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新入部員2人

 新学期が始まり、日ノ本文化部にまた新しい風が吹き込もうとしていた。部室で琴美、沙羅、真平が集まり、新年度の活動計画を立てていた時だった。

 琴美が突然立ち上がり、拳を握りしめながら叫んだ。

「日ノ本文化部もいよいよ新たなステージへ!新入部員を迎え入れて、さらに昭和の魂を広めるのよ!」

「昭和の魂って…まだ言うのかよ。」真平がため息をつく。

「どうせまた変な子連れてくるんじゃないの?」沙羅が冷ややかに笑う。

 そこに、ノックの音が響いた。

「どうぞ~!」琴美が勢いよく応じると、扉を開けて現れたのは黒髪メガネの男子生徒。どこか物静かな雰囲気をまとっていた。

「こんにちは、僕、加藤勇馬です。昭和文化に憧れて、この部に入部したいと思っています。」

 琴美の目がキラキラ輝く。「昭和文化に憧れ!?それだけで即入部決定よ!」

「早いな!」真平が慌てて突っ込む。

 勇馬は真平のツッコミを無視してカバンから何かを取り出す。「これを見てください。」彼が机の上に置いたのは、昭和のレトロなゲーム機だった。

「これ…またすごいもの持ってきたな。」真平が感心する。

「僕、これを修理して動かせるんです。」勇馬が胸を張って言うと、琴美が興奮して机をバンバン叩き出した。

「すごいわ!昭和の魂を支える職人技ね!日ノ本文化部にぴったりよ!」

 沙羅が冷静に言い放つ。「でも、その『魂』って、どうせゲームして遊びたいだけでしょ?」

 そこへもう一人、部室の扉がそっと開いた。顔を覗かせたのは、小柄でふわふわした雰囲気の女子生徒だった。

「えへへ…こんにちは~。私、花村美優です。楽しそうな部活だって聞いて…。」

 琴美が勢いよく手を振る。「もちろん!楽しいわよ!昭和文化の魅力を存分に味わえる最高の部活なんだから!」

 美優はその場でぺこりとお辞儀し、「じゃあ、私も入っていいですか?」と控えめに尋ねる。

「いいに決まってるでしょ!」琴美が美優を歓迎する中、沙羅が小声で真平に囁いた。

「大丈夫なの、この子。ちょっと天然っぽいけど?」

「琴美よりはマシだろ。」真平がぼそりと答える。


 新入部員を迎えての初日、琴美が張り切って新しい企画を発表した。

「今日はね、新入部員歓迎企画!昭和風カラオケ大会よ!」

「おいおい、そんなものどこにあるんだよ。」真平が呆れると、勇馬がすっと手を挙げた。

「昭和のカラオケ機材、僕が倉庫から持ってきました。修理して使えます。」

 机の上に置かれたのは、大きなダイヤル付きの古いカラオケ装置だった。見た目は完全に骨董品だ。

「すごい!さすが昭和オタクね!」琴美が拍手する。

「僕、オタクというより職人です。」勇馬が微妙に訂正する。

 一方、美優は古びたマイクを手に取り、「わぁ~、これで歌うんですね~♪」とニコニコしている。

「それじゃあ、私が一番手ね!」琴美がマイクを握り、レトロな曲をセットする。「ピンク・レディーの『ペッパー警部』、行きます!」

 曲が始まるや否や、琴美はマイクを振り回しながら激しいダンスを始めた。

「なにこれ、カラオケってより昭和のアイドルショーじゃん。」沙羅が呆れる。

 次に勇馬が「ぜひ僕も!」と名乗りを上げ、昭和歌謡を渋い声で歌い始めた。

「なんかプロっぽいな…」真平が感心する。

 最後に美優が、ゆるやかな童謡を優しい声で歌い始めた。「えへへ、なんか楽しいですね~。」

 部室はいつの間にか温かい空気に包まれていた。


 活動終了後、琴美が宣言した。「これで新生日ノ本文化部の一歩目が踏み出せたわね!」

「まあ、確かに騒がしいけど楽しかったかも。」沙羅が微笑む。

「次回はもっと昭和らしいことをやるぞ!」琴美が意気込むと、真平はまたもため息をついた。

「次回も絶対騒ぎになるんだろうな…。」

 こうして、新しいメンバーを迎えた日ノ本文化部は、さらに騒がしく、そしてにぎやかに進んでいくのだった。


 新学期初の部活動は、琴美の提案で「昭和ゲーム大会」が開かれた。

「今日は昭和を感じてもらうために、勇馬が持ってきたレトロゲームで遊ぶわよ!」琴美が高らかに宣言。

 勇馬が得意げにゲーム機をセットし始める。「これです!ニューファミコンです!数々の名作が遊べます!」

 沙羅が興味津々で画面を覗き込み、「へえ、こんな感じなんだ。でも、ニューってところがちょっと残念じゃない?」

「いやいや、ニューの方が希少です!」勇馬は全力で反論し、さっそくゲームを始めた。


 プレイするのはレトロシューティングゲーム。琴美がノリノリで挑戦するが、案の定すぐにゲームオーバー。

「これ、ズルいわ!敵が多すぎるのよ!」琴美が叫ぶ横で、勇馬が冷静に攻略法を説明し始めた。

「落ち着いてください、琴美先輩。このボスは画面左上に陣取って弾を避けるのが基本です!」

「そんなの昭和魂でどうにかするのよ!」琴美は感情任せにボタンを連打するが、あえなく再びゲームオーバー。

一方、美優はというと、画面をぼーっと見つめていたかと思うと、突然的確なタイミングで敵を撃ち落とし始めた。

「え?美優、めっちゃ上手いじゃない!」沙羅が驚くと、美優はほんわか笑いながら答える。

「えへへ、なんか適当にやってたら当たりました~。」

「天才かよ!」真平が思わず叫ぶ。


 一方で、勇馬と琴美の間で激しい昭和論争が巻き起こる。

「先輩、昭和の真髄はファミコンではなく、ゲームウォッチにあります!」勇馬が熱弁を振るう。

「何言ってるの!昭和を語るならポケベルでしょ!」琴美も負けじと主張する。

「それはどちらかというと平成の文化では…」沙羅が呟くが、二人は完全にスルー。

 最終的に、勇馬が持参したゲームウォッチと琴美のポケベル(謎に父親から借りてきたらしい)が並べられ、どちらが昭和っぽいかを決めるために部員全員の投票が行われることに。

 結果は、美優が「どっちも可愛いですね~」と曖昧なコメントをしたため、引き分け。

「まあまあ、楽しかったからいいじゃない。」真平がまとめる。


 新入部員の勇馬と美優が加わり、ますます賑やかになった日ノ本文化部。

 琴美は拳を突き上げ、「これからも昭和文化を全力で探求していくわよ!」と気合を入れる。

 一方、真平はまたしてもため息をつきながら呟く。「もう騒ぎになる未来しか見えないけどな…」

 沙羅は笑いながら、「でも、こういうのが楽しいんじゃない?」と軽く肩をすくめた。

 そして、美優がふんわりとした笑顔で、「なんか、この部活、すごく面白いです~。」と言った。

 勇馬も力強く拳を握りしめ、「昭和の熱い心、ここで燃やしてみせます!」と宣言。

 こうして新たなメンバーを迎えた日ノ本文化部は、これまで以上に賑やかな日々を迎えるのだった。



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