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奪われた侯爵令嬢は、蒼穹の騎士に求愛される――本当の奥様は、貴女じゃなくてわたしです!?――  作者: おうぎまちこ


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20/22

第20話 夫の様子が……




 太陽が中天を差す頃、庭で洗濯物を干していた時の出来事――。


 色とりどりの花々が輝き、むせ返る土の香りが鼻腔をくすぐる。


 わたしが本当のルヴィニ・メーロ侯爵令嬢だと判明した後、使用人仲間たちがこぞって謝罪に現れた。


「本当にごめんねルビー、ルヴィニ夫人に脅されてたせいで、あんたをかばってやれなくて……!」


「ごめんね、ルビー」


 職を失うと行くあてもない使用人だって多い。


「仕方ないわ、これからも皆で仲良くしましょう」 


 わたしが笑うと、皆もすごく幸せそうに笑ってくれた。


「あんた、本当は侯爵令嬢なんだろう? もう気軽にルビーなんて呼べないね」


「今まで通り、接してほしいな」


 そういうと、同い年ぐらいのメイドが幸せそうに笑った。

 メイド仲間の一人が「そういえば――!」と言って、話を切り出す。


「ルビーに気のある庭師がいたんだけど、あんたがアイゼン様の本当の奥さんだって言ったら、大層へこんでて――」



「――誰が、私の妻に気があるんだい?」



 背後から、爽やかな青年の声が聞こえた。

 洗濯物の陰から、青年の姿が現れる。


「アイゼン様――!」 


 メイド仲間たちが一斉に色めき立つ。

 鳶色の髪に水色の瞳をした美丈夫は、脇目も振らずに、わたしの元へと歩み寄ってきた。

 わたしの足元に跪いたアイゼン様は、さっと私の右手をとると、ちゅっと口づけを落とす。


「ルビー、会いたかった――僕の最愛の妻」


 メイド達がますます、きゃあきゃあと興奮して落ち着かなくなる。 

 そんな彼女達に向かって、彼は問いかけた。


「ねえ、皆、教えてほしい。ルビーのことを好きな男の人がいるのかな?」


 穏やな口調だが、彼の目は笑っていなかった。

 彼女たちは首をぶんぶんと振ると、一斉にどこかに去って行ったのだった。  


「どうして皆教えてくれなかったんだろうか――?」 


 困ったように言う彼を、わたしはこれまた困ったような調子で見る。


(無意識?)


 自覚がないのは大変だなと、そんなことをわたしはぼんやりと思った。


「ルビー」


 部屋にもどると、彼はわたしの身体をぎゅっと抱きしめてきた。


「あ、アイゼン様――?」


 かと思うと、唇の中に舌をねじこまれた。

 いつも几帳面な上に丁寧な彼にしては、性急な動作だったため戸惑ってしまう。

 舌が彼のそれに翻弄されていく。

 甘い痺れを感じながらも、いつもと違う彼の様子に、わたしは戸惑ってしまった。




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