表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/241

踊る韋駄天バント祭り

準決勝、文化部 vs 韋駄天軍団!!

球技大会もいよいよ佳境!

文化部は柔道部、バレー部との激戦を勝ち抜き、ついに3回戦(準決勝)に駒を進めた!

次なる対戦相手は――

「日ノ本文化部 vs 陸上部!!」

「うわぁぁ……これはやばい……」

「陸上部!? つまり、全員足が速いってことよね……」

「野球って走るスポーツでもあるし、これは苦戦しそうだわ……」

グラウンドに登場した陸上部のメンバーは、全員が引き締まった体つきで、まさにスプリンター軍団!

しかも、彼らは野球経験者も数名いるという情報が入り、文化部メンバーの表情は不安に包まれた。

一方、陸上部キャプテンは自信満々にこう言い放った。

「ふっ、俺たちは打てなくても足で点を取る! お前たちに捕まることはないぜ!」

「お、おいおい……走り負けたら一気に点を取られるぞ!?」

果たして、文化部はこの強敵を相手に、どう戦うのか!?

文化部の守備陣形が整い、先発ピッチャーはもちろんシャオ!

「パォ! 全力でいくよ!!」

しかし、対する陸上部の1番打者はニヤリと笑う。

「俺たちはバットに当たらなくても、出塁できればそれでいいんだ。」

シャオの初球――

バシュッ!!

審判「ストライク!」

「ふっ、いい球だな。でも俺たちいはそこじゃない……」

次の球――

バシュッ!! ボール!

「よし、読めてきた……」

そして――

次の球を、わざとバント!

「ちょっ!? バント!??」

打球はゆるーくピッチャー前に転がる!シャオがダッシュして拾うが――

「うっ、はやっ!??」

打者は猛スピードで一塁へ!

「セーフ!!」

「パォォ!? 足速すぎ!!!」

「ふふん、俺たちが打つ必要なんてないんだよ。」

「や、やばい……!!」

陸上部は、「バントして走る」作戦で確実に出塁してくるという戦法を取ってきた!

次の打者も、またしてもバント!!

「えぇぇ!? また!??」

バント&俊足で、一塁走者が二塁へ、そして一塁もセーフ!

「う、嘘でしょ!? こんな手が……」

「おいおい、文化部じゃこの足に勝てないんじゃないか?」

そして、3番打者もまたバント――

「いやいやいや、全部バントっておかしいだろ!!!」

「ふっ、俺たちにバットを振らせると思うなよ?」

「陸上部、バントばっかりで満塁!?」

一打も強打されていないのに、あっという間にピンチ!!

「やばい……このままだと点を取られる!!」

陸上部の4番打者が打席に入る。

「さて、このまま犠牲フライでも打てば、楽に先制点が入るな……」

「……いえ、そんな簡単にさせないわ。」

ここで、巫鈴が鋭く指示を出した。「バントにはバントで対抗よ!」

「え、どういうこと?」

「バントはゴロを転がすもの……だったら、こっちもゴロ処理を最優先すればいいのよ!」

守備陣を前進守備に変更!

「パォ!? 前に出るの!?」

「そう。バントするなら、すぐに取って一塁に投げる! そして――」

「ランナーをけん制するのね!」

「そのとおりよ!」

作戦決行――!

ピッチャー、シャオが投げる!打者はまたしてもバント!

しかし――「もう読めてるわよ!」

巫鈴、即座に前進し、素早く捕球して一塁へ送球!

「アウト!!」

さらに――

「三塁ランナー、戻れーーー!!」

「えっ!? くっ……戻れない!!」

「タッチアウト!!」

「ダブルプレー!!!」

文化部、ついに陸上部のバント攻撃を封じる!!

しかし、……最後のバッターを抑えなければ!

シャオ、ここでギアを上げる!

「ストライクスリー!! バッターアウト!!!」

文化部、奇跡の無失点!!

「バント作戦、もう怖くないわよ!!」

陸上部、ここで作戦変更を余儀なくされる――


「よし! 今度はこっちの攻撃よ!」

先頭打者、勇馬

陸上部のバント攻撃を何とか封じ、無失点で切り抜けた文化部。

「よし! 今度はこっちが攻める番よ!」

先頭打者は、レトロゲーム愛好家にして職人肌の男、加藤勇馬。

「勇馬、頼んだわよ! 確実に出塁して!」

「……まぁ、確実にいくか。」

勇馬はゆっくりとバッターボックスに入り、静かに構える。

対する陸上部のピッチャーは、腕を大きく振りかぶり、全力投球!!

「ストライク!」

勇馬は冷静にボールを見つめる。

次の球――

 ボールを確実に目で捉えた勇馬は絶妙なタイミングでバットを振る。

打球はピッチャーの足元を抜け、ライト前へクリーンヒット!

「じゃあ、私が繋ぐわね。」

続くバッターは、冷静沈着な戦術家、巫鈴。

巫鈴、ピッチャーのモーションを見極め――

三塁線ギリギリに転がる絶妙なバント!!

「やばっ!? これ、捕りにくい!!」

陸上部、ダッシュするが――

「セーフ!!」

文化部、ノーアウト一、二塁!!

「よっしゃー!! 萌香も頑張る!!」萌香、元気いっぱいにバッターボックスへ。

萌香、まさかのセーフティバント!!

「おいおい、またバント!? こっちは陸上部だぞ!?」

……が、陸上部は完全にバントを警戒しており、速攻でボールを処理!!

「しまった! さすがに読まれてた!?」

しかし――

「萌香、全力疾走ぉぉぉ!!」

文化部メンバーが驚愕するほどの猛ダッシュ!!

「おおお!? 萌香、めっちゃ足速い!!?」

「アウトォォォ!!」

……かと思いきや――

審判「セーフ!!」

まさかのバントヒット成功!!

ノーアウト満塁!!

「よーし! ここで決めるわよ!!」

キャプテン・吉峰琴美、バッターボックスへ。

「ここで一本出たら、文化部の勝利は見えてくるわ!」

琴美、気合十分!!「いくわよ!!」

ピッチャー、投球――

球速の全く衰えないボールがミットに収まる。

「ストライク!」

「くっ……!」

「ここは冷静に狙え!!」

そして――

ピッチャー、二球目を投げる!!

 琴美はボールに食らいつく勢いでバットを振る。

「打ったぁぁぁ!!」

ボールは高く舞い上がり――

センターの守備範囲へ!!

「これは……犠牲フライいける!!」

ランナー、全員スタート!!

センター、ボールをキャッチ!!

「送球!! 早く!!」

文化部のランナー、勇馬がダッシュでホームを狙う!!

「ぎゃあああ!! 勇馬頑張れええ!!」

スライディング!!!

審判「セーフ!!!!」

文化部、1-0!!

「やったああああ!!!」

「パォォォォ!! すごい!!!」


3表、陸上部の最後の攻撃!

「あと3アウト取れば、決勝よ!!」

シャオ、最後の力を振り絞る!!

「ストライクスリー!! アウト!!」

「よし!! あと2つ!!」

陸上部も意地を見せる!!しかし打球はセンターフライ、博美が余裕でキャッチ。

2アウト!!!

シャオ、最後の1球!!

「ストライクスリー!!!」

「ゲーーームセット!!!」

文化部、決勝進出!!!!!!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ