エルメカレタ編
「エルメカレタさん」
「何だね? キュアリス」
「何故、私は神になってしまったのでしょうか?」
「まだ気にしてるのか。正直私よりも君のほうが神として位も上だと思う」
「ただ実際は私のほうが君より位が上だということ」
「それは分かっています」
「それよりも君は疑問を感じないのか?」
「何がですか?」
「何故私が君より位が上か」
「それはエルメカレタさんが完璧すぎて」
「お世辞はいい。率直に話してくれ」
「確かに冷静沈着で愛に疎いような感じがします」
「そんな私が何故神に選ばれたのか? 知っているかい?」
「それはエルメカレタさんが完璧すぎて」
「だからお世辞はいいと言っている!」「すいません」
「何故私が神に選ばれたかというと魂の年月が長いのもあるが、理性が突出してるからだ」
「私は理性で神になった。君は利他、博愛で神になった」
「すいません。少し聞きたいことがあるのですが」「何かね」
「理性とは何です?」
「私なりの解釈なら理性とは善を行うための要素だと思っている」
「ふむ」
「別に私は利他主義でも博愛主義でもない。ただ善行をロボットのように行った」
「だから神になったと?」
「そうだ」
「ですが、私からしたら善行を積んでいる時点で利他主義、博愛主義みたいなものなのですが」
「私の中にはその感覚がないのだよ。薄々自覚してるが、私は心がロボットのように冷静なのだよ」
「では冷静もですね」「ん?」
「エルメカレタさんは理性と冷静で神になった。これで合っているでしょうか?」
「そうか、冷静もか、着眼点がいいなキュアリス」
「あ、アリサさんから通信が来ました」
「ああ、行ってらっしゃい」
こうしてエルメカレタとキュアリスの会話が終わった。




