51　セキュリティクリアランス？

　薬毒の迷宮（仮）　残り猶予　999：59：59（停止中）

　LV(レベル）：4→5（NEW）

　特性：植物・水

　DP：　2,470,766

　迷宮　創造　作成　倉庫　その他（NEW）

　処理能力：6,800/7,000（使用率97％）

　機能容量：6,000/7,000

　お、色々変わっていますね～。レベルも5に上がっていますし、残り猶予もカンストしている。体調は改善したと思っても良いのでしょうか？

　あ、迷宮の名前が薬毒に成っている。コロコロ変わるな～、それを見て世界樹さんが唸っている……で、コアさんが言っていたのは、この【その他】の事ですかね？

　その他

　・チュートリアル

　・世界の記憶(ワールド・レコード)観覧（NEW）

　・迷宮記録(ダンジョンレコード)（NEW）

　・迷宮通信《ダンジョンコミュニケーション》（NEW）

　何でしょこれ？

　世界の記憶(ワールド・レコード)観覧：ダンジョンコアを通じて、世界の記憶より情報を参照することが可能。現在、セキュリティレベル1までを観覧可能。

　迷宮記録(ダンジョンレコード)：自身のダンジョンの軌跡を観覧可能。

　迷宮通信《ダンジョンコミュニケーション》：他のダンジョンとの通信が可能。

　全部、情報関係の機能ですか……なぜ、今になってこの機能が付い……いえ、“許可”されたんですか？

　～　エラー……エラー……否定…………肯定……肯定……承認　～

　～　安全処置の為です。外敵に敗れ、情報を漏洩しないように、一定のレベルに達しないものが、情報を観覧できないようになっています　～

　成る程、と言うことはダンジョンの事を、関係者以外に話さないほうが良いのでしょうか？

　～　肯定、必要以上に神の関与を世界に広めるのは、現地生物の成長の停滞を招く可能性があります。控えてください　～

　了解です。色んな種類の生物生み出している時点で、停滞も何もないと思いますけどね。

　レコードとコミュは後回し、世界の記憶(ワールド・レコード)をちょっと見てみますか、世界の記憶って事は歴史とかですかね？

「……コアさん、これは何ですか？」

　～　世界の記憶(ワールド・レコード)観覧画面になります。ご自由に検索して下さい　～

　真っ白な画面の中心に　世界の記憶(ワールド・レコード)　と大きく表示され、その下に検索バーがある。グ―○○！？　○―グ○先生じゃないですか！？　貴方まで異世界入りですか！？　俺の記憶を元にして、使いやすくしてくれたんでしょうけどね！？

　―――

　で、軽く検索してみたけど、いやーセキュリティに引っ掛かる、引っ掛かる。まともに検索できないですわ。検索可能なラインは後で探すとして、大人しく機能の選択に戻りましょうか。こっちは、既に候補は決まっていますし、後は世界樹さん次第なんですよね。

「世界樹さん、何か良い機能在りました？」

「う～ん、これなんてどうなの？」

「どれどれ？」

＜成長＞容量500：DPを消費し、迷宮内に存在する者を成長させる。

＜堅牢＞容量1,000：DPを消費し、迷宮とコアへのダメージを肩代わり可能になる。

＜結界LV＞容量250：魔力を消費し、領域内に結界を展開可能になる。

＜蘇生LV＞容量10,000：DPを消費し、迷宮内に存在する生物を蘇生可能になる。

「特に＜成長＞は、私に使ったら、すぐに大きく成れないかなと思ったなの」

「成る程！　世界樹さんに直接使うのは盲点でした」

「早く大きくなって、最初に認識されるなの！！！」

　それが目的ですか。本当に拘りますね、この木は。

「他のは、＜結界LV＞と＜堅牢＞は防衛用、最後の＜蘇生LV＞は、こんなことも出来る、ネタ枠？　なの」

「ふふ、ネタですか、確かに蘇生まで出来るのは凄いですよね。＜堅牢＞の方は、スペックにもよりますけど＜結界LV＞で代用できそうですね」

「あ、確かにそうなの。そっちはどうなの？」

＜吸収＞容量500：周辺より不要なエネルギーを吸収することで、DP取得が可能になる。（領域内の生命力が高いほど、回収できるDPが上昇する）

＜解放＞容量500：支配下の魔物との、魂の契約を解除する。解放した魔物は、迷宮との繋がりが無くなり、部外者扱いとなる。

＜深化＞容量500：DPを消費し、ダンジョンコアの能力を永続的に向上させる。

＜門LV＞容量1000：DPを消費し、迷宮内に外に繋がる門を設置可能になる。

「貧乏性！」

「定期収入は欲しいじゃないですか！」

　安定万歳！　不労所得万歳！　……そう考えると、ダンジョンマスターって経営者と自宅警備員の間みたいな職種ですね。

「……もういいなの、＜深化＞は何となく分かるなの……＜解放＞と＜門＞要るなの？」

「＜解放＞は、周りの環境が復活したらですね。野生の魔物に成れば放置できますし、自然に成長するでしょう？　領域内の魔物を全て管理するのもどうかと思いますし、無責任な事かもしせないですけど、自由な方が良いかと……後、食料にもなりますし」

「なのなの、弱肉強食は自然の基本なの。＜門＞はどうなの」

　お友達とか言っていた割に、意外とドライだった。心配して損しましたね。

「迷宮“内”って表現が変では無いですか？」

「……？」

「ただの門なら“迷宮に”でいい所を、わざわざ“内”なんて付けなくていいでしょ？　それにこの表現だと、外に接して無くても、迷宮内から外に繋がる門、ワープみたいなものなのではと思いまして。それと、似たような表現に、＜扉＞が在りましたし」

「なん……なの……」

　でなければ、この容量の大きさは無いでしょう。そのことを付け加えたら、世界樹さんも納得のご様子。まぁ、できて領域内程度でしょうけど。

「な、悩ましいなの……」

「フフフ、悩むと良い。世界樹さんも、俺の気持ちを体感すると良いのです！」

　俺的には、＜成長＞＜吸収＞＜深化＞のどれかが良いと思いますけどね。

「なの～～！！　その余裕な感じがムカつくなの！」

「いや～、風呂ってやっぱりいいですね～」

　世界樹さんが決めるまで、の～んびりしましょうかね～。