60 生誕祭!①
①しんみり
②不穏な雰囲気
③迷宮主、会話が可能に
~ ピピピ・ピピピ・ピピピ ~
~ おはようございます、マスター ~
~ ダンジョンがLV6からLV7になりました ~
~ DP400を回収しました ~
~ 迷宮化が終了しております ~
~ 領域拡張が終了しております ~
「「ふふふふふ」」
「とうとう来ましたね、世界樹さん」
「とうとうこの時が来たなの!」
「「【生産】の時来たり(なの)!!」」
(どんどん、ぱふぱふ~♪)
(ミー♪)
現在、コアルーム近くに造った部屋に来ている。
レベルも上がり、領域拡張もたった今終了! 前々から予定していた、スポーン設置の時が来ました! ……と、その前に。
「容量の用途については、この前の通りで問題なしですか? 無いなら、チャチャっと終わせます」
「無いなの! 行くなの!!」
「では!」
~ 容量500を使用し、<範囲選択>を習得しました ~
~ 容量500を使用し、<解放>を習得しました ~
~ 容量500を使用し、<深化>を習得しました ~
<範囲選択>、これから【生産】を行う訳ですが、前回と違い領域が広大になっているため、散布する範囲を選択するために取りました。せっかく、場所によって環境が異なるのだから、それに合わせたものを散布したほうが良いだろうとなったのだ。似たようなもので<エリア選択>があったが、わざわざ区切る必要も無いだろうとなった為、没になりました。容量1000は、ちょっと重い。
<解放>、この後の魔物生産ラッシュで、領域内に放つためにですね。これを使用して魔物を【生産】すると、迷宮の魔物では無く、通常の魔物として生まれてくる。その為、迷宮側からの命令を聞くことも無く、仲間意識も無い。これだけじゃ損しかないように見えるが、ある機能を組み合わせると途端に化ける。その機能とは、<回収>機能である。
俺とコアさんと世界樹さんとで、魂の繋がりがある様に、ダンジョンから生まれた全ての魔物は、迷宮と細いながらも魂の繋がりが存在する。つまり、彼らはダンジョンの一部であり、人体で言うところの免疫、白血球的な立場になる。自分の一部から、不要になったエネルギーを回収するのは、魔力的な共食いに近く、魔力の流れ的に健全ではないとか。吸収できなかった魔力が淀み、何らかの疾患を抱える可能性が出てくる。
まぁ、その魂の繋がりのおかげで、ダンジョンの魔物は普通より成長が速いし、強くなる傾向が有るみたいですけどね。
コアさんを中心に、迷宮主と世界樹さんが、一心同体レベルで太く繋がっており、【生産】された魔物は、それよりも細めに繋がっている。ここ迄が一段階目の繋がり。
配下の魔物から生まれた子供や配下、<解放>された魔物が二段階目。
第二世代の子供や配下が、三段階目となる。
三段階目まで来ると、ようやく魂の直接的な繋がりは無くなるらしいので、スポナーから生まれてくる二段階目の子からは、<回収>できない。
今回生れる子の、さらに子供辺りから<回収>が効果を発揮するので、実感を得るのはまだまだ先の事ですけどね。
<深化>については、完全に俺の興味で選びました。有用そうでもありますし、迷宮のレベルを上げる為に、DPを突っ込む先としても使えると思ったためだ。
残り容量500は予備である。<規模選択>を取る予定だったが、その必要が無くなった為でもある。
「では早速、散布範囲を指定、【生産】散布……お願いします!」
「なの!」
~ 5,000DPを使用し、ポイントAへ【温帯、植物セット】を散布します ~
~ 5,000DPを使用し、ポイントBへ【乾燥帯、植物セット】を散布します ~
~ 5,000DPを使用し、ポイントCへ【湿地帯、植物セット】を散布します ~
~ 5,000DPを使用し、ポイントDへ【高山帯、植物セット】を散布します ~
~ 5,000DPを使用し、ポイントEへ【熱帯、植物セット】を散布します ~
~ 5,000DPを使用し、ポイントFへ【寒帯、植物セット】を散布します ~
~ 25,000DPを使用し、ポイントGへ【灼熱帯、植物セット】を散布します ~
~ 25,000DPを使用し、ポイントHへ【極寒帯、植物セット】を散布します ~
~ 50,000DPを使用し、領域内へ【魔力植物セット】を散布します ~
スポーンを作る時に、規格を複数【創造】できたことがヒントになった。【生産】時の規格も、一緒に【創造】したのだ。
【創造】の容量は特にないですし、要らないものについては一覧から消すことも出来るので、気にせずに創ることができる。
他の機能で代用できるなら、そのほうがいい。これからは、そこらへんも考えて取っていきましょう。
「早く、早く! モフモフを、新たなモフモフを私になの!」
「はいはい、スポナーは【生産】済みなので、どんどん行きましょう。一度生産したら引っ込めるので、時間は設定なしで」
~ 純鳥【スポナー(中)】を設置します ~
「ぴ?」
「うっひょ~!」
部屋の中心に、淡い光を放つ半径5m程の池が設置され、そこから大福の様な姿をした、真っ白真ん丸なヒヨコが5匹生まれてきた。
「こ、これは、モフモフじゃないなの! ……フワフワ、フワフワなの! ドゥフェフェフェフェ~~~」
「お~い……ダメだこりゃ」
(自主規制)な上に(自主規制)な顔をして、トリップしている。お巡りさんに合ったら、補導間違いなしな顔である。出す順番を間違えたかな? これは、しばらくどうしようもないですね~……一匹くらいフワらせてくれても、あ、ダメですか、そうですか。
別に? 全然悔しくありませんし? こっちは、勝手に進めますし!?
~ 純魔【スポナー(中)】を設置します ~
ポテっとしたお腹に、小さい手足と蝙蝠の羽、クリっとした小さな瞳に、猫耳の様な三角形の耳が付いた小さい顔。魔族のピュア種が二匹生まれた。
「ぴー」
パタパタと、小さい羽根を羽ばたかせながら、こちらに飛んで来て、両の手にポテっと収まる。
おー、まるでシルクの様な触り心地、これはこれでありだな~。
「じ~~~……なの」
少し正気に戻ったのか、世界樹さんがうらやましそうな目でこっちを見ている。
「わ、私にも触らせてほしいなの」
「コアさん、次お願いします」
「なの!?」
純魔を愛でながら、続きをコアさんにお願いする。絶望した様な顔をしていますが、知りませんな~。因果応報と言うやつです。独り占めするような方に分け与えるほど、人間出来てないんで。
「む~~~~!! 行くなの! この意地悪な迷宮主に天誅なの!」
「ぴー」×5
「な、なにをするだー」
「ふ~ははは! フワフワの海に沈むと良いなの!」
こいつ!? 純鳥を嗾けてきた。あかん、このフワフワ感はアカン。人をダメにするフワフワだ。
「「ふへ~~~~」」
世界樹さんと一緒に寝転がる。大きく成ったら、この子達の羽毛を使って布団でも造ろうかな?
薬樹の迷宮(仮) LV:6→7
特性:植物・水
DP:1,828,400
処理能力:8,500/9,000(使用率97%)
機能容量:8,500/9,000
そろそろ、DP残量が関係なくなる位安定して来るので、DP表示が無くなると思います。




