日ノ本文化部の感謝の形
その後、文化部メンバーに報告すると——
「ほら、やっぱり シャオのことを気にしてるんじゃん」真平がドヤ顔。
「……まぁ、意外と面倒見がいいのね」沙羅が 納得したように腕を組む。
「パォォ~!? そ、そんなこと言われたら、私 生徒会長さんにすごくお世話になってる気がするんですけど~!?!?」
「いや、事実お世話になってるだろ」
「パォォォォ~~!!! どうしたらいいんですか~!!?」
「よし! こうなったら、生徒会長を 文化部に引き込む計画を立てるわよ!」謎の琴美の宣言。
「パォ~!?!?!」
シャオが 生徒会長・大野博美 に声をかけたのは、次の日。
「パォ~! 生徒会長さん、お忙しいところすみません~!」
「……また、王さんですか?」
博美は書類整理の手を止め、真っすぐな視線を向ける。
その姿は 知的で冷静な完璧な生徒会長。
「パォ~! 実はですね~、みんなで 温泉旅館 に行くんです~!」
「温泉旅館?」
「はい~! 美優さんの実家の 花屋 です~!」
「それで……私に、何か?」
「パォ! ぜひご一緒にどうですか~!?!」シャオは 目を輝かせて前のめり になる。
「……私が?」
「パォ~! 生徒会長さん 夏休みもずっと仕事 してたじゃないですか~! たまにはリラックスも必要ですよ~!」
博美は 少し驚いた顔 をした。「……私は生徒会の仕事が……」
「パォォォ! だからこそです~! 温泉に入れば疲れも吹っ飛びますよ~!」
「……」博美は少し考え込むが、背後から 沙羅が鋭い一言 を放つ。
「会長、結局 シャオのことが心配 なんでしょ?」
「っ!」一瞬、博美の 表情が揺らいだ。
「それなら、一緒に行けばいいんじゃない?」
「……っ」
「パォ~!? そうですよ~! 一緒に行けば、私が変なことしないか 直接監視 できますよ~!」
「変なことをする前提なのですか……?」生徒会長・大野博美 陥落 。
「……仕方ありませんね」
「パォ~!! やったぁ~!!!」
美優の実家の旅館「花屋」に到着し、一行はさっそくチェックイン。
和風の趣ある玄関をくぐると、心地よいお香の香りと、涼しげな風鈴の音が迎えてくれた。
「……想像以上に、立派な旅館ですね」
博美は、格式のある建物を見回しながら静かに感想を述べる。
「えへへ~♪ ありがとうございます~♪」美優がにこやかに微笑む。
「パォ~! 生徒会長さん、まずは温泉です~!」
シャオがワクワクしながら博美の腕を引っ張る。
「ちょっ、王さん!? そんなに急がないでください!」
「パォ~! 温泉といえば 旅館のメインイベント ですから~!!」
「まあ、確かに。せっかく来たんだし、まずは温泉でゆっくりするか」
勇馬が伸びをしながら賛成する。
「浴衣に着替えて、温泉に入る……うん、これは間違いなく"昭和旅館体験"ね!!」
琴美がテンション高めに語り、沙羅は「どこでも昭和基準で話すのやめなさい」と冷静にツッコむ。
全員が浴衣に着替えて、男女別々の温泉へ。
女子チームは広々とした露天風呂へ向かう。
「相変わらずすごく広いです~!」
シャオが湯気の立ち上る露天風呂を見て感動する。
「開放感があって、いいわね」
沙羅がゆったりとお湯に浸かりながら、ふぅと息をつく。
「えへへ~♪ 本当に癒されますよね~♪」
美優もほのぼのと微笑みながらお湯の感触を楽しんでいる。
そして――
「……」
ひとり、少し距離を置いて静かに湯船に浸かる博美。
「生徒会長さん、どうですか~?」
シャオが嬉しそうに問いかけると、博美は少し驚いた表情を見せたあと、ふっと表情を和らげた。
「……とても、気持ちがいいですね」
「パォ~! よかったです~!」
普段はキッチリとした生徒会長も、温泉の力には逆らえないらしい。
いつもよりリラックスした様子で、お湯の温かさを楽しんでいた。
「……温泉に入るなんて、何年ぶりでしょう」博美がぽつりと呟く。
「え、そんなに久しぶりなんですか~?」美優が驚いたように尋ねる。
「……ええ。学生になってからは、ずっと生徒会の仕事で忙しくて……こうやって、何も考えずに過ごす時間はほとんどなかったですね」
「……そっか~」沙羅が腕を組みながら考え込む。
「生徒会長さん、これからはもっとリラックスしないとですよ~!」
「パォ~! 文化部は"楽しむ"ことを大事にしてますから~!」
シャオがにこっと笑いながら言う。
「……楽しむ、ですか?」
博美は、その言葉を噛みしめるように繰り返す。
「生徒会長、せっかくここに来たんだから、文化部のノリを体験してみたら?」
琴美がニヤリと笑いながら言う。
「例えば…… 温泉で昭和レトロな遊び体験とかどう?」
「……嫌な予感がするのですが……」
生徒会長・博美は警戒する。
温泉を堪能したあとは、全員が浴衣に着替えて 夏祭り へ出発!
旅館の近くでは、ちょうど 町の夏祭り が開催されていた。
文化部メンバーの浴衣姿
•琴美 → レトロな藍色の浴衣(昭和スタイル)
•沙羅 → シンプルな紫の浴衣(大人っぽい)
•美優 → 淡いピンクの浴衣(ほんわか癒し系)
•シャオ&萌香 → 赤い花柄のチャイナ風浴衣(台湾流アレンジ)
•勇馬 & 真平 → 黒と紺のシンプルな浴衣(動きやすさ重視)
•生徒会長・博美 → 清楚な白地に青い模様の浴衣(上品な和風美人)
「パォォォ~! 生徒会長さん、浴衣めっちゃ似合います~!」
「……そ、そうでしょうか?」
博美は、少し照れくさそうにうつむく。
「いや、普通に 似合いすぎてる んだが?」真平が思わずマジなトーンでつぶやく。
「生徒会長、めっちゃ和風美人じゃん!」琴美が目をキラキラさせながら絶賛する。
「……あまり、見ないでください」博美は 少し頬を赤らめながら そっぽを向いた。
「パォ~! 生徒会長さん、照れてます~!」
「からかわないでください!!!」
町の夏祭りでは、屋台が並び、活気あふれる雰囲気。
文化部メンバーは、それぞれ思い思いに楽しむ。
•りんご飴ゲット!(シャオ大喜び)
•射的対決!(琴美 vs 真平 → 琴美勝利)
•かき氷食べ比べ!(美優が優雅に食べる)
•金魚すくい!(生徒会長が異常な集中力で大量ゲット)
「パォォォ!? つ、強すぎです~!!」
「……こういうのは、コツです」
「生徒会長、ガチ勢じゃん……!」
夏祭りの最後を飾るのは、 打ち上げ花火!
「うわぁ~! きれいです~!」
シャオが感動して手を合わせる。
「パォ~! 生徒会長さん、楽しんでますか~?」
「……ええ、とても」
博美は微笑みながら、花火を見つめる。
「よかったですね~♪」美優がほっこりと微笑む。
こうして、生徒会長・大野博美の 初めての文化部旅行 は 大成功!
「パォ~! 生徒会長さん、これからも もっと楽しみましょうね~!」
「……ふふ、そうですね」
博美は 優しく微笑みながら、夜空を見上げた――。




