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173 ヌメヌメ~

①ピヨ

②ピヨピヨ

③ピヨピヨピヨピヨポイポイイyポイヨユポイくぁwせdrftgyふじこlp

「獲物が居ねぇ」

「普通は、もうそろそろ出て来ても、おかしくねぇよな?」

「強力な個体でも出たか?」


 魔物と言うものは、周囲に居る生き物に積極的に襲い掛かる。その為、生き物の存在を感知次第襲い掛かり、捕食する。そうしてレベルが上がり進化まで至った個体は、下位の存在、今までの自分と同じ程度の存在を一方的に狩り尽くす事で主となり、一時的な空白地帯ができる事がある。


まさか、そこに足を踏み入れたのでは? と、思いながらも、ズカズカと無遠慮に森へと足を踏み込む者達の耳に、小気味よい水の音が聞こえてくる。


「この音は、川か?」

「成る程、ぺプリオンは水が嫌いだからな、そのせいで居なかったのか」


進むごとに水音は大きくなり、木々の間から光が差してくる。逸る気持ちに突き動かされ、自然と歩みが速くなる。そうして、数分もしない内に目的の場所へと到着する。


「水だ! はっはー、これだけでも、十分な収穫じゃねぇか?」

「だな、飲み水の確保が、ぐっと楽になる」

「町からここまで送ってもらうのも、一苦労だろうからな」


 緩やかな流れの川。木々が無くなったことで差し込んだ光が、その透き通る様な水面で反射し、光り輝いていた。


「ここまで節約してたからな、これは有り難い」

「手持ちも心許なかったしな、サッサと汲んで仕舞おう。おら、早くしろ家畜が」


周囲を警戒する者と、水を汲む者とに別れ、腰に下げた皮の水筒へと水を満たし、交代で喉の渇きを潤していく。蹴り飛ばされた家畜と言われた人…首輪をつけた獣人は、何も言わず背負っていた荷物から水筒を取り出し、黙々と水を汲み始める。


「ふぅ……この情報、幾らぐらいになると思う?」

「他の奴らに先を越されてなければ、まぁ、場所も近いし、ほっといても見つかっただろう事を考えると、そこまででもないかもなぁ」

「なんだよ、期待して損したぜ。まぁ、楽になったのは確かだし……ん?」


 期待して損したと、ため息交じりに愚痴る剣士の横で、仲間の一人が顔から川へと突っ込んで居る姿を目撃する。


「ぶはは! お前がっつきすぎだろ!」

「おい、川下で飲めよ! ん?」


その姿を見て、笑い声を上げる仲間たちだが、すぐにその異変に気が付く。

もがくように身をよじり、されど一歩もそこから動くことは無い。そうして、何かの拘束を振り解くように片腕が跳ね上れば、その腕で腰の短刀を抜くと、出鱈目に水面へと突き立て、その度に水飛沫が跳ねる。


「まさか!?」

「クッソ! 気配の欠片も無いぞ!?」


仲間の危機に漸く気が付き、武器を手に掛けながら駆け寄る者達。周囲を警戒していた魔法使いは引き上げようと腕を伸ばし、水を飲んでいた二人は、姿見えぬ相手に向けて剣を振り上げ、短槍を水面へと突き立てる。


「んぎ!?」


水面へ突き立てた短槍が撓み、予想外の手ごたえが襲ってくる。まるで硬質な見えない石にでもぶつかった様な、予想よりも早い抵抗と強烈な反発に、体勢が崩れる。それと入れ違いに水面が弾け、攻撃した者へ向けて細長い影が、水を纏いながら飛んでくる。


「!?」


その速度と予兆の無さから、反応することができなかった槍使いの胴体へと、皮装備など物ともせず深々と突き刺さる。


「なんだこいつは!?」


仲間の体で止まったことで、ようやくその姿を確認する。石のような質感をした、細長い円錐状の物体。仲間の体を貫いた先端は鋭く輝き、底部と水面を水の帯が繋いでいた。

 見たことも無い存在に困惑する一同だが、仲間を水面へと引きずり込もうとする姿を見て、硬直が解ける。最も近くに居た剣士が振るった剣の切っ先が、仲間を穿った円錐に繋がっている水の帯を弾き飛ばすと、その中からヌメリを帯びた弾力のある触手が現れる。


「この感触、軟体族だ! 斬り飛ばせ!」


 引き上げようとしていた魔法使いは、水面から引き剥がすのは無理だと判断したのか、既にぐったりとしている仲間から手を放し、魔力を練り出す。


「早くしろ!」

「そうポンポン撃てるか!」


弾き飛ばされた水を帯び直した触手に向けて、剣を振るっている剣士が、魔力を練る魔法使いを急かすが、能力不足か一撃の威力を上げる為なのか、発動までに時間が掛かっている。


その間に、円錐の先端で槍の様に突いて来る相手の攻撃を、剣と小盾で捌き時間を稼ぐ剣士だが、平たい板の様なものが、水を切るように水面ギリギリを駆け、剣士の足を払う様に横薙ぎに振るわれる。

それに気が付いた剣士は、小盾で円錐を捌きながら、咄嗟に地面に剣を突き立て、振るわれた平たい何かを剣の腹で受ける。だが、遠心力を加えられた一撃は剣を砕き、片足を切り飛ばし、もう片方の足の中ほどまで食い込み、掬い上げる様に引きずり倒す。


「あぎいぃぃぃ!?」

「くそが!」


攻撃を受け持っていた剣士が倒れた事で、余裕が無いと判断した魔法使いは、中途半端ながら練って居た魔力を使い魔法を発動させる。<風魔法>によって鋭利な風の刃を作り、放とうとする…その前に、相手側に変化が現れる。

水で覆われていた触手から水が引き、水中に歪な球体が現れ、それと入れ違いに水面から水球が浮かび上がり、それと同時に一本の触手が持ち上がる。


「な、ぼふ!?」


空中へ浮き上がった水球が、魔法の発動に集中していた為に動けない、魔法使いへと飛来し吹き飛ばす。魔法使いとは違い、発動の早さを重視した<水魔法>による一撃は、相手の命を奪うまではいかずとも、魔法の発動を妨害するには十分な効果を発揮する。

それと並行し、持ち上がった触手が縦に弧を描くように動き、重力と遠心力を加えながら、足を切られ尻もちをついていた、剣士の頭部に向け振り下ろされる。振るわれるその長い触手の先端には、円錐や板と同じ様な材質の岩の様なものが引っ付いていた。


「ひぃ!?」


その見た目と鈍重な動きから、殺傷能力の高さは容易に想像できるだろう。引きつった悲鳴を上げながら、上から迫って来る攻撃を、咄嗟に折れた剣と腕で防ごうとする剣士だが、衝突する直前に水面が弾け、半球型の円盤が、螺旋を描きながら、ねじり込む様に、上を向いていた剣士の顎を強かに打ち据える。


「ぶ!?」


その衝撃に意識が飛び、白目をむきながら脱力する剣士の跳ね上がった顔面に向け、振り下ろされた鈍器が直撃する。そのままの勢いで地面にまで押し付けられた頭部は、原型を留めることなく粉砕された。

 

「あ、あ…あーーーー!?」


 仲間が全員死んだことを認識して仕舞った魔法使いが、情けない声を上げながら、這う這うの体で元来た道へと逃亡を開始する。


束の間静寂の後、川の流れる音だけが支配する空間に、ずるりと水面から触手が持ちあがり、川岸の転がる死体を川の中へと引きずり込む。その場に残ったのは、川の流れる音と、そんな姿を冷ややかな眼差しで見送る、奴隷の獣人だけであった。


―――


「地の利の勝利なの!」

「実質6対5、奴隷の獣人を抜いて4か、当然の結果と言ったところでしょうか……あ、獣人さんは保護しておいてください」

(承知いたしました!)


名称:武装蛸(アーミートロス)魔物使い(テイマー)

氏名:

分類:現体

種族:軟体族

LV:1~25

HP:380 ~2100

SP:380 ~2200

MP:180 ~900

筋力:370 ~2100 B+

耐久: 80 ~ 430 E+

体力:180 ~1030 C

俊敏:130 ~ 730 D+

器用:370 ~2100 B+

思考: 80 ~ 470 D-(職業特性:1ランクアップ)

魔力: 80 ~ 430 E+

適応率:10

変異率:10

スキル

・肉体:<打撃耐性><吸盤>

・技術:<身体操作><遊泳><踏ん張り><受け流し><急所抜き><平行思考><察知>

<隠す><隠れる> テイマー:<団結><伝達>

・技能:<身体強化><連撃><全力攻撃><集中><自己回復>


 周囲に存在する物体を武器として扱う事を覚えた(オクトロス)の魔物。陸上でも水中でも活動可能で、地面に踏ん張り、残りの触手に物を持ち武器とする。

同時に幾つもの触手を使い、絶え間なく攻撃を加えて来る。



名称:剣貝(ソードシェル)

氏名:

分類:現体

種族:軟体族

LV:1~25

HP:370~2500

SP:370~2500

MP:120~ 300

筋力: 70~1000 C+

耐久:250~1300 C+

体力:170~1200 C+

俊敏:100~1850 B+

器用:100~1850 B+

思考: 50~ 130 G-

魔力: 50~ 130 G-

適応率:30

変異率:30

スキル

・肉体:<物理耐性><外殻><爪>

・技術:<踏ん張り><隠れる><剣術>

・技能:<身体強化><外殻生成><連撃>


 一枚貝の姿をした、斬撃特化の魔物。地上や、流れの緩やかな水中で活動し、地面に体を固定し、近くを通った獲物に対し板状に生成した<外殻>を、剣の様に振るう事で獲物を斬殺し捕食する。移動速度はとても遅いので、近づかなければ逃げる事は容易。

押し出すように<外殻>(貝)を生成する為、折れても機能が損なわれることは無く、すぐに<外殻生成>で元に戻る(カッターかな?)



名称:槍貝(ランスシェル)

氏名:

分類:現体

種族:軟体族

LV:1~25

HP:370~2500

SP:370~2500

MP:120~ 300

筋力:100~1850 B+

耐久:250~1300 C+

体力:170~1200 C+

俊敏:100~1850 B+

器用: 60~1100 C+

思考: 50~ 130 G-

魔力: 50~ 130 G-

適応率:30

変異率:30

スキル

・肉体:<物理耐性><外殻><角>

・技術:<踏ん張り><隠れる><槍術>

・技能:<身体強化><外殻生成><突進>


巻貝のような姿をした、刺突特化の魔物。蛸のような触手を幾つも持ち、水辺(陸上生活も可能)で行動する。川の流れに乗って、進行方向に居る獲物へと<突撃>し刺殺し、刺さった獲物は、長い触手を使い回収する。刺さった場合、復帰に時間が掛かるが、近づくと触手によって絡みつかれるため、接近には注意する事を推奨する。

 押し出すように<外殻>()を生成する為、円錐状の層になっており、折れても機能が損なわれることは無く、すぐに<外殻生成>で元に戻る(ロケット鉛筆かな?)



名称:槌貝(ハンマーシェル)

氏名:

分類:現体

種族:軟体族

LV:1~25

HP:430~4000

SP:430~4000

MP:120~ 300

筋力:100~1800 B+

耐久:300~2000 B+

体力:200~2000 B+

俊敏: 60~1100 C+

器用: 50~ 600 D+

思考: 50~ 130 G-

魔力: 50~ 130 G-

適応率:30

変異率:30

スキル

・肉体:<物理耐性><外殻>

・技術:<踏ん張り><隠れる><槌術>

・技能:<身体強化><外殻生成><全力攻撃>


棘付き鉄球の底部を切り取ったような<外殻>を持った、殴打特化の魔物。地面に引っ付き、近づいてきた獲物に対し、高速で<外殻>をぶつけ、気絶又は死亡した獲物を回収し捕食する。移動速度はとても遅いので、近づかなければ危険は少ない。

押し出すように<外殻>(貝)を生成する為、外側はひび割れ、割れた部分を補う様に<外殻生成>されるため、岩の様に歪な形をしており、多くの鋭角が生まれ、殺傷能力が高くなる。割れたとしてもすぐに<外殻生成>で元に戻るうえ、とても堅い<外殻>を持ち、物理的に破壊するのは難しい。火や冷魔法などが有効。



名称:盾貝(シールドズシェル)

氏名:

分類:現体

種族:軟体族

LV:1~25

HP:370~2500

SP:370~2500

MP:120~ 300

筋力: 70~1000 C+

耐久:320~3300 A+

体力:170~1200 C+

俊敏: 60~1100 C+

器用: 60~1100 C+

思考: 50~ 130 G-

魔力: 50~ 130 G-

適応率:50

変異率:30

スキル

・肉体:<物理耐性><魔法耐性><外殻>

・技術:<踏ん張り><隠れる><盾術>

・技能:<身体強化><外殻生成><守る>


プレート状の<外殻>を持つ、一枚貝の様な姿をした防御特化の魔物。地面に引っ付き、周囲の魔力や死骸などを捕食する。とても堅い<外殻>を持つため、物理的に破壊するのは難しく、環境に合わせて耐性を取得する為、魔法による攻撃も効きにくい。<外殻>を壊せたとしても、すぐに再生する為、一撃で壊せなければじり貧になる。

温厚で攻撃して来ることはまず無いが、その硬さから巣の防壁や蓋などに使われていることが有る為、利用している他の魔物に注意する必要がある。



名称:魔貝(マナシェル)

氏名:

分類:現体

種族:軟体族

LV:1~25

HP:430~4000

SP:430~4000

MP:250~4000

筋力: 25~ 100 G-

耐久:300~2000 B+

体力:200~2000 B+

俊敏: 25~ 100 G-

器用: 25~ 100 G-

思考:100~1900 B+

魔力:100~1900 B+

適応率:30

変異率:30

スキル

・肉体:<物理耐性><魔法耐性><外殻><帯魔>

・技術:<魔力操作><~魔法><隠れる>

・技能:<魔法強化><外殻生成>


二枚貝の様な外見をした、魔法を使う事に特化した魔物。魔法による隠蔽が得意で、地上では<土魔法>で土を被ったり、水中では<水魔法>などで姿を曖昧にすることで、周囲に溶け込み外敵から身を守る。

 <水魔法>によって、武装蛸(アーミートロス)魔物使い(テイマー)の姿を隠していたのも、この魔物。

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