30 復活なの!
①5日目開始
②水の力を手に入れた!
③ここ掘れわんわん
ドーン
ドーン
ドーン
(だいなまいと~♪)
現在縦穴は順調に増えていっている。俺が思いつきで言った案は進化して、世界樹を囲うように円形に掘り進んでいる。お陰で中心部の毒が大分低くなってきた。
始めからこうすればよかった・・・。いやね? 最初に見た劣化していない死毒を見たときは、ドロッドロだったから、思い至らなかったのよ。当時は破毒も無かったから、直下掘りも出来なかったし? 仕方がないね!
(主様! ご報告です。世界樹様と毒との切り離しが終了いたしました)
「お! とうとう終わったか!」
(ハ! 少々遅れはしましたが、やり遂げました!)
よしよし! これで、世界樹に接触している劣化していない死毒は、害虫が居る上だけだ。
・・・そろそろ迎撃体制を取らないとな、幸い武器はあるし・・・ね。
しかし、どんどん毒の水位が下がっていくな。そろそろ、最初に迷宮化した縦穴の底より低くなるぞ?
(ぱぱ~、ごはんたりな~い)
え? こんなに沢山あるのに? ・・・あ、世界樹の樹液が混じって無いからか? ただの毒じゃ食料にならないの・・・?
(ちがうよ? たりないの~)
詳しく聞いてみると、どうやら破毒で消し去ってしまっているため、普段より吸収できる量が少なくなってしまっているらしい。一応、外側から流れ込んできている分は吸収しているみたいだけど、それだけじゃ足りないようだ。吸収できる面積が限られるからな~。もっと深くなれば面積も増えるけど、もうちょっと時間かかるかな? 直下掘りを中止して溜まるのを待つのもいいけど、他に方法があるならそっちのほうがいい。
・・・試してみるか。
―――
ドババババ――――
(わ~い、ごは~ん♪)
丁度迷宮の縦穴が空になったから、そこから【倉庫】の水を出してみた。水はすぐに溢れ出して辺りに流れ込み、その代わりに毒が浮き上がってくる。
世界樹への水やりにもなるし、内側の毒の処理速度も上がる。時間が経てば、縦穴も面積が増えるから、食料も増える。それまでの繋ぎとしては十分でしょう。あと水場ができるのもいいね! 何匹か粘液が浮かんで遊んでいるよ。雨の日も思ったけど、君ら水場が好きだね。吸収できないのに。
水なら大量に【倉庫】にあるから、様子を見ながらどんどん行ってみよう!
それから数時間後、様子を見ながら、折角できた水場を利用できないかといろいろと見ていたら・・・
(主様! ご報告いたします)
「ん? おぉ、もうこんな時間ですか、何かありました?」
(問題は御座いませんが一つ、世界樹様の様子が今までと少々違うと報告が来ています)
世界樹さんの様子? ここから出ない俺にはよくわからないけど。・・・よく考えたら完全に引きこもりだな、今度穴を広げてもらって外に出てみるかな?・・・て!?
現在時刻16:21:03
世界樹の迷宮(仮) 残り猶予 83:02:37(停止中)
LV:2
特性:植物・水
DP:516
迷宮 創造 作成 倉庫 その他
来た来た来た~!!!
残り猶予の時間が止まっている、つまりは世界樹さんが危機的状況から脱したと言うことだろう。
これで制限時間を気にする必要がなくなった! 後は、この時間自体を消す! そうすれば、本格的なダンジョン運営ができるぞ!
おっと、皆にも報告しないと。
(おめでとうございます! なんと目出度いことか!)
(げんき~♪)
皆も喜んでくれている、良かった、良かった。
(・・・の)
・・・ん? 今なんか声が聞こえたような。・・・気のせいかな?
それよりも、皆に労いをかねて何かして上げたいけど、DPが無いんだよな~、どうしたものか・・・。
(有り難き幸せ! しかし、我らは既に満たされています! 不満もありません故、今は現状改善に努めましょうぞ!)
(ごはんいっぱ~い、しあわせ~)
そうですか? まぁ、不満がないのはうれしいですけど。そうですね、DPが確保できるようになるまでは贅沢は禁止で行きましょうか。それまでは皆さんに頑張ってもらいましょう。
DP確保ができて、ダンジョン経営が安定したら、その時に皆さんの要望を改めて聞きますかね。
そのことを皆に伝えたら、ワイワイと念話で話しながら仕事に戻って行った。活気のある仕事場ってのは、いいね~。
(なのなの)
――――――――
縦穴は領域外を超え、水の感知範囲を超え、さらに掘り進んでいる。しかし深いな。どこまで毒が続いているのか。
(・・・報告)
「ん? アリスさんですか、珍しいですね。いつもはクロスさんが連絡をくれるのに」
(・・・現場に行ってる、私は中継担当)
なるほど、<念話>にも距離の限界はある。それを、間に<念話>持ちを挟むことで中継しているのか。今まではコアさんが中継してくれていたけど、領域外はダンジョンの機能を使えないからできないのね。
(・・・水を確認、付近に毒は無し、指示要求)
「おぉ! とうとう来ましたか。どれ位の深さにありますか?」
(・・・、・・・、・・・・・・・・・・、・・・1キロ位)
マジか、確認できる範囲を超えていたから、それ位でもおかしくない距離だけどさ。元の世界ではどれ位だったかな? 確か、井戸を掘る時って100メートル行くかどうか位だったような?
「う~ん、そうですね。予定通りにそこから横に掘って、無毒化して行きましょうか。そこからは破毒を使うのは難しいでしょうし。その空間をある程度広げて、上から毒が落ちてくるようにしたら、粘液達に処理をまかせましょう。」
(・・・了解)
「領域外で確認できないですし、範囲の程はお任せします。効果の程は、後で報告してください」
さーて、後は待つだけです。そうですね~、折角水属性なんて付いたんですから、水草の類でも【創造】しますかね~。
~ 世界樹のスリープモードが解除されました。おはようございますサブマスター ~
「え?」
「なの!」
世界樹の迷宮(仮)
LV:2
特性:植物・水
DP: 516 DP




