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アマリアの日常編


「チェックメイト」

「ま、参りました」


 今現在私は屋敷で隠居をやめ王として復帰している

 そして今リュウとチェスをしているが正直手応えが無い

 いや、リュウが弱いわけではない

 タイラとアリサが強すぎたのだ 

 

「アマリア様」


 リーシャが声をかける


「何だ?」

「民の者たちがあなた様に謁見したいと」

「分かった」


 民の要望を聞くことは王として一番大事なことだ

 私はリーシャに謁見の許可を与えた


「アマリア様、謁見の許可を頂き大変ありがたく思います」

「お前たちの要望を聞こう、何だ?」

「要望だなんて滅相もございません、私たちはあなた様にお礼が言いたくてここに来ました」


 正直お礼などいらん

 だが民の好意をむげにすることは王としてあるまじき行為でもある


 これで謁見が終わった

 それにしても退屈だ

 

 アリサとチェスをしていたあの頃が懐かしい

 そう言えば最近悪魔たちが出る気配がない

 ということはアリサは悪魔たちを止めることに成功したわけか

 それは良かった


 夜

 

 私は食事を済ませると寝室に入った

 私が寝ようとしたその時


「アマリア」


 という声がした

 懐かしい声

 アリサの声だ


「お前は……アリサ!?」


 私は驚きを隠せなかった

 突然私の寝室にアリサが現れたからだ


「アリサ……本当にアリサなのか?」

「ええ、本当よ」


 私はアリサの顔を触って確かめた

 実感がある

 彼女は本当にアリサなのだ


「アマリア、王としてそのまま役目を果たしなさい」

「勿論言われなくてもそうしている」

「そう、それなら良かった」


 私は念のため悪魔たちがどうなったのかを尋ねた

 するとアリサは


「それはもう安心していいわ、無事世界の秩序を元に戻すことができたから」

「そうか」


 これでこの世界に永遠の平和が訪れる

 感無量だ


「私がこうやってあなたの前に現れることが出来たのもあなたの世界が上層世界になりつつあるから」

「上層世界?」

「そう、上層世界になればなるほど霊と人間の交わりが強くなる」

「アリサ、お前、死んでるのか?」

「ええ、そうよ」

「そんな……」


 アリサが死んでいるだなんて……


「そんな悲しい顔しないで、私の魂はここにいる」

「アリサあああああああ!!!」


 私は思わずアリサに抱きついた

 アリサの感触は確かにある

 死んでいる人間とは思えない


「アマリアって意外と泣き虫なのね」

「お前が死んでいるのに泣かないほうがおかしいだろう」

「さっきも言ったでしょ私の魂はここにいるって」


 アリサは抱きついている私の頭を撫でながらこう言った


「もう一度言うけどアマリア、あなたは王としての役目を果たしなさい」

「無論、そのつもりだ」

「そう、私が言いたいのはそれだけよ」

「……」

「それじゃあ私はそろそろ行くわね」

「待ってくれ、アリサ」

「何かしら?」

「私のチェスの相手をしてくれ」

「はあ!?」


 アリサは呆れた様子だった 

 しかし


「ええ、いいわよ」


 と快く了承してくれた

 今度こそ絶対に勝つ

 そう固く決意し私はアリサとの勝負に挑むのだった

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