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最後の聖戦

 沙羅の号令とともに、文化部部室に絶望の空気が広がった。

「さぁ、今日から ‘宿題’ の仕上げよ!!!」

 琴美と真平は泣きそうな顔で沙羅を見上げる。

「いやいやいや! まだ ‘台湾ロス’ から回復してないのに ‘宿題ロス’ に突入ってどういうこと!?!」

「台湾旅行は ‘VIP待遇’ だったのに、いきなり ‘修羅の国’ に突入!?!」

 二人が泣き叫ぶ中、美優はほんわかと微笑む。

「えへへ~♪ ‘旅の思い出’ をレポートにすれば、 ‘社会の宿題’ は終わるんじゃないですか~?」

「おぉっ!?!? なるほど!! ‘台湾の歴史研究’ って書けば、一石二鳥……!!!」

 琴美が何かに目覚めたようにペンを握る。

「なら俺は ‘文化の違い’ ってテーマでいけるか……!? ‘台湾メイドカフェ’ のレポート……いや、 ‘男装執事カフェ’ の考察とか……」

「いや、普通に ‘台湾の食文化’ にしとけ!!」

 沙羅が真平のレポートテーマを全力で阻止する。

「でも…… ‘数学’ はどうすんのよ……?」

 沙羅が冷静に指摘すると、琴美と真平はギクリと固まる。

「……え? 数学??」

「うん、 ‘数式’ のやつ。」

「えっ、 ‘レポート’ じゃなくて ‘ガチの計算’ ……???」

「そりゃ ‘ドリル’ なんだから計算でしょ。」

 琴美と真平、再び絶望。

「無理無理無理!! 旅行気分のまま ‘計算問題’ 解けるわけないって!!!」

「ここは ‘文化部’ だぞ!? ‘数学部’ じゃない!!」

「いや、 ‘学生’ なんだから ‘宿題’ はやれ。」

 勇馬が静かに数学ドリルを開いて解き始める。

「あっ…… ‘数学得意組’ だ……」

「やっぱ勇馬、未来人なのか……」

 美優もゆっくりとドリルを開く。

「えへへ~♪ 数学って、 ‘パズル’ みたいで楽しいですよね~♪」

「えっ!?!? ‘楽しい’ って ‘概念’ はどこから生まれた!?」

「美優さん、天才なのか ‘天然’ なのか分からない……」

「でも ‘自由研究’ は楽勝じゃない? ‘台湾旅行’ がそのまま使えそう!」

 琴美が希望を取り戻すが、沙羅が鋭く突っ込む。

「いや、 ‘研究’ だから ‘データ’ と ‘考察’ が必要なんだけど?」

「考察……?」

「たとえば ‘台湾の気温と湿度’ の違いを比較するとか、 ‘台湾料理の栄養価’ を調べるとか……」

 琴美と真平の顔が一瞬で暗くなる。

「うわぁぁぁ!! ‘自由’ じゃねぇぇぇ!!!」

「まさか ‘研究’ の ‘本質’ にぶち当たるとは……」

「ねぇ、普通に ‘台湾のかき氷を研究しました!’ じゃダメ?」

「ダメです。」

「ダメかぁぁぁぁぁ!!!」

「よし、あと ‘24時間’ で ‘宿題’ 終わらせる!!」

 沙羅が力強く宣言する。

「24時間!?!? そんな無茶な!?」

「大丈夫、 ‘修羅場’ に突入すれば ‘人間の限界’ を超えられる。」

「それ ‘文化部の活動’ じゃなくて ‘地獄の受験勉強’ では!?」

「ふふふ…… ‘計画的に進めてきた’ 私と ‘未来人’ の勇馬がいる限り、突破できる!!」

「未来人設定が定着してる!!?」

 そのとき——

\ ドンドンドン! /

「パォ~♪ 皆さん、宿題進んでますか~?」

 台湾からオンライン通話でシャオの登場!

「シャオぉぉぉぉぉ!!! 助けてくれぇぇぇぇ!!!」

 琴美がスマホに向かって全力で叫ぶ。

「パォ~? ‘夏休みの宿題’ って ‘文化部の活動’ なんですか~?」

「違うけど ‘みんなの心を救う’ って点では ‘文化的’ だよ!!」

「パォ~♪ じゃあ、 ‘励ましの言葉’ を送りますね~!」

「おおっ!? ‘シャオの励まし’ ってどんなのだ!?」

「パォ~♪ 宿題は ‘一度やらないと決めると、本当に終わらない’ んですよ~♪」

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! ‘真理’ !!!!!」

「ダメだぁぁぁぁ!! ‘名言’ すぎて ‘逆にやるしかなくなった’ !!!」

「こうなったら ‘文化部全員’ で協力して ‘ラストスパート’ だ!!!」

「おおおおお!!! ‘最終決戦’ だぁぁぁ!!!」

「……もうこれは ‘文化部 in 台湾’ の ‘最終試練’ ってことにしよう……」

琴美、涙目で鉛筆を握りしめる。

「いや、 ‘試練’ っていうか ‘学生の義務’ だからな……」

真平が肩を落としながらもドリルを開く。

「よし!! みんな ‘台湾の思い出’ を糧に ‘宿題’ 乗り切ろうぜ!!!」

沙羅が鼓舞すると、勇馬が淡々とノートをめくる。

「僕は ‘すでに終わっている’ けどね。」

「未来人!!!!!」

琴美と真平の悲鳴が響く。

「えへへ~♪ じゃあ私は ‘かき氷の食文化’ についてまとめようかな~♪」

美優、もはや ‘自由研究’ を ‘楽しむフェーズ’ に突入。

「お姉ちゃん!! ‘かき氷’ なら私も手伝う!!」

萌香、元気いっぱいに美優の隣に座る。

「いや、なんで ‘かき氷’ ばっかり ‘研究テーマ’ に上がるんだよ!?!?!?」

真平、絶望しながらシャオに助けを求める。

「パォ~♪ じゃあ ‘台湾と日本の宿題の違い’ についてレポートしてみてはどうですか~?」

「おおっ!?!? それなら ‘楽しくまとめられそう’ !!!?」

琴美が希望を見出し、筆を走らせる。

「結局 ‘台湾旅行’ が ‘宿題のネタ’ になったな……」

沙羅がため息をつきつつも、みんながやる気を取り戻したことに少し満足そうに微笑む。

\ そして数時間後—— /

「おおおおおおお!!! ‘宿題’ 完了ぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

琴美、机に突っ伏して歓喜の雄叫び!!

「俺も…… ‘数学’ なんとか終わった……」

真平、完全燃焼。

「やっぱり ‘文化部 in 台湾’ 最高だったな……」

勇馬、感慨深げに台湾の写真を見返す。

「パォ~♪ では、 ‘次の文化部イベント’ に向けて、準備しましょう~!!!」

シャオ、すでに ‘次の企画’ を考えている!?!?

「えっ!? ‘次のイベント’ !? まだ ‘台湾ロス’ から回復してないのに!?」

「休ませてくれぇぇぇぇ!!!!」

真平と琴美、机に崩れ落ちる。

—— こうして文化部は、 ‘台湾旅行’ という大冒険を終え、日常へと戻っていくのだった。


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