遊び時間は終わらない
別荘での滞在も、ついに 最終日 を迎えた。
朝日が木々の間から差し込み、山の澄んだ空気が肌を撫でる。
昨晩はみんなで星を眺めながら語り合い、布団を並べて寝たせいか、どこか 名残惜しさ が漂っていた。
「パォ~! もう帰るんですね~……」
シャオがツインテールを揺らしながら、しょんぼりとつぶやく。
「帰る前に、ちゃんと片付けないとね!」
沙羅がすかさず掃除道具を手に取ると、美優も微笑みながらほうきを持ち上げる。
「えへへ~、最後にみんなでお掃除するのも楽しいですよね~♪」
「お前ら、掃除の前に朝メシ食わないと始まらねえだろ!」大あくびをしながら言う真平に、萌香が「確かに!」と元気よく頷く。
「せっかくだから、最後の朝ごはんは 特別 にしよう!」
こうして決まったのが、
朝食準備班
✔ 勇馬 & 真平 → 魚を焼く
✔ 美優 → 味噌汁担当
✔ シャオ → 卵焼き担当(← しかし事件発生)
「パォ~! 私、卵焼き作ります~!」
意気込んでフライパンを振るうシャオだったが、なぜかそこには 炒り卵 が……。
「……シャオ、それ卵焼きじゃなくて炒り卵になってるぞ?」
真平が呆れ顔でツッコミを入れる。
「パォ~!? どこで間違えたんですか~!?」
大爆笑の中、並んだ朝食は……
焼き魚
卵焼き 美優が作り直した
味噌汁
白ごはん
漬物
炒り卵(?)
という、 まるで旅館の朝食のような豪華なラインナップ に。
「うん、これはもう 完全に旅館の朝ごはん だな……」
勇馬が感心すると、琴美が 「これぞ昭和の贅沢よ!」 と満足げに頷いた。
朝食後、全員で手分けして掃除を開始。
✔ 琴美 & 萌香 → リビングの片付け
✔ 沙羅 & 美優 → キッチンと食器洗い
✔ 勇馬 & 真平 → 外の草刈り & ゴミの分別
✔ シャオ → みんなの指示を受けつつ、あちこちお手伝い
「パォ~! シャオ、お掃除の達人になりました~!」
自信満々に胸を張るシャオだったが……
「いやいや、さっき掃除機ぶつけて倒れそうになってたじゃん……」
真平の鋭い指摘に、シャオが 「パォ~……」 としょんぼり。
わちゃわちゃしながらも、数時間後には 別荘はピカピカ に!
「うん! これならまた来た時も気持ちよく過ごせるわね!」
琴美が満足そうに頷いた。
最後に、みんなで管理人さんにお礼を言いに行く。
「お世話になりました!」
全員が元気よく頭を下げると、管理人さんはにこやかに微笑んだ。
「おお、みんな元気に楽しんでくれたようで何より!」
そして、優しい声でこう言った。
「また来る時も、この別荘を楽しんでおくれよ!」
琴美が 満面の笑み で力強く頷く。
「もちろんです! 絶対、また来ます!!!」
「せっかくだし、 昭和の修学旅行風ポーズ で撮るわよ!」
琴美の提案に、真平が 「だから昭和縛りやめろって……」 と苦笑。
「でも、みんなで並んで『はい、チーズ!』ってやるのって、ちょっと懐かしくない?」
美優がふわりと微笑み、沙羅も「まあ、最後の思い出にね」とカメラを構える。
「せーのっ!」
「パォ~!!!」
「イェーイ!!」
「はい、昭和~!!」
全員が 最高の笑顔 で、カメラに収まった。
荷物をまとめ、最後にもう一度 別荘を振り返る 。
「ここで過ごした日々、最高だったな」
真平がしみじみ呟くと、琴美が 「また来るしかないわね!」 と即答。
「次はもっと昭和レトロな合宿にしましょう~!」
シャオがワクワクしながら言うと、沙羅が 「……それ、どんなの?」 と苦笑した。
「次回も楽しみですね~♪」
美優が小さく微笑みながら言い、
「よし、また来るために、帰ったら計画立てるわよ!」
琴美の言葉に、全員が笑顔で頷いた。
行の時と同じように琴美の両親が車2台で迎えに来てくれた。なぜかアレンもついてきた。
荷物を積みながら「さぁ、全部車に積んだわね!」沙羅が指さし確認をし、
「忘れ物はないですか~?」シャオが全員に聞いて回り、
「ないな!」と勇馬が最終確認をした。
「……あ、私、心を置いてきた。」と琴美。
「置いてくな!!!」全員で突っ込んだ。
琴美の 猛烈な駄々 を沙羅が強制収拾し、無事に全員が車に乗り込む。
運転は 琴美の父・ジョージ と 母・さくら 。
「はい、みんな乗ったね~? じゃあ出発するよ!」
「え、待って!? もうちょっと余韻を……あぁぁぁあぁぁ!!!」
エンジンがかかると同時に、琴美の 悲痛な叫び が山にこだました。
「さて、みんな! せっかくの最終日、どこか寄って行かない?」
沙羅が 突然の提案 。
「えっ?」琴美が驚く。
「せっかくだから、磯貝亭で打ち上げ しましょう!」
美優が追い打ちをかける。
「パォ~! 大賛成です~!」




