物が異常繁殖しているらしく、魔力のバランスがおかしくなっていたとか。

 そういえば、ラッチとかテテレテって魔物をよく見る気がする。あれ、気色悪いから嫌い。

 ダンジョン内の環境なら、DPは使うけど調整も容易にできるし、様々な環境ができていて、何気にバランスが良いらしい、生物多様性ってやつですね、この世界でも通用しましたか。いろいろと、元の世界の常識が当てはまらないことがありますからね、良かった良かった。

 そうそう、世界樹さんも魔力の放出量とかを調整して、環境を整えているのだとか……周囲の自然バランスを整えるのは世界樹の仕事って、そんな事初めて聞きましたよ。後で普段何をしているか、改めて聞きましょう。


 思いもしなかったのが、世界樹さんも竜族も、既存の森とか生物とかが無くなっても気にしないらしい。そんなもの、そこらへんで起きているとか。殺伐としていますね~、自然は大事にしましょうよ。

 同じように、新種も頻繁に生まれているとか。もうね? これは新種の【創造】を自重しなくて良いって事ですよね? ふふふ~、何を【創造】しましょうか。


 残念だったのは、やはり人間社会の情報は少なかった事ですかね。それでも、国の大まかな位置は知れただけでも朗報ですが。(バードー)族にお願いして、調査に向かって貰うのも良いかもしれないですね。周辺の敵の実力も分かりましたし、レベルが上がったら頼んでみましょう。


 っと、情報を聞いていたら風呂場に着いて仕舞った。どうしましょうか、ゆっくり風呂に浸かるか、風呂に入りながら残りの情報を聞くのも良いですね~。


(あ! ぱぱ~、おつかれさま~)

「お疲れさまです、プルさん。今日の湯の状態はどうですか?」

(もんだいなし~)


 それは良かった。意図してできた薬湯じゃ無いですからね、次の日には湯の薬効が変わっているとか、結構良くあるんですよ。


「今日のお勧めは有りますか? のんびりできる所が良いのですが」

(うん! こっちー)


 その為、今では管理を任せているプルさんの、お勧めに従うことにしている。その方が安全ですし、良い湯に会えますからね。


「ガウガウ? (シスタ、大丈夫?)」

「……ギュウ(……ハイ、何とか)」

「キュ~~~(ふへ~~~)」


 んんん~? プルさんの誘導に従って歩いて行くと、聞きなれない声が聞こえてきた。進化個体……じゃぁ無いですね、名前が有るみたいですし。

 だとすると、浮かぶ可能性は一つですね。そのままプルさんの後に続いて行く。しばらくして、大きな影が三つ見えてきた。


「おぉ~、直に見ると大きいですね~」

「ギャウ?」


 シスタさんと、エレンさんと、テレさんでしたね。全長4~6mって所でしょうか? 三体並ぶと圧巻ですね。鱗の輝きも、トカゲモドキよりも良い、綺麗だな~、かっこいいな~。


「今晩は。湯加減は如何ですか?」

「あ、ハイ。初めての体験でしたが、堪能させて頂いております」


 それはなりよりです。しかし、明日に回そうと、現在地を確認しなかったのが不味かった。


 種族も違うし、もともと服も着て無い。だとしても、女性であることに変わりは無いですし。う~ん、どうしたものか。このままご一緒して良いものだろうか……?


 相手は、こいつ誰? 的な雰囲気でこちらを見ている。俺が此処に居ること自体は、気にしてないみたいですけど……あ、こっちは相手の姿を知っていますけど、相手は俺の姿を知らないのか。まずは、改めて自己紹介からかな?


「改めまして「お~と~お~さ~ま~!」俺バゲッフ!!??」


 最近聞きなれる様になった声と共に、背中に強烈な衝撃が襲い、吹き飛ばされる。

 衝撃によって肺の空気が全て出る。ダメージは受けたけど、それだけなら問題はなかった……が、しかし、場所が悪かった。


 ― ドバーン ―


「もがもがっがががもが!!??」


 そりゃね? 湯舟の縁に立っていましたから、当然のごとく湯の中に落ちる。

 肺に空気がない、空気が吸えない、ダメージもあって意識が飛びそう。あ、これヤバ……い……。

迷宮主のメモ帳:悪魔族


体の半分以上が魔力で出来ている魔物全般を表す種族。(竜族は半分以下が殆ど)


妖精族とほぼ同じだが、食料が魔力ではなく、魔法の発動触媒である意思(瘴気ともいう)を好んで食す。

その性質上、あいての感情を刺激するものが多く、感情が豊かな人種の近くに潜伏することが多い。


他種族に比べて魔法適性が群を抜いて高い為、魔法による攻撃は効果が薄い。反面、弱点となる属性に過剰なまでに弱い。

物理が効かない訳ではないが、虚体に近いと物理も効かない可能性がある為、相手の弱点を知る事が、必須事項となる。

また、魔法の発動の為の意思を食料にする為、魔法そのものが効かない可能性がある。その場合、意思が含まれていない魔術か魔道具が必要になる。



素材としては、魔法や魔道具、魔法薬関係全般に使われる。

魔力に戻って仕舞う可能性高く、劣化も早い為、特殊な保護器か生け捕りする必要がある。


自然発生の呪い(瘴気溜まり)を散らす為、乱獲が禁止されている種族でもある。

”悪い奴”ではなく、悪い魔力(意思、瘴気)を食べる種族で悪魔族。

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