ゴールデンウイーク最終日は?
部室には疲労感と共に、どこか満足げな雰囲気が漂っていた。
真平がソファにどっかりと腰を下ろしながら呟く。
「いや~、よく食ったし、よく笑ったな。でももうお好み焼きはしばらくいいや。」
沙羅が隣で頷きつつも苦笑いを浮かべる。
「まったく。片付けが大変すぎたわ。萌花がまたやらかすから…」
「えへへ~、でも楽しかったですよね~。」美優がにこやかに紅茶を淹れながら答える。
「萌花ちゃんも、とっても楽しそうでした~。」
シャオは机に広げた写真を見ながら、嬉しそうに言う。
「パォ~!こんなにみんな笑顔なの、すごく素敵です~!特にこの写真、真平先輩が焦げたお好み焼きを持ってるのが最高です~!」
「おい、それ俺の黒歴史だろ!」真平が手を伸ばして写真を取り上げようとするが、シャオは素早くかわして笑う。
勇馬は料理に満足したようで、メガネをクイッと直しながら言った。
「でも、台湾風のお好み焼きには驚きましたね。新しい味の発見でした。」
琴美が得意げに腕を組み、部屋の真ん中で話し始める。
「でしょ!昭和と異文化が融合することで、新しい文化が生まれるのよ!これぞ日ノ本文化部の使命じゃない?」
「お前、具材ぶちまけてただけだろ…。」真平がぼそっと言うと、琴美はふてくされる。
「いいのよ!私はムードメーカーなんだから!」
沙羅が冷静に指摘する。
「ムードメーカーっていうか、ただの騒ぎの元でしょ。」
笑い声が部室を包む中、琴美が何かを思いついたように言った。
「よし、次は『昭和と現代の融合グルメ』をテーマにしよう!台湾風お好み焼きみたいに、もっと色んな国の料理と昭和を組み合わせるの!」
「また食べ物かよ…。俺たちの胃袋、どんだけ昭和に捧げればいいんだよ。」真平がため息をつく。
「パォ~!でも、それ面白そうです~!」シャオが興奮して言うと、美優も「えへへ~、お手伝いしますね~。」と微笑む。
「結局やることになるのか…。」真平が肩を落とす中、勇馬が冷静に提案する。
「じゃあ、次は僕がメニューのバランスを考えますね。科学的に完璧な組み合わせを作りましょう。」
沙羅が苦笑しながら言う。
「結局また大騒ぎになりそうね。でも、まあ…それがこの部活らしいか。」
全員が笑い合いながら、次なる計画を立て始めた。
こうして、日ノ本文化部の賑やかな日常は、また新たな挑戦へと進んでいくのだった。
ゴールデンウィーク最終日、日ノ本文化部のメンバーは美優の実家が経営する高級温泉旅館に招待されることに。
一行が到着すると、旅館の落ち着いた佇まいと香り高い檜のエントランスに感嘆の声を上げる。
「うわぁ、ここが美優ちゃんの家?すごく素敵ね!」琴美が目を輝かせる。
「これ、高級温泉って感じだな…場違いかもしれない。」真平が少し緊張気味に呟く。
「パォ~!なんだか心が浄化されます~!」シャオが両手を広げて深呼吸。
美優がほんわかと微笑みながら迎える。「えへへ~、みなさんようこそです~。今日はゆっくりしてくださいね~。」
そこに旅館のスタッフがやってきて、上品なお辞儀で案内を始める。「皆様、美優様のお友達ですね。本日は特別なプランをご用意しておりますので、どうぞごゆっくりお過ごしください。」
温泉に入ると、琴美が湯船でリラックスしながら大の字で叫ぶ。「昭和の銭湯もいいけど、やっぱり高級温泉は別格ね~!」
「いや、昭和とか関係ないから。ただの温泉だから。」沙羅が肩まで浸かりながら冷静にツッコむ。
「パォ~!お湯がとても柔らかいです~!」シャオが笑顔で湯けむりを楽しむ。
美優が照れたように言う。「ここのお湯は、天然の美肌成分が含まれているんですよ~。」
一方、男湯では真平が勇馬に話しかける。「いや~、温泉って久々だけどさ、こんな高級なとこでいいのか?」
「確かに贅沢ですね。でも、せっかくの機会ですし、楽しみましょう。」勇馬は落ち着いて答えるが、その表情からは興奮が隠しきれていない。
湯上がり後は、豪華な夕食が待っていた。
• 地元の食材をふんだんに使った懐石料理。
• 美優の実家特製の温泉卵や旬の山菜の天ぷら。
• 絶品の和牛ステーキに、みんなの箸が止まらない。
「これ…ほんとに美優ちゃん家の料理?これがプロの味ってやつか…!」真平が感動しながらステーキを頬張る。
琴美も負けじと食べながら、「美優ちゃん、こんなに美味しい料理を毎日食べてるの!?羨ましい!」と驚きの声を上げる。
美優は恐縮しながらも、「普段はもっとシンプルですよ~。今日は特別です~。」と微笑む。
夕食後は、旅館の広間で卓球やボードゲームを楽しむことに。
• 琴美と沙羅が卓球で真剣勝負。
• シャオが全くルールを知らないのに謎の強さを発揮して大健闘。
• 美優はスコア係を務めながらほんわか笑顔。
• 勇馬は静かにボードゲームで頭脳戦を繰り広げるが、途中で琴美に乱入されて大混乱。
その後、布団に入ると自然と部員たちが雑談を始める。
琴美が「今年のゴールデンウィーク、濃すぎたわね!」と言うと、真平が「お前のせいでな。」と即座に返す。
沙羅が「まあ、結果的には楽しかったからいいけど。」とぼそっと呟き、みんなが笑う。
「パォ~!次は台湾でゴールデンウィークを過ごすのもいいですね~!」シャオが提案すると、「それ、ありかもな。」と全員が同意する。
翌日、旅館を後にする一行。
美優が丁寧にお辞儀をしながら見送る。「えへへ~、またいつでも遊びに来てくださいね~。」
琴美が「次は温泉地で昭和探しも面白いかも!」と言い出し、沙羅が「もう昭和はいいから!」とツッコむ。
「まあ、なんだかんだで楽しかったし、また集まろうな。」真平が最後にまとめるように言い、一同は笑顔で頷いた。
こうして、日ノ本文化部のゴールデンウィークは、美優の実家の温泉旅館で心も体も癒されながら、賑やかに幕を閉じたのだった。




