生徒会長 大野博美のシャオ見守り日記
4月某日:シャオ、学園へやってくる!
生徒会長として、新入生のサポート業務に従事していたところ、異国からの留学生がやってくるとの報告を受ける。
王小梅。台湾の財閥令嬢にして、文化交流に関心のある少女。
私は彼女を歓迎し、学校生活のサポートをすることになった。
第一印象—— 「可愛い、そしてリアクションが大きい」
生徒会室で彼女と初めて対面した際、私の制服姿を見て目を輝かせ、
「パォ~♪ 会長さん、美人ですね~!」と開口一番に言われた。
……はっきりと褒められると、少し照れる。
台湾の学校事情などを尋ねると、彼女はとても楽しそうに答えてくれた。
この子は明るく、どこでもすぐに馴染むタイプかもしれない——。
しかし、問題が一つ。
「パォ~!? 日本の ‘ごはん’ って ‘朝からしょっぱい’ ですね!」
どうやら、味覚の違いに苦戦している様子。
そこで、寮の朝食メニューに「台湾粥」の選択肢を入れるよう提案した。
(生徒会長の権限を使うべきことなのか、一瞬迷ったが……まあ、良しとする)
4月某日:文化部に入りましたね
気づけば、彼女は日ノ本文化部のメンバーになっていた。
彼女が部活動に入ることは想定していたが……よりによって、あの自由奔放な文化部とは。
私の知る限り、文化部は——
・昭和文化マニアの吉峰琴美(暴走しがち)
・ツッコミ役の伊勢野真平(一応、常識人枠)
・バイク好きの磯貝沙羅(クール系毒舌女子)
・おっとり不思議系の花村美優(天然枠)
・ゲームとレトロ技術に詳しい加藤勇馬(職人)
……つまり、カオスの集まり である。
彼女は果たして、無事に過ごせるのだろうか?
案の定、後日、廊下ですれ違ったシャオさんが
「パォ~♪ ‘昭和のテレビ’ って、すごく ‘でっかい箱’ ですね!」
と興奮気味に話してきた。
文化部で何を体験しているのか、不安が増す。
私はこっそり文化部の活動を見守ることに決めた。
4月某日:上級生たちにからまれる
生徒会長・大野博美は、静かにノートを開いた。そこには日々の学園の出来事が記されている。彼女は「学園生徒の健全な生活を守る」 という使命のもと、日々学園内の動向を把握していた。
そして、その記録の一つに、今日の出来事が刻まれた。
【目撃報告】
場所:校庭・購買前のベンチ付近
時間:昼休み
登場人物:王小梅、体育会系の上級生グループ、一般生徒数名
記録開始
12:20 - シャオメイ、上級生グループに囲まれる。
シャオメイはクラスメートたちと談笑していたところ、体育会系の上級生たちに絡まれる。彼らは「腕試し」と称し、シャオにちょっかいを出していた。
12:21 - 直接的な接触が発生。
リーダー格の上級生がシャオの手を掴もうとしたが、シャオは 驚異的な反射神経で回避 。以降、彼らの攻撃を 余裕でいなし続ける 。
12:23 - シャオ、カンフー的な動きを披露。
上級生の一人が拳を振るうも、シャオは一切の無駄なく躱し、カウンターすら繰り出さずに勝利。また、木の棒を手に取り、まるで香港映画のような動きを見せる。
12:25 - 上級生グループ、完全敗北。
彼らは 「こんなの相手にしてられるか!」 と捨て台詞を吐いて逃走。
12:26 - クラスメートたち、大歓声。
シャオの華麗な動きに 「すごい!」「まるで映画みたい!」 と驚愕しつつ、次第にヒーロー扱いする流れに。
12:30 - 事件終了。
シャオは何事もなかったかのようにメロンパンを食べ始める。
【生徒会長としての考察】
王小梅は戦闘能力が異常に高い。
留学生として来たばかりの彼女が、まさか カンフーの心得があるとは 想定外だった。
上級生グループ、再戦の可能性あり。
体育会系のプライドが傷つけられたことで、再び問題が発生する可能性が高い。未然に防ぐ策を講じる必要がある。
文化部の関与
この件が文化部メンバー(特に吉峰琴美)の耳に入ると 「カンフー映画撮ろうぜ!」 という方向に暴走する可能性が高い。注意が必要。
シャオの管理強化
彼女自身は争いを好まないが、万が一、学内で本格的な乱闘騒ぎになった場合、生徒会として対処が難しくなる可能性がある。必要であれば、直接介入を検討。
4月某日(後日):体育会系グループ、再戦を挑む
【目撃報告】
場所:校庭
時間:昼休み(前回と同じタイミング)
登場人物:王小梅、体育会系の上級生グループ(増員)、吉峰琴美、伊勢野真平、その他一般生徒
記録開始
12:20 - 体育会系グループ、増員して登場。
前回の敗北を引きずったリーダー格が、新たな仲間を引き連れてシャオの前に現れる。
12:21 - シャオ、相変わらずの無警戒(に見えるが警戒している)。
彼女はニコニコしながら「パォ~♪」と挨拶するが、明らかに動きを見極めている様子。
12:22 - 上級生、威圧的な態度を取るが、ここで新たな介入者が登場。
12:23 - 文化部メンバー参戦。
伊勢野真平が割って入る。
・まずは冷静な口調で「学校で喧嘩するな」と諭す。
・しかし、相手は聞く耳を持たず、状況は悪化。
12:24 - 真平、突然の『土下座戦法』を発動。
これにより、上級生グループの興が完全に削がれ、喧嘩の意欲を失う。
12:26 - 体育会系グループ、撤退。
リーダー格が「もういい、しらけた」と言いながら立ち去る。
12:27 - シャオ、感動のあまり真平に抱きつく。
「先輩こそ真の壮士です!」 と言いながら感謝の意を伝える。
真平、大パニック。
12:30 - 事件終了。
【生徒会長としての考察】
王小梅の戦闘能力は本物。
少なくとも 普通の学生レベルでは手に負えないスキルを有している。
文化部の暴走は避けられない。
吉峰琴美のテンションが異常に上がっている。
「カンフー映画を撮るぞ!」と意気込んでいるため、校内での不適切な活動を未然に防ぐべき。
伊勢野真平の『大人の交渉術』は想定外に有効。
彼の冷静な立ち回りと、土下座という 「相手のやる気を削ぐ」 戦術は、学園の平和維持において意外と有効かもしれない。要観察。
シャオと真平の関係、今後の変化に注目。
シャオが 真平を「壮士」認定したことにより、文化部内での立ち位置が微妙に変わる可能性がある。
琴美や沙羅が面白がるのは目に見えているので、学園内の風紀維持のため監視が必要。
【生徒会長としての結論】
✔ シャオの戦闘力は要注意。
✔ 文化部の暴走、引き続き監視。
✔ 伊勢野真平、意外と有能。
✔ この件は『公には不問』とするが、次回以降の対策を考慮する。
「……まったく、文化部にはいつも振り回されるわね。」
そう呟きながら、博美は生徒会長日誌のページを閉じた。




