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続 山へ行こう

Bチーム: 沙羅、シャオ


 一方、沙羅とシャオは、山菜を探すために少し険しい山道を歩いていた。

「シャオ、少しペース落としてよ。そんなに走り回ると転ぶわよ!」と沙羅が注意するが、シャオは「パォ~! 大丈夫です~!」と元気いっぱい。

 しかし、その勢いが裏目に出たのか、シャオはぬかるみに足を取られ、「あっ!」という声とともに転んでしまった。

「だから言ったでしょ!」と沙羅が手を差し伸べると、シャオは泥まみれの手で握り返して立ち上がった。「でも、転んだ先でこれを見つけました~!」とシャオが泥まみれの袋に入った小さなキノコを掲げる。

 沙羅はそれを見て一瞬驚いたが、冷静に「これ、食べられるキノコかどうか分からないでしょ!」と呆れる。シャオは「パォ~…そうですね~!」としょんぼりしながらキノコを地面に戻した。

 時間を確認しようとした沙羅はスマホがないことに気付く、


「え?スマホがない?」と沙羅はポケットを探りながら声を上げた。

「パォ~! さっきぬかるみで転んだときじゃないですか?」とシャオが心配そうに言う。

「まさか…あのぬかるみに落とした?」沙羅は焦りながら、さっきシャオが転んだ場所に急いで戻った。シャオも「一緒に探します~!」と泥まみれのまま手伝い始める。

 二人はぬかるみを必死に探し回るが、スマホはなかなか見つからない。沙羅が「もう!なんでこんな時に限って…!」と苛立ちを隠せないでいると、シャオが「電話かけてみましょ」と提案した。、沙羅は「それだ!」と顔を上げた。

「でも…誰にかけてもらうのよ?」と沙羅が少し困惑していると、シャオが泥だらけのスマホを取り出して「私のスマホでかけます~!」と笑顔を見せた。

「え?シャオ、そんな状態でスマホ大丈夫なの?」沙羅が驚くも、シャオは「パォ~! これ、防水仕様ですよ~!」と自慢げに言いながら、沙羅の番号を入力して発信した。

 広がる静寂の中、二人は耳を澄ましてスマホの着信音を探した。すると、少し離れた茂みの中から「ピピピピ!」という微かな音が聞こえてきた。

「あっちだ!」と沙羅が声を上げ、シャオと一緒に茂みの中を掻き分けながら音のする方へ向かった。

 朽ちた倒木の近くから、着信音がどんどんはっきりと聞こえてきた。沙羅は「ここだ!」と叫び、倒木の隙間を覗き込むとスマホを見つけた。

「やっと見つけた!」と沙羅が思うがどうやって入ったのかと聞きたくなるくらいに隙間の奥に挟まっていた。

「もぉ~」更なる難題に沙羅は頭を抱えた。

「やっと見つけたのに、なんでこんなところに挟まってるのよ…」と沙羅が倒木を前に頭を抱えると、シャオが「パォ~! こういう時こそカンフーの出番です!」と胸を張って言った。

「いやいや、カンフーでどうにかなる問題じゃないから!」と沙羅が即座にツッコむが、シャオは全く聞く耳を持たず、倒木に向かって構えを取る。

「シャオ、まさかそれを壊そうっていうの?」と沙羅が慌てて止めるも、シャオは「大丈夫です~! 私の正拳突きは軽めにしますから!」と謎のフォローをして、拳を振り下ろした。

「バキッ!」

 水分がほとんどなかった倒木はシャオの正拳で真っ二つに割れると、沙羅は目を丸くしてその光景を見つめた。

「ちょ、ちょっと待って! 本当に倒木が割れたんだけど…!」と驚愕する沙羅に対し、シャオは拳を振りながら「パォ~! 私、やればできる子なんです~!」と得意げな顔をしてポーズを決めた。

「いやいや、普通できないから! なんなの、その破壊力…!」沙羅は呆れと驚きが入り混じった表情を浮かべながらも、倒木の割れた隙間からスマホを取り出した。

「やった…! やっと救出できた!」と安堵する沙羅だが、スマホは問題なくシャオからの着信を受けていた。

「スマホ、無事だった…!」と、ほっとした表情を浮かべる沙羅。画面にはシャオの名前が表示され、何事もなかったかのように着信音が鳴り続けている。

「すごいですね~! これ、防水どころか頑丈なんじゃないですか~?」と、シャオは泥だらけの顔を笑顔にして言う。

「いやいや、頑丈だったのは倒木の方でしょ!」と沙羅が即ツッコミを入れるが、シャオは気にせず「これで任務完了です~!」と親指を立ててポーズを取った。

「任務っていうか、騒動に近かったけどね…」と沙羅はため息をつきながらスマホの画面を拭く。「でも、まあ壊れなかっただけマシか」とぼそりとつぶやく。

 沙羅はシャオが割った倒木を見つめ「水分がないとはいえシャオあんた、ホントに秘密兵器ね」とからかい何気なく倒木の下を見つめた。

「え、嘘でしょ!?」そこには、見事な松茸が何本も顔を出していた。

「パォ~! これって、松茸ですよね~!?」とシャオは大興奮。泥だらけの顔のまま、飛び跳ねて喜びを表現している。

「本物よ…これ、すごい高価なやつじゃないの!?」と沙羅も驚きを隠せない。倒木をどけたことで光が差し込み、松茸がさらに輝いて見える。

「やっぱりカンフーが正解だったんです~!」とシャオが満面の笑みで胸を張ると、沙羅は「いや、たまたまよ! でも…今回はシャオの破壊力に感謝しとくわ」と笑いながら感謝の言葉を口にした。

「パォ~! ありがとうです~!」とシャオは嬉しそうに松茸を摘み始めた。沙羅も手伝いながら、「こんなにたくさん松茸があるなんて、今日の収穫は大成功ね」と感慨深げに言った。

「これ、絶対みんな驚きますよね~!」とシャオは目を輝かせる。「特に琴美先輩、昭和っぽい松茸ご飯とか作りたがりそうです~!」

「そうね、絶対大騒ぎになるわ」と沙羅は微笑みながらリュックに松茸を大事に詰め込んだ。

収穫を終えた二人は、山菜と松茸を持って意気揚々と集合場所へ戻ることに。シャオは「今日は最高の冒険でしたね~!」と満足そうに言い、沙羅も「こんな大発見があるなんて思わなかったけど、たまにはこういうのも悪くないわね」と答えた。

帰り道、二人は松茸を手に、今日の出来事を振り返りながら笑い合い、ちょっぴり誇らしげに足取り軽く集合場所へ向かった。


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