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226 【閑話】 嘘と言い訳と成長

”名付け”と【魂の回路】の補足説明的なモノです。(辻褄合わせの言い訳とも言う)



ちょっと短めです

 現在俺は、何もない空間をフヨフヨ漂っております。

 はい、人生三度目の【魂の間】でございます。

 本当、何があったし。こんな事態になる理由に身に覚えが全く無いぞ?


「……」


 ~ …… ~


「…………」


 ~ ………… ~


「いや、黙ってないで何とか言ったらどうです? コアさんや」


 ~ 回答不能。回答の必要な案件がありません ~


 へ~? ふ~ん? ほ~ん? 俺に()をつくとはいい度胸ですね~?


 ~  ~


 あ、いやいや、別に怒ってはいませんよ。コアさんの成長を実感できて、俺はとっても嬉しいのです。でもそんな態度だと、ちょっと意地悪したくなっちゃうではありませんか……ねぇ?


 ~ ……質疑内容の提示を求めます ~


「では、そうですね……な~んで、俺と世界樹さん、あ、今はエマさんか、エマさんと魂の繋がりなんて作ったんですかね~? 仮の名前を付けるだけで、“名付け”をした覚えは無かったのですが?」


 いやまぁ、俺も何も考えてなかったのは反省点ですが、今まで“名付け”による負担は、全部コアさんが捌いていたじゃないですか。何でよりにもよって、エマさんの時に限って俺に振るんです?

 何時ぞやの進化先の先導もあって、何かしらの意図を感じざるを得ないの……て、視線をそらすんじゃありません。姿は見えないですが、意識の向き方で分かりますからね?


 ~ 解。ダンジョンコアとサブマスターエマとの間には、既に【魂の回路】が存在します ~

 ~ 新たに【魂の回路】を形成することはできません ~


 あ、もうすでに存在しているから、重複して俺の負担を肩代わりする【魂の回路】を作れなかったって事ですか。そりゃ仕方が無いわ。

 成る程成る程、俺の方に負担が来た理由は分かりました……で、最初の質問に戻りますが、【魂の回路】を作った理由は?


 ~ 解。サブマスターエマ より、“名付け”受け入れ意思が発生。強制的に【魂の回路】が形成されました ~


 エマさんが原因かい!? 何考えているんですかあの植物は。


 ~ 否定。恐らく無意識かと思われます ~


「ほむ? 詳細説明プリーズ」


 コアさんの解説を纏めると……本来なら両者の合意の無い状態で“名付け”による【魂の回路】など造られないのだが、相手が世界樹と言う規格外の存在であることが災いしたらしい。


 俺の方に“名付け”をする意思はなかったが、エマさんの方が受け入れ態勢に入ってしまい、エマさん側から【魂の回路】を作れ! と魂を引っ張る力が発生。


 その吸引力を前にして俺の魂が剥ぎ取られそうになったのを、俺の代わりに急遽コアさん側で受け入れ処理を執行したが、あくまで回路を作るのは俺とエマさんなので、どうしても俺とエマさん間に【魂の回路】を形成しなくてはならなくなり、その負担が発生。


 作ったら作ったで、エマさんの力が俺の魂に流入し、俺の魂がパンク寸前。これは追加で行われた“番”判定も原因らしい。同じ名を名乗るとは、それだけ強い繋がりが作られるとの事。


 そして現在、俺の魂の保護と、【魂の回路】を可能な限り絞って流入する力の量を調整、負担を抑えつつ最適化に勤しんでいるとの事。


「……って事で合っています?」


 ~ 全て肯定 ~


 よし、今回の一件はエマさんが悪いって事にしておきましょう。エマさんには起きたら、自分が規格外の存在であることを自覚させる必要がありますね。イヤ、本当、マジで、俺の安全ためにもこれは必須ですわ。


 ~ 可能な限り早急に、安定した【魂の回路】を作る事を推奨 ~

 ~ サブマスターエマとの【魂の回路】受け入れに、了承してください ~


 うん、もう【魂の回路】はできてしまっているので、今更拒否しても負担が増えるだけでしょう。焦らなくても大丈夫ですよ。了承しますので最適化をお願い致します。


 ~ 了解、最適化実行の為に、スリープモードに移行します ~


「はい……あぁ、最後に一つ良いですか?」


 ~ ? 是 ~


「……今回みたいな事は、最後にして下さいね?」


 コアさん的には、お互いの繋がりを強くしておきたかったとか、何かしらの理由が有ったのでしょうが、圧倒的格上(世界樹)の受け入れによって、“名付け”が強制発生する可能性があったのを意図(・・)して言わなかった事……気付いていますからね? 


 ~ …………了解 ~


 まぁ、嘘が吐ける上に、言い訳と話の逸らし方まで上手くなっていて、コアさんの人格成長が垣間見られた、良い時間だったと満足しておきましょうか……次は無いがな。


ダンマス「しっかしあいつ等、無茶な事しないでしょうね?」

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