幸せ
私が帰還したお祝いにパーティーを開いてくれるらしく、孤児だった私にマナーやダンスが身に付いているはずもなく、猛特訓された。脱走したかったけど、可愛い妹に、お姉様と一緒にレッスン出来て嬉しい。等と言われてしまったら、サボる事も出来ない。
嬉しかったのは、パーティーにレンが来てくれた事。大人になったらレンのお嫁さんになる事が知られているので、大した問題も起きない。
「それにしても、たった半年の間に大人になるなんて、すごく不思議」
「残念ながら、身長はたいして伸びなかったけどね。まあ、まだ14だから望みはあるけど」
「やっぱりそこは拘るんだね」
「せめてお母さんと同じ位にはなりたい。欲を言えば、お父さん」
「あと60センチ?もっとかな?」
トレイから、グラスを取って口をつける。
「え…それ果実酒じゃない?」
「平気だよ。ていうか今は、他の物口に入らないんだよね。強い方がありがたいけど、甘いのも好き」
「ええ?」
「まあ、食費かからないのは良いことだよ…そんな顔しても、そういうものと割り切って欲しいんだけど」
「分かったよ。どんな君でも、受け入れるつもりだから。隠してて辛い思いされるよりはいいから」
「へへっ。やっぱりレン、大好きだよ」
「!。僕も…会えなくて、淋しかった。しかもこんなに綺麗になって。王女だから、言い寄られたりもするだろう?」
「もう、分かってないな。私には、レンじゃなきゃだめなの。だから、私の方こそレンが他の人と結婚したら、神子に戻るしかないんだから」
「なら、何も心配ないな。…このままアマネを連れて、シグザールに帰りたい」
「そうなったらいいな…特に礼儀作法とか、覚えるの超大変で。でも、出来なかったら困るのはレンだからって」
その辺は、現実逃避したくなるレベルだけど、出来なかったら結婚式伸ばすって言われたら、頑張るしかないんだよね。
「ね、外出ない?」
そこでどうして指が上を向くのか不思議だったけど、レンは頷いた。
ベランダに出たら急に腕を取られて引き上げられる。
「!ちょ…屋根の上?!…え?縮んだ?」
手をつないでいるのは、半年前の、子供の姿だった。
「他の人にはバレないようにするけど、この姿に戻らなきゃだめな時もあると思うんだ。実際この姿の方が楽だから」
「それは、この姿が本当の姿って所?」
「うん。ごめんね。色々他の人と違うけど、大体これで全部かな。レンにはちゃんと言っておきたかったから」
レンはぎゅっと天音を抱きしめた。
「話してくれてありがとう。でも、無茶はしないでね」
「レンを悲しませる事はしない。約束するよ。一緒に幸せになりたいから」
私が望んだ幸せは、叶った。これからもきっとずっと幸せになる。レンが生きている限りはずっと一緒だからね!
最後まで読んで下さった方、評価して下さった方、ありがとうごさいました。
転生したらラスボスでした。ドラゴンだけどまったり暮らしたい。も、よろしくお願いします。
タイトル未定ですが、少女主人公の転生ファンタジーを連載予定です。よかったら読んで下さい。
もふもふと始める異世界物語です。よろしくお願いします。




