表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼星のセレス  作者: おうぎまちこ
海の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/41

第22話 海を救うためなら

 昨日は寝落ちていて申し訳ありませんでした。




 兄が去った後を見送った後、セレスを虚無感が襲ってきた。

 もっと何か言い方があっただろうか。

 そもそも戦争が始まる前に、もっと手立てがあったのではないだろうか。

 アズライトを戦場に立たない様にするべきではないか。

 城でスピネルが暴走していた時に、兄をかばわなければ、そこで大怪我をして、戦争には来なくて良かったのではないか。


(いえ、あの時はあの時で、助けなければ、お兄様は死んでいました……)


 後悔がとめどなく彼女の中に去来していた。

 

 抱きかかえていたスピネルが、そっと目を開ける。


「セレス……?」


「良かった、スピネル、目を覚ましたんですね……」


 彼女は彼に声を掛ける。

 ちょうどセレスの頬を涙が伝い、スピネルの紅い瞳の近くに落ちていった。

 彼は彼女の方をぼんやりと見つめる。


「ごめんなさい、スピネル。私、お兄様の元に向かいます」


 そう言って、彼女は膝の上に乗っているスピネルの頭をのけて、地面に横たわらせようとしていると――。


「待って、セレス。僕も連れて行ってくれる?」


 彼は、そっとセレスの水色の長い髪を手にとった。

 彼女は戸惑う。

 とても彼は動けるような状況ではない。


「走っても追いつけないんじゃないかな? 君が協力してくれるなら、僕は動けるはずだから」


 少し困ったように、スピネルは微笑んでいる。

 これまでの数回で、なんとなくセレスにも彼が言いたいことが伝わった。

 なぜだかよく分からないけれど、彼女と口づけると、スピネルに魔力が戻る。

 なんとなく、こういうことは好きな者同士がする行為だと思っていたので、セレスとしても戸惑いはある。だが、もう今はそんなことを言っている場合ではない。

 セレスはスピネルの顔を両手で挟み込んだ。

 彼女が彼に顔を近づける。

 唇が触れる少し前に、彼が一言だけ、彼女にこう告げた。


「ごめんね」


――と。

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ