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186 暗躍開始

①世界樹さんは特別仕様

②人間じゃないなら、敵じゃない?

③そろそろ動くか

 

 ~ピピピ・ピピピ・ピピピ~

 ~おはようございます、マスター~

 ~領域より24,000DPを回収しました~

 ~侵入者を撃退し、91,570 DPを取得しました~

 ~所持DPの端数を利用し、世界樹に対して<成長>を執行します~

 ~迷宮化が終了しております~

 ~テンプレート【雲海】が完成しております~

 ~領域拡張が終了しております~


「あいあい~、おはようございま~~~zzz」

「なの! 起きるなの!」

「へぶ」


 あいあい、起きますから腹の上に乗らんといて~。

 う~ん、作戦会議が長引いたせいで、まだ眠いが、本来睡眠もそんなに必要でない体なので、気合を入れて体を起こす。うん、即効で眼が覚めた、便利な体ですわ~。


 コアさんからの情報を確認する。えっと、なになに…おっとぉ? 撃退で入るDPがとんでもない量になっていますね。最近残っていた森が減少し、それに伴って邪魔物も減少したお陰で、DP取得量が減っていたので、有り難いですね。

 領域に入ってきた人間(ケルド)を狩りまくっているのが原因でしょう。これは暫く無茶なDP運用をしても、耐えられそうですね……鉱石の入手にも目途が立ちましたし、物資も潤沢。DPを使ってまで欲しい物も無いですし、作ったら作ったで、生産担当の子達の仕事を奪う事になる。

 ……使う機会なんてそんなにありませんね! 


 まぁあそこは、しばらく放置で良いでしょう。第一防衛ラインにも仕掛けはしましたし、対応はそこを超えてからで十分。目の前の物資に釘付けに成っている内に、こちらはこちらで、動かせていただきましょう。その前に……


(めーし)っなの、(めっし)ーなの!」

「はいはい、何にしましょうかね~」


 ―――


「最終確認ですが、問題ありませんか?」

「なの! 問題ないなの」


 ではでは、始めましょうか。ゴトーさんも準備は良いですか? それではコアさんや、お願いいたします!


 ~ 了解。<深化P>を490使用します ~

 ~ 機能容量が 11,500 になりました ~

 ~容量500を使用し、【機能】<マーキング>を習得しました~

 ~ <幹部>ゴトーへ<マーキング>を執行いたします ~

 ~ 抵抗なし、<マーキング>成功。100DPを使用致しました ~


 抵抗? 成る程、魔法や<鑑定>と同じで、対象にバレたり失敗、余計なDPを使用しそうですね。所有者のレベルによりますが、所有物なら<鑑定>を掛けても、実力によっては気付きませんし、掛けるなら対象の所有物とかに掛けるのが良いでしょう。


 マップを確認すると、表示の横に<マーキング>項目が追加されており、タップするとゴトーさんの現在位置にズームした。とりあえずは成功ですね。


「ゴトーさん、どんな感じですか?」

「メルル、最初に何かが触れたような感覚がしましたが、今は特に何も感じませんな」


 成る程、一度かけてしまえば、気が付かれる可能性は低そうですね。これも朗報でしょう。何かに紛れて<マーキング>すれば、強者に対しても(マーキング)を付けられそうだ。


「メルル、それでは移動いたします」

「行ってらっしゃい」


 そうして、<マーキング>を掛けられたゴトーさんは、<神出鬼没>でカッターナまで移動する。そうするとマップの画面が急速に切り替わり、すん~~~ごい遠くに、ポツンとゴトーさんが居る位置を表示してくれた。

 領域外でも効果が適応されましたか、懸念の一つが解消されましたね、良かった良かった。

 領域外に出ても効果が有る所を見るに、恐らく<マーキング>とは、対象に発信機を付ける様な機能なのでしょう。その為、受信する迷宮側が機能していれば、領域外でも問題なく機能するのでしょうね。外を探る<探索>を取らずに済みました。


 では、次に移りましょう!


 ~ <幹部>ゴトーの周辺を領域化します ~

 ~ 他の領域と接触していない為、領域化が行えません ~

 ~ <深化P>を 2,500 使用します ~

 ~ 機能容量が 14,000 になりました ~

 ~ 容量 5,000 を使用し、【領域】<飛地>を習得しました ~

 ~ <幹部>ゴトーの周辺を領域化します ~

 ~ 目的地点は、<幹部>ゴトーの所有領域です ~

 ~ 領域を【世界樹の迷宮】の領域へと統合いたします ~


 よっしゃ! 大きな買い物でしたが、問題なく機能しました! これが失敗したら、ちょっと泣いていたかも。


 何をしたかと言うと、ゴトーさんに頼んで、カッターナ王国の土地を買って貰い、その土地を迷宮の領域としたのだ。これで機能の<門>を取得すれば、カッターナ王国への道と拠点が完成することになる。


 王国とあるが、カッターナは小国が寄り集まってできた連合国だ。


 数百年程前、領地を拡大し続けるエスタール帝国と、人間至上主義を掲げ、領土侵略を繰り返すイラ王国、双方に抵抗する為に同盟を結んだのでしょう。


 まぁ、エスタールの方は、武力はあまり使わずに、交易と技術提供、福祉等々ポジティブ方面で仕掛けていたのに対し、喧嘩を吹っ掛けたのはイラ教だったらしいので、どちらかと言うと、イラ教に対する同盟だったのでしょうが。


 エスタール帝国も、あくまで隣国の、それも中立国での戦いの為、行ったのは物資支援程度。傭兵等で戦いに赴いた者達は居たでしょうが、人的被害はほぼなしと言っていい。


 そして、そんなやり取りが数十年。


 イラ教の方も、このまま戦い続け、疲弊した状態でエスタール帝国と国境が接することを避けたのか、いや、エスタール帝国の方が面倒な戦争を嫌がって、間にカッターナを挟むことで、防波堤の役目にしたのでしょうか……とにかく戦火は自然消滅。

 戦争で疲弊したカッターナ王国とイラ王国、確実に力を溜め込んだエスタール帝国。結局、エスタール帝国の一人勝ちって事ですね。


 そして現在、エスタール帝国とイラ王国、両国に板挟みになりつつ両国が接触しない、南北に延びる山脈を国境とした、今の細長いカッターナ王国が誕生した。


 まぁ、そんな訳で、何十年もドンパチやっていた事もあって、小国同士の境線がかなり曖昧になってしまい、終戦後もしっちゃかめっちゃか……その為、その土地に住んでいる市民は、どの土地の領地なのか、どの国に、どの領主に税を納めれば良いのか、たびたび問題になったらしい。


 そして、その問題を解決するために何をしたかと言うと、土地の所有権を、国民へと売り払ったのだ。

 本来の所有権とは、国から、土地を所有する権利の事を指すが、この場合の土地の所有権とは国土の所有(・・・・・)である。簡単に言ってしまうと、国王が統治を放り投げた。


 ……国の領地を他人に、それも個人に売り渡すとか、考えられませんが、それはこの世界の特性が原因の一つでしょう。


 簡単に言ってしまうと、その土地の所有権を、誰が証明することができるか……に集約する。


 国が保証できるのでしたら問題ないでしょうが、この世界には、国をも脅かす存在が居る。


 それは魔物。


 国ですら飲み込みかねない存在が近くに居ると言うのに、その土地の保証など、簡単にはできない。書面等で保証しようにも、簡単にその土地を奪われてしまうからだ。

 さらに言えば、唯の文章では、この世界では簡単に偽造できてしまいます。印鑑とか、筆跡鑑定だとか、魔法関係で大体如何にかできてしまうのだ。


 その為、重要な書類や契約には、魂を縛る【契約書】を使用することが多い。


【契約書】による契約は、言ってしまえば血判証明の様なものである。

 魂の波長は千差万別、唯一無二。DNAによる証明に近い物と考えれば、その信頼度の高さが伺えるでしょう。

 契約書によって指定した範囲の土地は、契約者の魔力の波長を強制的に馴染ませることで、所有権を確立することができる。土地に対して契約を結ぶ形ですね。


 因みに、自然界でも似たような仕組みで、縄張りが決定して居たりする。


 本来であれば、土地の所有権(縄張り)は、自身の魔力を土地に馴染ませ、他の生物が放つ魔力の残滓を追い払う事で、自身の縄張りとする。他者の縄張りに入ると、抵抗感や違和感を覚えるのはこのためだ。


 そして、定期的に更新しなければ、自然消滅したり、他者によって塗り替えられてしまう。その為、定期的に巡回し、その都度縄張りを更新する。野生動物が行う、マーキングみたいなものですね。


 縄張りの大きさは、それだけその存在の強さの証明となるのですが、まぁ、その辺りの事は、今は良いか。


 土地の所有権は、言ってしまえば所有者の縄張りと言う事です。


 そして、その所有権(縄張り)は、【契約書】を更新することで、簡単に所有者を変更することができる。


 その為、支払いさえできれば、土地を所有することができる訳です。その土地の特性を利用させてもらった。

 まぁ、なんだかんだ言いましたが、余所者に占拠し続けられれば領域を奪われてしまう事に変わりはありませんがね。


 侵略云々だけを見たならば、国という巨大な群れが所有しているか、個人が所有しているかの違いくらいです。


 なので、アルベリオン王国は連合国とは違い、一応土地は王国のものなので、一般市民の身分では王や領主から土地を借りることはできても、取得することはできない。自国の領域を他者に譲る訳ですからね。削るには、ちょっと工夫が必要ですね。

機能<深化>の御蔭も有って、手札が増えたので、漸く外に向けて行動開始です。


取れる機能がチート染みて来ていますが、他のダンジョンですとここまで簡単に習得できるものでは無かったり。(場所、主などのダンジョンとの相性や能力)

他のダンジョンを出せれば、その違いが出せるんですが……出せたとしても、カッターナでの出来事が終わってからでしょうか。まだまだ先になりそうです。


追伸

容量の計算で間違いが発覚したので修正いたしました。(話の流れは変わりません)


世界樹の迷宮 LV(レベル:9

特性:植物・水・土

DP:250,000

迷宮 創造 作成 倉庫 その他


処理能力:10,900 / 11,010

機能容量:8,500 / 11,010 → 14,000 / 14,000

深化P: 9,980 → 6,990

機能

・創造:<想像ノ創造>

・迷宮:<効率化LV2><成長>

・領域:<高速化LV2><吸収><範囲選択><深化><飛地>new

・機能:<鑑定><散布><カメラ><選択・予約><数値化><一覧化><解放>

<マーキング>new


追加機能

・機能:<マーキング>  容量500

・領域:<飛地>     容量5000




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