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怖いのは嫌なのでLSIゲームに挑戦したいと思います

 挿絵のダメージが大きすぎたせいか、美優とシャオはまだ抱き合って震えていた。

「これならどう?」

琴美が箱から取り出したのは、 『さまよえる宇宙船』 と 『サイボーグを倒せ!』 の2冊のSFゲームブック。

「おっかない絵はないんですね!」

美優が少し怒りながら、慎重に表紙を確認する。

「これなら大丈夫大丈夫♪ SFものだから ‘ホラー的な怖い絵’ はないわ!」

琴美が 自信満々 に宣言する。

「ホントにホントですね……?」

二人は半信半疑で、じーっと琴美の顔を見つめる。

「嘘は言わないわよ! これは ‘宇宙モノ’ だから ‘不気味な幽霊’ とか ‘怪しい館’ とか出てこないって!」

「それよりこれ教えてください」シャオが電子ブロックを指さした。

「えっ、電子ブロック?」

琴美がシャオの指さす方向を見ると、週末の倉庫探索で発掘した 電子ブロック の箱が机の端に積まれていた。

「パォ~! さっきから気になってました~! これは ‘レトロなおもちゃ’ ですか~?」

「違う違う! これは ‘昭和の子供向け電子工作キット’ なのよ!」

琴美が得意げに箱を開けると、中には 無数の小さな透明ブロック が詰まっていた。

「ほら、見て! これを ‘基盤の上’ に組み合わせて、回路を作るのよ!」

「パォ~!? ‘電子工作’ できるんですか~!」

シャオの目が輝く。

「これを ‘つなぎ方’ によって、いろんな装置が作れるの!」

琴美は説明しながら、 “電子オルガン” の回路を作ろうとするが……

「えっと……どこをつなげば ‘音が鳴る’ のかしら?」

「ちょっと貸してください。」

勇馬が前に出て、ササッと 説明書 を確認しながらブロックを並べ始めた。

「電池ボックスはここ、スピーカーはここ、スイッチを入れると……」

―― ピポッ♪

「おおおっ! 音が鳴った!」

琴美が興奮してスイッチを押す。

「パォ~!! ‘昭和の電子技術’ すごいです~~!!」

シャオが感動して拍手する。

「おもしろそう~♪ わたしもやってみたいです~!」

美優も楽しそうにブロックを手に取る。

「ふむ…… ‘レトロなガジェット’ だと思ってたけど、意外と ‘学べる’ ものなのね。」

沙羅も興味深そうに見つめる。

「これは ‘理科の実験’ みたいなものですからね。」

勇馬が淡々と説明する。

「パォ~でも私はこっちの方が好きです♪」シャオはミサイルインベーダーを手に取った。

「シャオちゃんそれなあに?」美優が聞くとミサイルインベーダーと答え美優に遊び方を説明する。

「パォ~♪ これは ‘ミサイルインベーダー’ です~!」

シャオは嬉しそうに、手に取ったレトロな電子ゲームを美優に見せた。

「えへへ~、 ‘インベーダー’ って、あの ‘ピコピコ’ 動くやつですか~?」

美優が興味津々でのぞき込む。

「パォ~! そうです~! これは ‘LSIゲーム’ って言って、 ‘ゲームセンターに行かなくても遊べる’ って人気だったんですよ~!」

 シャオが説明しながら、ボタンを押すと ピッピッ と電子音が鳴り、画面が動き出した。

 上のほうをUFOが飛び、インベーダー一匹に砲台を左右に動かして倒していくのだが、これが意外とハマる。

「美優ちゃんやってみるです」

「えへへ~、じゃあやってみます~♪」

美優はシャオからミサイルインベーダーを受け取り、おそるおそるスイッチを入れる。

「えっと、これは…… ‘砲台’ を左右に動かして ‘インベーダー’ を撃つんですね~?」

「パォ~! ‘そうです’ です~!」

シャオがニコニコしながら頷く。

「えへへ~、じゃあ…… ポチッ!」

―― ピッ! ピッ! ピュンッ! ボン!

開始 3秒 で撃沈。

「えへへ…… ‘早すぎ’ でした~。」

美優は申し訳なさそうにゲーム機を抱えながら笑う。

「パォ~! 大丈夫です~! ‘最初はみんなそう’ です~!」

シャオが励ますように美優の肩をポンポンと叩く。

「うんうん! ‘昭和ゲーム’ って ‘簡単そうに見えて難しい’ のが醍醐味なのよ!」

琴美がドヤ顔で言う。

「じゃあもう一回…… えいっ!」

―― ピッ! ピッ! ピュンッ! ピュンッ! ボン!

開始 5秒 でまた撃沈。

「えへへ~…… ちょっとだけ ‘長くなりました’~。」

美優が申し訳なさそうに微笑む。

「いいわね、美優ちゃん! ‘成長してる’ わよ!!」

琴美が大げさに拍手する。

「……っていうか、 ‘最初は’ こんなものなの?」

沙羅が腕を組んでゲームを見つめる。

「そうよ! ‘昭和ゲーム’ は ‘鬼畜難易度’ が基本なの!」

琴美が自信満々に語る。

「……まあ、確かに ‘レトロゲーム’ は ‘簡単にクリアできない’ からこそ ‘面白い’ っていうのはあるな。」

真平が頷く。

「パォ~! でも ‘美優ちゃん’ なら ‘すぐ上手くなる’ です~♪」

シャオがニコニコしながら応援する。

「えへへ~、頑張ります~♪」

美優は気を取り直し、再びミサイルインベーダーに挑戦する。

―― ピッ! ピッ! ピュンッ! ピュンッ! ピュンッ!

「おおっ、少しずつ ‘避けられる’ ようになってきたじゃん!」

真平が感心したように声を上げる。

「えへへ~…… ‘ちょっとずつ’ ですけど~♪」

「うんうん、いい感じね! その調子で ‘ハイスコア’ を狙いなさい!!」

琴美がノリノリで応援する。

「パォ~! 目指せ ‘昭和ゲーマー’ です~!!」

シャオも興奮しながら声を上げる。



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