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日ノ本文化部+3名 台湾に上陸する

 朝の涼しい風が吹く中、文化部のメンバーは花屋の前に集合していた。いよいよ、台湾旅行の出発の日だ。

「えへへ~♪ それでは、ワゴン車で空港まで送迎しますね~♪」美優のふんわりとした声が響く。

「えっ!? ワゴン車って、普通のバンとかじゃなくて?」琴美が首を傾げると、美優は少し考える素振りを見せてから、にこやかに答えた。

「え~っと……家の送迎用のリムジンバスです~♪」

「リムジンバス!?」

 一斉に驚きの声が上がる。

 旅館の送迎とは思えない豪華な車が目の前に停まっていた。深い緑色の塗装に金の文字で「花屋」と刻まれたそのバスは、まるで高級ホテルの送迎車のようだった。

「え、待て待て待て!? 温泉旅館の送迎ってそんなVIP仕様なんですか!? 」勇馬が目を丸くする。

「えへへ~♪ たまに観光客の団体様の送迎でも使いますし~♪」美優が微笑む。

「さ、さすが老舗旅館……」沙羅が呆れながらも感心していると、シャオが目を輝かせた。

「パォ~! これでみなさん快適に空港まで行けますね~♪」

「いや、快適すぎるでしょ!!?」巫鈴のツッコミをよそに、一行はリムジンバスに乗り込んだ。

 車内にはフカフカの革張りシート、映画鑑賞用の大型スクリーン、さらにはお茶菓子のワゴンサービスまで備えられていた。

「えっ!? これ本当に日本の高校生の旅行なの!??」琴美が興奮しながら周囲を見渡す。

「俺たち、たしか文化部だったよな……?」真平は少し困惑したように呟く。

「……贅沢すぎますね。」博美はそう言いながらも、しっかりと淹れられたお茶を静かに味わっていた。

 巫鈴はため息をつきながらも、どら焼きをひと口食べる。

「……美味しい……」

 こうして、文化部は福島空港へ向かった。

 福島空港に到着した途端、思わぬ光景が目に飛び込んできた。

「お待ちしておりました、お嬢様。」

 スーツ姿のパイロットやCAの精鋭チームがズラリと整列している。

「うわあああああ!!!???」琴美が思わず叫ぶ。

「な、なにこの映画のワンシーンみたいな光景……」

 沙羅も目を見開いた。「これは……まさか……」

 巫鈴がごくりと唾を飲む。

 その視線の先には、真っ白な機体に王家のエンブレムが輝く、超高級プライベートジェットが佇んでいた。

「プライベートジェットって、こんな感じなのか……」勇馬が呆然とつぶやく。

「こ、これが……台湾の財閥……!!」琴美は震えるように感動していた。

 機内に入ると、さらに驚きが待っていた。

 窓が広く、内部はまるで豪華ホテルのよう。専属のシェフ、ふかふかのカウチ、さらにはカラオケルームまで完備されていた。

「こんな環境なら、出張でも快適ですね……」博美は感嘆の声を漏らしつつ、何事もないようにお茶を飲む。

「パォ~! みなさん、お好きな席にどうぞ~!」シャオの明るい声が響く。

「いや、席ってレベルじゃないぞ!? これもう、空飛ぶマンションじゃん!!」真平が叫ぶ。

「昭和の豪華列車みたい!! すごい!!」琴美が目を輝かせながら座席に飛び込む。

「皆さま、台湾グルメを機内でお楽しみください。」王家専属のシェフが優雅に料理を運んできた。

「えっ!? 飛行機の中で台湾グルメ!?」

 テーブルに並べられたのは、牛肉麺、小籠包、魯肉飯、そしてマンゴーかき氷。

「贅沢すぎるでしょおおお!!!」琴美の歓声が響く。

「飛行機の機内食じゃなくて、本格的な台湾料理が出てくるの!?」

 沙羅も驚きを隠せない。「いや、これはもう夢でしょ……」

 真平はもはや笑うしかなかった。

「パォ~♪ 小籠包はアツアツのうちに食べるのが美味しいですよ~!」シャオがにこにこと説明する。

「おっしゃあ! いただきま――」

「ドバーッ!!!」琴美が小籠包の肉汁を顔面に被弾した。「ぎゃああああああああ!!???」

「だから熱いって言っただろ!!」 真平が呆れる。

「文化部、すでに波乱すぎる……」巫鈴がため息をついた。

 豪華な機内で盛り上がるメンバーたち。

 しかし、すでに波乱の幕開け……!!


「パォ~! 文化部の皆さん、台湾へようこそ~♪」シャオの明るい声が響くなか、飛行機は台湾の青い空の下へ滑り込む。

「……いや、もうすでに 観光した気分 なんだけど?」琴美が 小籠包の肉汁を拭きながら ぼやく。

「ていうか、飛行機の旅なのに 普通に豪華すぎて、どこまでが現実かわかんない」

真平も 疲れたような笑い を浮かべながら、シートに身を預ける。

「パォ~! まだまだ、これからが本番ですよ~!」シャオが ウインクをしながら ニコニコと宣言する。

「……これは、台湾滞在中も とんでもないことになりそうだ」勇馬が冷静に呟くと、博美が静かにお茶をすする。

「まあ、せっかくなので、存分に楽しませていただきましょう」生徒会長、すでに文化部モードへ適応済み。

「さあ、着陸します~! 皆さん、シートベルトをお締めください!」

飛行機が滑走路に降り立ち、シートベルトの着用サインが消える。

「パォ~! 皆さん、お疲れさまでした~♪」

シャオが 元気よく手を振る 中、扉が開き、外の台湾の空気が流れ込む。

「おおおおっ!! 本当に台湾に来たんだな……!!」琴美が 興奮しながら外の景色を眺める。

「南国っぽい雰囲気ですね……」博美は クールに周囲を見渡す が、少しワクワクしている様子。

「日本と空気が違う……!」沙羅が 台湾の湿気を肌で感じながら つぶやく。

「さて、まずは――」萌香が言いかけた瞬間。

「お嬢様、お迎えにあがりました」

「え?」

メンバーが 振り向くと、目の前には……

「「「「「な、なんだこの映画みたいな光景!!??」」」」」

「パォ~♪ 家の送迎車です~!」

「またスケールが違う!!?」勇馬が思わず 頭を抱える。

「ちょ、これってまさか……?」巫鈴が 何かを察した顔 でシャオを見る。

「パォ~! 皆さん、こちらにどうぞ~!」シャオが 満面の笑み でリムジンのドアを開けると、そこには……

 広々としたレザーシートと金箔の装飾、さらにはミニバーまで完備!

「やばい、これは……格が違う……!!」琴美が 感動しながら 車内に滑り込む。

「台湾の文化を体験するって……こういうことだった?」沙羅が 呆れながらも興奮を隠せない様子 。

「お姉ちゃんすごいよ!見たことないジュースがいっぱいある!!」萌香が興奮気味にミニバーの中をあさる。

「まあ、せっかくなので、楽しみましょう」博美は しれっとシートに座り、お茶をすする。

「……いやいや、慣れるの早すぎでしょ!?!」

真平がツッコミを入れるが、結局 全員が乗り込むことに 。


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