74/78
アータ編2
「何故、僕がこんな目に合わないといけない。僕はただ悪を成敗しているだけなのに」
「それが問題なのよ」
「僕の何が間違っている?」
「たくさんの人を殺してる」
「それが間違いだと?」
「ええ」
「ハッキリ言う。僕が殺してるのはゴミクズ共で人ではない」
「はあ」
なかなかアータは自分の間違いを認めてくれない。
「いづれ僕をこんな風にした罰が君たちに下るだろう」
「何とでも言えばいいわ」
「ふん」
「最後に一言いいかしら?」
「何だい?」
「貴方は間違っている」
「……」
「それじゃ」
私はその場を立ち去った。
――
「貴方は間違っている」
僕は間違っていない。あの女の理屈のほうが間違っている。
悪が更生する? 確かに一部には当てはまるかもしれないが、結局悪は悪だ。
悪人ゴミクズ共のせいで善良な一般市民が困っている。
だから僕が粛清しようというのだ。
僕は……間違ってなどいない!




