文化祭準備?いいえ、昭和大発掘祭です!
文化祭の準備が本格的に始まり、日ノ本文化部のメンバーは展示品探しのため、元職員室の倉庫へ向かうことになった。
「うわっ、いつ来てもやっぱりホコリっぽい~!」
美優がハンカチで鼻を押さえながら中を覗き込む。
「よし、ここに何があるのか、片っ端から見ていきましょう!」
琴美がやる気満々で腕まくりをすると、沙羅も「お宝が眠ってるかもしれないわね!」とノリノリで倉庫の中へ入っていく。
「まずはこの棚から整理しようか。」
勇馬が手近な棚を開けると、中には年代物のカセットテープ、フィルムカメラなどが詰まっていた。
「おお、これはかっこいい。」真平が興味深そうにラテカセを手に取る。
「え? これってもしかして……」
シャオが何かを見つけたようだ。彼女が棚の奥から引っ張り出したのは、
「パォ! これ、めちゃくちゃ古そうな雑誌です!」
見ると、昭和50年代の新聞と週刊文春にぴあが束になっていた。
「これは展示にピッタリじゃない?」
琴美が目を輝かせる。
「うん、このまま飾るのは難しいけど、スキャンしてパネル展示にすれば、みんな興味を持ってくれるかも。」
勇馬が冷静に提案する。
「ナイスアイデアね! じゃあ、ここにあるものをどんどんチェックしていきましょう!」
探索を続けると、タイプライター、昭和時代の学校新聞、さらには昔の学校行事の写真など、興味深い品々が次々と発見された。
「この写真……これって、もしかして先生たちの若い頃?」
沙羅が取り出した一枚の白黒写真を見つめる。
「おぉ、これは歴史を感じるね。」
真平が写真を手に取り、じっくりと眺める。
「この写真、文化祭の展示に使ったら面白そうだね!」
琴美が提案すると、全員が賛成する。
「じゃあ、学校の倉庫はこのくらいにして、次は琴美の家の倉庫に行ってみようか?」
真平が確認すると、琴美は「もちろん! うちの倉庫にはもっとすごいものが眠ってるわよ!」と自信満々に答えた。
文化祭の準備が本格的に始まり、日ノ本文化部のメンバーは展示品探しのため、琴美の家の倉庫へ向かうことになった。
「ようこそ、吉峰家の秘密の宝庫へ!」琴美が堂々と扉を開けると……。
「うわっ、なんか色々ありすぎてカオス!!」真平が思わず叫ぶ。
倉庫の中には、昭和の家具、レトロ家電、ホコリをかぶった自転車、昭和の家電
「ファジー機能?」美優が洗濯機に貼ってあるラベルを不思議そうに読む。
「昭和のしまいから平成にかけてのファジー機能、今でといえばAIのご先祖みたいな機能の!」
琴美は得意げに言うが、
「あぁ~!?」と美優はよく分かってないようだ。
「パォ!? これ何!?」
シャオが興奮気味に指さしたのは、巨大なラジカセ。
「おお、これはじいちゃん愛用のダブルカセットデッキよ! 昔はこれで『俺のベストヒット』とか作ってたわけ!」
「ダブルカセットデッキ!? もしかしてダビング機能付き!?」
勇馬が食いつく。
「もちろん! さらにこの棚には……おおっ!! 『クイズ100人に聞きました』のボードゲーム発見!!」
「おぉ!! これは名作!」
「いや、待て待て! こっちには『サッカーゲーム』と『魚雷戦ゲーム』に『野球盤』の箱が!!」
「えっ、本物!? まだ動くのか!?」
「試してみよう!」
こうして、文化部の探索はどんどん脱線し、いつの間にか倉庫で昭和アイテムを使ったゲーム大会が始まってしまった。
「ちょっと待て! なんでみんな遊んでるのよ! 目的は文化祭の展示品探しでしょ!」
沙羅がピコピコハンマーを振りかざす。
「だ、だって面白いものが多すぎてつい……!」
「ちょっと待って……これ、なに?」
勇馬が指さした先には、大きなダンボールが積み上げられていた。
「ゲーム機」と書かれた段ボール
琴美が箱を開けると、中から次々とLSIゲームが姿を現した。
「うわっ、懐かしい! これってゲーム&ウオッチのシリーズもあるじゃん!」
「すごい! これ全部おじさんのコレクション?」
「そう、昔ゲームオタクだったおじさんが、ひたすら集めてたのよ!」
「これは……LSIゲーム体験コーナーを作るしかないな。」
真平が腕を組みながら決断する。
「よし、文化祭の展示に追加決定ね!」
さらに探索を続けると、
「おい、これ見てみろ!」
沙羅が物置の奥から引っ張り出したのは、大量の電池式ゲームだった。
「『モグラたたき』『チクタクバンバン』『タイムショック』『生き残りゲーム』……うわっ、こんなに!?」
「じいちゃんとおじさんが二人で遊んでたやつね!」
「これはもう、文化祭に持っていって、『昭和レトロゲーム体験コーナー』を作るしかないな!」
「……なあ、それはいいんだけど、これ、どう思う?」
勇馬が倉庫の隅を指さす。
「えっ、何?……ええええええ!?」
そこにあったのは、まるでSF映画から飛び出してきたかのようなピカピカの自転車。
「こ、これは!?」
「伝説のスーパーカー自転車『エレクトロボーイZ』……!!」
「おじさんがこれで町中を爆走してたのよ!」
「いや、なんでこんなものがここに!? しかも結構キレイじゃん!」
「おじさんが『いつか乗るかも』って言って、ずっと手入れしてたのよ!」
「これ、動くの?」
「試してみる?」
「いや、試すな! 絶対に試すな!!!」
「それに、これって……」
沙羅が指さしたのは、王貞治選手の756号ホームラン記念パネルだった。
「おおっ!? これって超貴重じゃないか!? もしかして、シャオって王選手の親戚だったりする?」
「パォ!? ちがいます!」シャオが即座に否定する。
「王姓は台湾ではすごく多いんです! 日本でいう『鈴木』や『佐藤』みたいなもの!」
「そ、そうなんだ……」
「でもこのパネル、すごく価値があるね!」
「よし、文化祭の展示に加えよう!」
こうして、文化祭の展示はますますカオスな方向へと向かっていくのだった……。




