23　環境改善を進めよう

　クロスさんとの会議の後、小休憩を挟んで現在、俺はダンジョン機能の【作成】画面を開いていた。

　ふふふ、さぁ、【作成】のお時間です！【創造】で作りはしたけど、やっぱり【作成】して生み出さないとね。実際に機能しているところを見たいじゃないですか。というわけで、

「コアさん、散布をお願いします」

　～250DPを使用して【灯草（あかりそう）】を領域内に散布します～

　～25DPを使用して【ホロホロ草】を領域内に散布します～

　～25DPを使用して【ポロポロ草】を領域内に散布します～

　～250DPを使用して【蓄魔草（チクマソウ）】を領域内に散布します～

　～250DPを使用して【帯魔草（タイマソウ）】を領域内に散布します～

　～150DPを使用して【血刃草（ケツジンソウ）】を領域内に散布します～

　～150DPを使用して【幻惑草（ゲンワクソウ）】を領域内に散布します～

　～150DPを使用して【痺（シビ）れ草（ソウ）】を領域内に散布します～

　～150DPを使用して【睡眠草（スイミンソウ）】を領域内に散布します～

　～150DPを使用して【興奮草（コウフンソウ）】を領域内に散布します～

　～150DPを使用して【石化草（セキカソウ）】を領域内に散布します～

【灯草（あかりそう）】魔力を吸い成長する草。魔力濃度が濃い場所に生息する。余分な魔力を花弁から光として放出し、虫を集め繁殖する。

【ホロホロ草】魔力を吸い成長する草。どこででも生息し、成長が早く発芽条件が揃えば何時でも発芽し、株でも種子でも繁殖する。

【ポロポロ草】魔力を吸い成長する草。どこででも生息し、成長が早く魔力が濃いほど大量の種子が実る。

【蓄魔草（チクマソウ）】魔力をため込んだ株を持つ草。地中に魔力を留める力がある。

【帯魔草（タイマソウ）】魔力をため込んだ葉を持つ草。空中に魔力を留める力がある。

　ここら辺は無毒化した後の、土壌改良と食料のために散布した。名前の由来？雰囲気です。

　前にも魔力が重要と言った気がしたが、この世界は魔力さえあれば何でもできると言っても過言ではない。魔法（魔力）で水や石を作ることができてしまう、これがこの世界の物理法則？になる。まぁ、だからダンジョンなんてものが存在できるんだろうけど。

　ちなみに、魔法とかで作った物質は安定しない、すぐに魔力に戻ってしまうのだ。だが、高濃度で圧縮すれば魔力の塊である魔石になるし、魔力を他の物質に変えた状態を、長時間維持させれば、物質として安定し固定される。そんなわけで、弱い植物程度なら魔力だけでも十分に成長するのだ。これが枯れて土になってと繰り返せば、この腐って枯れた大地も回復に向かうだろう。あ、灯草（あかりそう）は洞窟内での日光の代わりです。

【血刃草（ケツジンソウ）】出血毒を含む、刃のように鋭い草。生き物に傷を付け、血や弱って死亡した生き物から栄養を摂取する。その性質上群生しやすい。魔力が濃いところ程、薬効が強くなる。

【幻惑草（ゲンワクソウ）】根や葉、花粉に幻惑作用のある草。生物を惑わせ自身を守る。魔力が濃いところ程、薬効が強くなる。

【麻痺草（マヒソウ）】根や葉、花粉に麻痺毒を持つ草。生物を痺れさせ自身を守る。魔力が濃いところ程、薬効が強くなる。

【睡眠草（スイミンソウ）】根や葉、花粉に睡眠毒を持つ草。生物を眠らせ自身を守る。魔力が濃いところ程、薬効が強くなる。

【興奮草（コウフンソウ）】根や葉、花粉に興奮作用のある草。生物を興奮させ自身から目を反らさせ身を守る。魔力が濃いところ程、薬効が強くなる。

【石化草（セキカソウ）】根や葉、花粉に石化毒を持つ草。周りにある草や害虫を石化させ、栄養を摂取し身を守る。魔力が濃いところ程、薬効が強くなる。

　ここら辺は粘液（スライム）達の食料のほかに、スキルアップと進化条件のクリアに繋がることを狙ってみた。少量なら他の種類の子たちも食って大丈夫だし、むしろ耐性が付くってもんです。

　植物も生物も、種類が多い方が自然環境は安定しやすい。淘汰されたり、逆に進化したりして、その内丁度いい塩梅の生態系ができるだろう。

　・・・まだまだ先の話ですけど、生物も粘液族と虫族しか未だに居ないし。早く獣族とか、鳥族とか、魚族とか、豪華なので竜族とか、代わりネタで妖精族とか、あ、あと深いところの土を浄化した後に植える樹木の類とかも・・・。

　せっかく【創造】したのだから、その内生み出したいな～。

　あと、純蟲（ピュア・キャピター）の方も今は十分らしいので、スポナーは切ることにした。DPの節約である。

　・・・ところでだ、いつの間に俺は草原に移動したのかな？

　俺は、ミスや間違いがないか確認していただけなので、移動は一切していない。なのに、気が付いたら周りはくるぶし位の高さの草で覆われていた。しかも、今までコアからの明かりだけで薄暗かった部屋が、今では隅々まで見渡せるほど明るくなっていた。上を見ると、豆電球のように輝く花が咲いている。

　・・・うん、灯草だね。で、この牧草の様な草はホロホロ草と。他にもちらほらと違う種類の草が見て取れる。

　散布してもらってからまだ１時間もたっていないはずなのに。おかしいよね？早すぎるよね？それとも、魔力が濃いとこれ程成長が早くなるの？

　イヤイヤイヤ、さすがにそこまでは無いでしょ、あったとしたら今頃この世界は森に沈んでいるわ。

　キノコの時もそうだったけど、植物の成長が早すぎる。あの時は、世界樹の木片と虫糞で作った肥料が良かったのかと思っていたけど、これは違う、他に何か要因があるな。

　植物関係だと、ここが世界樹だからか？でも樹液が染み出ているわけでもないし、ダンジョンだから魔力が普通より異常に濃いとか？・・・分からん！

「コアさん、植物の成長に何か補正とかってかかってない？」

　特性：【植物】植物の成長に補正（大）生物の成長に補正（小）

　えーと、こんな表示あったっけ？初日に見たときはこんなの出なかったはずだけど・・・。

　～ダンジョンのレベルが上がったことによって閲覧可能になりました～

　あ、はい。・・・これからは、レベルが上がる度に何ができるか、思いつく限り確認するようにしよう。そうしよう。