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せっかくだから今度は朗読劇に挑戦するぜ

ラジオドラマの成功(?)から数日後。部室に集まった日ノ本文化部メンバーに、琴美がまたもや新たな企画を持ち込む。

「みんな!次は朗読劇をやるわよ!」

琴美が拳を突き上げると、全員が同時に「あ~また始まった」と呟いた。

「ちょっと待って、朗読劇ってなんで急に?」沙羅が真顔で突っ込む。

「昭和といえば、ラジオドラマだけじゃないの!家族で一緒に聴ける朗読劇も昭和文化の一つよ!」琴美が胸を張る。

「いや、それ本当か?そんなに朗読劇、流行ってたっけ?」真平が怪訝な顔をする。

「知らないけど、絶対そうだったはず!」琴美が断言する。

「適当すぎる…」沙羅が呆れつつため息をついた。

________________________________________

琴美の脚本:『昭和の大怪獣、逆襲のグリンゴン!』

•語り手:勇馬

•主人公・怪獣ハンター:真平

•怪獣グリンゴン:琴美

•博士:沙羅

•村人A&効果音:シャオ

•村人B&効果音:美優

________________________________________

勇馬ナレーション

「昭和の山奥、緑深き村に突如現れた巨大な怪獣――その名はグリンゴン!人々の生活を脅かす恐怖の象徴だった…」

琴美(グリンゴン役)

「グオォォォォーーー!人間どもよ、私の怒りを思い知れ!」

真平(怪獣ハンター役)

「おい待て!お前、どんな設定だよ。怪獣なのに喋るのかよ!」

「だって喋った方が面白いじゃない!」琴美が素で返す。

「いやいや、朗読劇だからって自由すぎだろ!」真平がツッコミを入れる。

________________________________________

沙羅(博士役)

「怪獣ハンター真平よ!グリンゴンを倒すには、唯一つの弱点を突かなければならないわ!」

真平(怪獣ハンター役)

「その弱点ってなんだ?」

沙羅(博士役)

「それは…カレーだ!」

「おいおい、カレーってどういうことだよ!」真平が声を荒らげる。

「昭和の給食で出てたじゃない!昭和の象徴よ!」琴美が誇らしげに説明する。

「いや、昭和の象徴だからって怪獣の弱点になる理由にならねえだろ!」真平が即座に反論。

________________________________________

シャオ(村人A役)

「パォ~!グリンゴンが村を襲ってきました~!」

美優(村人B役)

「えへへ~、でも怪獣ってかわいいですね~。」

「どこがかわいいんだよ!?」真平が振り返るが、美優はほんわか笑っているだけだった。

________________________________________

勇馬ナレーション

「果たして、怪獣ハンター真平はグリンゴンを倒せるのか…!?昭和村の運命は…!?」

________________________________________

シャオ(村人A役&効果音)

「パォ!グリンゴンの足音が聞こえます~!」

バン!ドン!バンバン!と椅子を叩く音。

「おいシャオ、それ足音っていうより爆発音だぞ!」真平が冷ややかに指摘する。

「パォ~!つい力が入りました~!」シャオが小首を傾げる。

________________________________________

美優(村人B役&効果音)

「えへへ~、風の音をやりますね~。」

「フゥ~~~……ピューピュー……」

(息だけで効果音を再現しようとしている)

「お前、絶対無理するな!」沙羅が冷静に突っ込む。

________________________________________

琴美(グリンゴン役)

「グオォォォーーー!だが私は昭和のアイドルも大好きだ!」

「ちょっと待て!怪獣がアイドル好きって設定どっから来たんだよ!」真平が声を荒らげる。

「アイドルを語らずして昭和を語れないでしょ!」琴美が胸を張る。

________________________________________

沙羅(博士役)

「カレーをグリンゴンにぶつけるのよ!でも、どんなカレーがいいのかしら?」

美優(村人B役)

「えへへ~、甘口ですかね~。」

「いや、辛口でしょ!」沙羅が即座に否定する。

「パォ~!台湾では辛い料理が人気ですよ~!」シャオが手を挙げる。

「だから、カレーの議論じゃないんだよ!」真平が声を荒らげた。

________________________________________

最終的に、グリンゴンはカレーを食べて満足し、村を去るという謎展開で幕を閉じた。

琴美(グリンゴン役)

「グオォォォー!昭和の味、最高だ!また来るぜ!」

勇馬ナレーション

「こうして、昭和村に平和が訪れたのであった――」

________________________________________

「結局なんだったんだよ、この朗読劇…」真平が肩を落とす。

「面白かったじゃない!これぞ昭和魂よ!」琴美が満足げに言う。

「昭和魂って便利な言葉ね。」沙羅が呆れ顔で呟く。

「パォ~!私、楽しかったです~!」シャオがニコニコと笑う。

「えへへ~、私もです~。」美優もほんわかと微笑む。

「次はどんな企画が待ってるんだろうな…」真平は遠い目をしながらため息をついた。

部室には笑い声が響き、日ノ本文化部の新たな挑戦が続く予感で満ちていた。


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