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突撃!部室でお昼ご飯!!

 日ノ本文化部では、いつの頃からか「毎週水曜日のお昼は、自分たちでごはんを作る日」という、不思議な習慣が定着していた。

きっかけは、昭和文化をこよなく愛する琴美の一言だった。

「宿直室に炊事場があるのに使わないなんて、もったいないわ!」

その声に半ば強引に押される形で、いつしか水曜日の昼休みは“自炊するのが当たり前”になっていた。

水曜日の昼休みが始まると、琴美がいつものように声を張り上げる。

「さあ、今日も行くわよ! 水曜恒例の自炊タイムだって忘れてないわよね?」

クラスメイトが「何のこと?」と首をかしげる中、日ノ本文化部のメンバーはごく自然に席を立つ。

 真平は「はぁ…またか」とぼやきながらも、カバンにエプロンを入れているあたり、しっかり準備はしているようだ。

 沙羅は「今回はあんまり危ないことしないでよね」と釘を刺し、シャオは「パォ~! 今日のメニューは何ですか?」と目を輝かせる。

 美優は「えへへ~、私、お茶の葉とお菓子少し持ってきました~♪」と微笑み、勇馬は「調理器具を確認しないと」と淡々と資料を広げる。

廊下を急ぎ足で抜けると、部室の奥にある宿直室へ到着。そこには古びた炊事場があり、調理器具や食器は適当に置かれていたが、最近では部員たちが頻繁に使うので、それなりに整頓されてきている。 

今日のメニューは琴美が選んだ「昭和風ナポリタン」。さらに、簡単なスープを添えることになった。

琴美は喜々して宿直室のこ上りで下ごしらえを始める「ナポリタンといえば、ケチャップたっぷり&ピーマンとベーコンでしょ! それが昭和スタイルよ!」

「ケチャップ多すぎないか? ちょっと甘くなりすぎるぞ…」真平はちゃんと軽量すべきと琴美を諫めるが沙羅が

「まあ、ケチャップの量は後で調整できるから、まずは野菜を切って。」

隣でシャオが「パォ~! 私、ピーマン切るの慣れましたよ~!」

美優は「えへへ~、私はスープの担当しますね。コンソメをベースに、昭和っぽくミックスベジタブル入れましょうか♪」

勇馬は「茹でるパスタの量を計算しておきます。人数分、ちょうど足りるかな…」

湯を沸かし、パスタを茹でるチーム、野菜を切って炒めるチームに分かれて作業が進む。琴美はフライパンでベーコンと野菜を炒めるが、「熱っ!」と小さく悲鳴を上げ、近くの真平が「またかよ」とツッコミ。シャオが楽しそうにピーマンを投入、「パォ~、色どりがキレイです~!」と盛り上がる。勇馬はタイマーを手に「あと3分でパスタ茹で上がりです!」と仕切り、沙羅はその横で鍋の湯加減をチェック。美優がスープをかき混ぜながら「あ、これいい匂いです~♪」と笑顔で報告。

パスタが茹で上がり、フライパンへ投入 → ケチャップと少量のウスターソースで炒め、最後にバターを落としてコクを出す。

琴美は出来上がっていくフライパンの中を調理しながら「ほら見て! これが昭和の喫茶店のナポリタン風よ!」

真平は見栄えのいいフライパンの中を見て「たしかに見た目はいいな。あとは味だな…」


 あっという間に昼休みの残り時間が少なくなり、急いで盛り付けて席につく。

 昭和ナポリタンと簡易スープの完成だ。

「いただきます! …ん、ケチャップの甘みがたまらないわ!」「おお、悪くない。懐かしい感じするっていうか…なんかクセになるな。」「バターで仕上げるのはいいわね。うん、美味しい。」

勇馬はパスタを口の中で確認しながら「パスタの硬さもちょうどですね。サラダがあればもっと昭和喫茶っぽくなるかも。」「パォ~! ピーマン苦手でしたが、これなら食べられます~!」「えへへ~、スープもいい感じですよ。よかった~♪」


 食べ終わり、片付けを急いで済ませると、時計を見る。

 昼休み終了のチャイムが鳴るまであと数分。シャオが少し残念そうに言う。

「パォ~、もう時間がないです…。もっとゆっくりしたかったのに~。」

しかし、琴美の目はすでに次の企画を見据えている。

「来週は昭和のデザート、プリン・アラモードとかどう? それか古いレシピのコロッケにするのもいいし!」


 真平はうんざりしながら「今度はもう少し時間のかからないのにしようぜ」とぼやく。

 結局、みんなは「来週も水曜の昼に昭和ランチを作る」ことを確認し合い、それぞれの教室へ戻っていく。宿直室の小さな炊事場は、まだ軽く湯気が漂い、そこに残るケチャップの香りが、昭和ナポリタンの余韻を物語っていた。

 こうして、日ノ本文化部の水曜日の定例行事は、今日も無事に終了。


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