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118 モフモフ天国

①難民

②森ちょんぱ

③東から西に移動して、西南北に分かれて・・・

 魔道具博覧会から一日経過。

 その日の内に、監督役を請け負ってくれる子をタクミさんに紹介しましたが、今のところ問題は起こっていない。

 タクミさんはタクミさんで、やりたいことが有るでしょうしね。これで、タクミさんの負担が減れば良いのですが。


 今後はマッドサイエンティスト改め、職人として活動してもらいたいものです。自分の体に対してマッドなのはよろしくない。

 家は残業なし、ノルマ無し、経験ない方もOK! スキルも磨ける、アットホームな職場ですからね。


 自身が持つリソースを把握し、役割を分担しながらやれば、効率は上がるし余裕が生まれる。今まで、複数の子が同じような内容の実験をやる、非効率な事をしていたみたいですから、監督役にはその辺りの調整にも期待です。


 その他は、特にこれと言った事は無く、現在は夜。眠る前にできた、ちょっとした時間。俺と世界樹さんは、お互い何となく暇になったので、ダンジョン機能を見直していた。


「なのののの~~~~」

「前回の貯蓄分も有りますからね~。あ、これ良いな……って、2,000か、次回のレベルアップまで待てば、この機能取れますね」

「なの? あ~それなの。無くても問題なくないなの?」

「あると便利ですよ?」

「多分、私が代わりにできるなの!」


 最近になって、世界樹さんがいろんな事をやりたがるようになったんですよね。

 製薬関係も続けていますけど、魔力を使う事なら自信が有るのか、積極的に代わりを成そうとする。

 その為、ダンジョンの容量が増えても、機能追加は見送る形を取っている。世界樹さんが代わりにできるなら、任せて見るのもありですからね。容量を使うならば、ダンジョンでしかできないもの、効果を維持し続けるモノに割きたい。

 それに、切羽詰まっても居ないですし、挑戦するだけならタダです。

 前に候補に挙がった機能も、世界樹さんは魔法で再現して見せましたからね、実績はばっちりです。


「慎重に選ぶなの。【深化】みたいに、どんな効果か分からない可能性も有るなの!」

「あぁ・・・あれね~」


 機能<深化>

 DPを消費し、ダンジョンコアの能力を永続的に向上させる


 この機能、永続的にの部分に惹かれて取りましたが、DPを突っ込んでも、ダンジョンの能力が上がった形跡が見られなかったのだ。因みに、魔物で試してみましたが、ダンジョンコア限定ですので、そもそも対象に選べなかった。


「多分、レベルが上がった時に、効果が発動するモノだとは思っているんですがね~」

「まさか、DP使用量に<深化>の分が加算されないとは、思わなかったなの」


 全くである。レベルが上がった時に適応されるなら、レベルが上がる分だけ、<深化>を使えばいいのでは? と思い、DPを突っ込んでみたのですが、上がらなかったんですよね~。<深化>時に、処理能力が割り振られ、すぐに戻ったことからも、処理が終わっていない訳でもない。

 そこから判断するに、<深化>に使用した分は、コアさんのレベルアップ分には、加算されていないみたいなんですよね。嫌らしい仕様である。


 俺の趣味で選んだ機能なだけに、これ以上実験にDPを掛けられる程、余裕はない。なんせ、仮想敵がどれほど強いか、ハッキリしていませんからね~。


 ベッドに寝転がりながら、ダンジョンのメニューを眺める。あ、この機能もいいな~

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・


 ―――


(ほうこく~、報告~!)

「主様! ご報告したいこ・・・・・・プル様もですかな?」

「ん~~~~~? おはにょうございまう?」


 ~ おはようございます、マスター。現在時刻は4時37分です ~


 んんん~~~? 4時~?

 あ~~~~~~~・・・・・・・・・・・・、いつの間にか寝て仕舞いましたか。寝落ちなんて何時ぶりでしょうか。


(おはようございます、主様! お休み中申し訳ありません。ご報告したいことが有ります)

「ん~~~~~~~・・・・・・、ん! はい、起きました。お願いします」

(北より森の境目に沿って、謎の一団が接近中とのことです)

(こっちも同じ~)


 こんな日が昇り出す時間帯に移動とは、縄張り争いにでも敗れて、追い出されでもしましたかね?


「移動速度はどれ程で、どの程度の規模ですか?」

(この調子だと~・・・・・・、今日の御昼頃には領域に入ると思う)

(規模は、多種多様な種族が入り乱れていますが、総数200~300程度と思われます)


 200~300・・・・・・結構な規模ですね。いや、蟻と象では規模が段違いになりますし、種類によって変わりますね。

 領域内に入ってきたら、その辺りはハッキリするとは思いますが、どんな一団なのでしょう?


 本当は、<鑑定>結果でも聞ければいいのですが、こちらの存在を悟られるのは避けたいですしね。相手の事を、一方的に察知できる利点を潰すことも無いでしょう。

 ・・・・・・本当に、物語とかで出て来るバレない<鑑定>って、チートだと思いますわ。一方的に相手の手札を知れるんですからね。

 まぁ、見た目だけでも予測できることは有る。


「種族が多いとの事でしたが、どの様な姿なのですか?」

(う~~~ん、アレってさ~)

(うむ・・・・・・見た目は、(ウルグ)(キャットル)(バイズ)蜥蜴(レプター)などが、二足歩行をしている姿に似ていると、報告が上がっています)


 おぉん? それって、獣人っていいませんか?


 ―――


 領域内の森に入ってきた為、コアさん経由の映像で、その姿を確認することができた。


 蜥蜴、犬、猫、豚、馬、牛、兎、鼠、鳥に魚まで居る。

 蜥蜴や魚、鳥・・・・・・は、獣人の括りではありませんが、本当に沢山の種族が居ますね~。


 最近は、東に領域拡張を寄せていましたから、北や南の領域はそれ程広がっていない。

 代わりに、魔物たちによる警戒が厳重になって居ますけどね。今回も、そのおかげで、事前に気が付きましたし。


 あ、東側については、世界樹さんの根が伸びて行っているので、世界樹さんの感知範囲になります。滅多な事では、バレずに近づくことはできないでしょう。


 で、その世界樹さんはと言うと……


「皆さん! 全力で抑えて下さい!!」

「ぬぉおーーーーーーーー!!! 放せーーーーーーー!!!!!! モフモフが、目の前に、モフモフ天国があるなのーーーーーー!!!!!!」


 今でも十分モフモフでしょうに、まだ足りないと申しますか。

 兎に角、今の世界樹さんを、余所に見せる訳にはいきません! しかも、モフモフ狂いの世界樹さんが、そのモフモフに嫌われるなんて、新たなトラウマに成り兼ねない、全力で阻止です!


 落ち着けって言っても、聞くような状態じゃないでしょうし、そうですね~~~・・・・・・


「そんな状態で会ったら、モフモフに嫌われますよ?」

「ゴフ!?」


 あ、効果あり過ぎましたかね?


「嫌なの~、嫌われたく無いなの~、一人は嫌なの~~~」

「あ~はいはい、大丈夫ですからこっちへいらっしゃい・・・・・・暫く警戒をお願いします。俺は、世界樹さんの監視をしていますので」

「対応はいかがしますか?」

「基本様子見で、第二防衛ラインを超える様なら、忠告して上げて下さい」

「承知いたしました」


 さて、まずは世界樹さんに、モフラーとしての心構えってものを持って貰いましょうか。

 膝の上に乗せて慰めながら、話を振る。


「良いですか、世界樹さん。今の貴女には足りないものが有ります」

「ひっぐ・・・・・・なの?」

「それは、相手に対する配慮です。相手をモフル時、独りよがりになってはいけないのです! モフっているのではありません、此方がモフらせて貰っているのです!」

「!?」


 こちらは、相手が許した時、求められたときにモフらせて貰うのです。決して、許可なく、無理強いしてはいけない。そんな事をする奴は、モフラーの風上にも置けません!


「世界樹さんは、そんな存在に成りたいですか?」

「絶対嫌なの!!」

「なら、機会が有れば聞いてみますから、許可を貰ってからにしましょうね?」

「なの!!」


 それまでは、身内で我慢してもらいましょう。


 その後も、意識を逸らす意味もあって話をしましたが、やはりモフモフ成分が足りないご様子。先ほどから、手がワキワキ動いている。


 こんな時に限って、世界樹さんの癒し担当であるモフモフさんもモコモコさんも、その他もろもろも外の縄張りに居ますし、誰かいませんかね~。

 ダンジョン内で、すぐに世界樹さんのセラピーを請け負ってくれる方を、常備させる必要が有りますかね? これも、検討しておきましょう。

 仕方がない、近くに居る手頃な子に、招集をかけて見ますか。いま近くに居る子で、世界樹さんの癒しになる子は~・・・・・・お? 丁度こちらに向かって来ている子がいますね。少し待ちますか。


 ―――


「オイッス! 世界樹様~! ヌッシー! おひさー!!」

「お久しぶりです、フワフワさん・・・・・・いつの間に進化したので?」

「今日! 起きたら進化してた!!」


 見て見てーと周りを飛び回るのは、雲のような鳥族のフワフワさん。

 基本、世界樹さんを中心に、領域内の領空を自由奔放に飛び回っているので、会うのも久しぶりですね。世界樹さんからしたら、毎日顔を合わせている様なもんでしょうけど。


 名称:雲鳥(クラウディア)

 氏名:フワフワ

 分類:半虚現体

 種族:鳥族

 LV:1 / 25

 HP:167  / 167

 SP:167  / 167

 MP:512  / 512

 筋力:64

 耐久:53

 体力:71

 俊敏:182

 器用:265

 思考:258

 魔力:243

 適応率:10(Max100)

 変異率:10(Max100)

 スキル

 ・肉体:<迷彩LV5><変形LV5><体積操作LV5><異界LV1>

 ・技術:<風魔法LV7><水魔法LV7><魔力操作→魔力掌握LV2>

  <空間把握LV8><気配遮断LV7><飛行LV2><浮遊LV7>

 ・技能:<結界LV5><空間拡張LV5><念話LV4>


<異界>体内に別の、又は拡張した空間を持つ


 前に会った時と比べて、ますますフワフワモコモコになって仕舞って。サイズも、片手からクッションサイズにパワーアップしている。抱きながら寝たら、気持ち良いでしょうね~。


「フワフワなの~。ドゥヘヘ~~~」


 これなら、しばらくは大丈夫かな? 顔は大丈夫じゃないですけど・・・・・・


迷宮主のメモ帳:状態異常(精神)


<興奮><混乱><恐慌>など精神が乱れた状態を表す

感情から来るものの他に、<精神魔法>によって魔力を乱されて引き起こされる


<精神魔法>による干渉の場合、外部からの影響を遮断する、又は相殺するなどして抵抗することができるが、魔力に対しての相当な技術が求められる。

魔力の乱れに影響されない、強靭な意思(瘴気の操作)を持つものは、そもそも効果が薄い。その為、魔力を操る瘴気の操作が得意な者、魔法に精通する者には効きにくい。

外部から魔力の乱れを整える事で、解除も可能。


感情が由来の場合・・・・・・うん、頑張れ


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