小鳥?のアクセサリー
去年の夏に約束していた風乗り鳥の羽根をやっと完成させたイリスは、3年生の教室を覗いた、が、そこにエリザベートの姿を見つけ、顔を引っ込めた
エリザベートはエンデの隣にいるレンに必死に話しかけているが、レンは上の空というか、相手にしていない。どうやら狐耳の女の子に勉強を教えているらしく、振り向きもしない
「あらイリス、どうしたの?」
「!あ…良かった。シスカさん。やっと完成したから、夏休み前に渡そうと思って」
「これなんだけど…アイゼルにセンス無いって言われちゃったから。効果は二割位、素早さが上がると思う」
「イリスらしくできてて、可愛いと思うわ。効果は自信ないの?」
「今は私の魔力に馴染んでいるから。持っていればそのうち馴染むとは思う」
「いきなり素早くなっちゃうよりはいいわよ。ありがとう、イリス」
エンデが通りがかりにそれを見る
「猫用のおもちゃか?」
「小鳥だよ!」
「あら、そうだったの?」
「うー。シスカさんは何に見えたの?」
「えっと…金魚?」
「おー、イリス。何やってんだ?…丸いモノ?おめー、丸いモノ好きだよな」
「入口で何やっているんだい?…君は」
レンが気にかけた事に気が付いたのか、エリザベートも近づいてくる
「お前、ここで何をしているの」
「友達に会いに来ただけ、です」
「お目汚しになるから出て行きなさい」
心底から蔑んだ目を向けられ、イリスは後ずさる
「じゃ、シスカさん、またね!」
「ちょっと…あーあ」
「お前も、元騎士の娘なら、付き合う相手は選ぶことね」
「そうね。可愛いくていい子のイリスは最高のお友達よ」
シスカはまるで取り合わず、エンデの方を向く
「エンデさんも、あの子と友達だったの?」
「いや…何度か話はしたが、別に」
「でもエンデは、イリス相手だと凄く自然に喋るよな?」
レンのからかいに、溜息をつく
「それは…自分でも分かりませんが、単に話し易いのでしょうか?」
「僕に聞いてる?」
「…済みません」
「別に、珍しいなって」
イリスったら、いつの間に。ま、らしいけど
…ちょっとだけ羨ましいな




