パォー来訪者
春も半ば、日ノ本文化部は相変わらずの賑やかさを見せていた。そこに突然現れたのが、台湾からの留学生、王小梅だった。
部室のドアが勢いよく開き、小柄で愛らしい見た目の少女が笑顔で立っていた。
「こんにちは~!王小梅です!台湾から来ました~!よろしくお願いします、みんなはシャオと呼びます!」と、元気に頭を下げる。
「おおっ、国際派な部員が来たわね!」琴美が目を輝かせながら彼女を迎える。
シャオはにこにことしながら、「昭和文化が面白いと聞いて…ぜひ勉強したいと思いました!」と言う。
「いいじゃないか!異文化交流は素晴らしい!」と勇馬が早速彼女に熱烈な握手を求めた。
しかし、シャオが握手を返そうとした瞬間、勇馬の手に滑ってあやうく転びかけた。
「パォ!」
突然、シャオの口から謎の声が飛び出した。
「え、なにそれ!?」沙羅が驚くと、シャオは恥ずかしそうに笑い、「驚いたときについ出ちゃう台湾のクセです~。」
「クセが強い!」真平がすかさずツッコむ。
琴美は早速、部室に積まれていた昭和の雑誌や小道具を見せ始めた。
「これが昭和の少女漫画よ!この髪型、目のキラキラ、どうかしら?」
シャオは「すごい~!台湾でも昔の漫画は人気ですが、これはレトロで素敵です~!」と目を輝かせる。
「シャオちゃん、これ知ってる?」沙羅が部室の隅からレコードプレイヤーを取り出してみせた。
「パォ!それ、初めて見ました~!」シャオが驚きの声をあげるたびに「パォ!」と響き渡る。
「いやいや、シャオが驚くたびに部室が笑いに包まれるんだけど!」真平が困惑しつつもつられて笑った。
そんな中、シャオと美優が意気投合。
二人で仲良くしている様子を見て、沙羅がポツリと呟く。
「なんか、この二人の会話、全然かみ合ってないんだけど、雰囲気で成立してるのがすごい。」
例えばこんなやりとり:
シャオ:「美優さん、どうして文化部に入ったんですか~?」
美優:「えへへ~。なんか、楽しそうだったから~。」
シャオ:「すごい~!その考え方、素敵です~!」
美優:「そうかな~。でも、シャオちゃんの『パォ』の方が素敵だよ~。」
シャオ:「ええ~!本当ですか~!パォ~!」
美優:「パォ~!」
琴美が真顔で言った。「これ、昭和と関係ある?」
新しい部員たちを歓迎するため、琴美の発案で「昭和クイズ大会」が開催された。
「よーし、シャオもこれで昭和の知識を学ぶのよ!みんな、準備はいい?」
第一問目は琴美からの出題。
「昭和の大ヒット商品といえば!フラフープ!でも、フラフープが流行ったのは何年でしょう!」
シャオは一生懸命考え、手を挙げて答える。「えっと、昭和32年!」
琴美は驚き、「おおっ、近いけど違う!正解は昭和33年よ!」
「パォ~!惜しい!」シャオが悔しがるたびに「パォ!」と響く。
「シャオちゃん、そのリアクション、正解・不正解どっちでも楽しいわね。」沙羅が笑いながら感心した。
新たな部員たちのおかげでますます賑やかになる日ノ本文化部。
琴美は満足げに、「これから昭和文化だけじゃなく、台湾文化も取り入れちゃう?」と笑顔で言った。
シャオは「パォ!それ、いい考えです~!」とノリノリで賛成。
一方、真平は頭を抱えていた。「なんかもう、昭和とか平成とか関係なくなりそうだな…」
こうして、ますます個性豊かな日ノ本文化部は、笑いと驚きに満ちた日々を送るのであった。




