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蒼星のセレス  作者: おうぎまちこ
海の章

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第19話 空と闇、闇と海の取引

 こんばんは。

 今からすぐ投稿予定の拙作「癒し姫」の過去編1-3→本話→過去編1-4と読むと、流れが伝わりやすいかと思います。

 どうぞお試しを♪




 隣国オルビス・クラシオン王国には、『神器』と呼ばれる神の加護を受けた武器が三つ存在するそうだ。それぞれの武器は三人の守護者が居て、現在、国王と宰相補佐の立場にあたる人物が就いているらしい。

 剣の神器の使い手とされるのは、騎士になったばかりの青年が就いている。彼は、神器の守護者となってからまだ日が浅い。戦闘経験の少ない彼から神器を奪いたい、オルビスに勝てるかもしれない、この機を逃すまいと、帝国が圧力をかけてきた。オルビスは交渉に臨んだが、そもそも和解することなど考えてはおらず、スフェラとオルビスの戦争に至っている。


今回、スフェラ公国との戦闘に、剣の守護者ソル・ソラーレが参戦している。


彼を抑えることができれば、もしかしたら勝筋が見えて来る可能性があるという話だったが……。




※※※




 夜、森の一角に天幕を貼り、数名の騎士や魔術師達と共に、夜を明かすことになった。


「三十人近くで崖に追い詰めたのに、剣の守護者達三人が、スフェラの全ての戦士を倒してしまった?」


 兄アズライトからの報告に、セレスは驚きの声を上げる。

 彼女の隣に居たスピネルはうんざりした表情で、彼らのやり取りを見ていた。


「ああ、騎士達も、今いる中では強い人間達を送ったつもりだったんだがな……。もう山側はほとんどオルビス側に制圧されているようだ」


 アズライトは眉根を寄せて話していた。

 彼の後ろに立つ、鳶色の髪をした青年が「アズライト様、申し訳ございません」と声を掛けていた。彼は、兄の部下の一人のようだ。青年に呼ばれ、アズライトは天幕から出て行った。


 空間の中には、セレスとスピネルの二人になった。


 神器の力の凄まじさを知り、セレスは身震いをした。


(そんな恐ろしい武器の前では、どんなに強いお兄様でも殺されてしまうわ)


「女、何を考えている?」


 セレスはスピネルの方を見た。

 普段は穏やかな口調の彼だが、今の彼の口調は高圧的と言って差支えがない。

 貴方は誰かと一度だけセレスが尋ねたが、「この男の名で構わない」と言われ、結局真相は分からなかった。


(でも全く性格が違う。別々の人物として相手をした方が良い気がする)


「お兄様が殺されるのではないかと心配です」


 セレスは小さな声で答えた。

 そして懇願するように、スピネルに訴える。


「スピネルの魔術は強い。どうにかできませんか?」

 

 セレスも必死だった。

 しばしの沈黙が二人の間に降りた。

 スピネルがゆっくりと口を開いた。


「代償は?」


 代償と言う言葉にセレスはどきりとした。


「ああ、俺がただで応じるとでも?」


「払えるものは何も持って……」


 セレスが戸惑っていると、さらにスピネルが話を続けた。

 彼は彼女の髪を掴む。

 彼女は彼の行動にますます戸惑う。


「代償は――」




※※※




 セレスが眠ったのを見届けた後、天幕の中で、スピネルはアズライトと対峙していた。

 二人はしばらく会話をしていたようだった。


「俺も、あまり剣の神器には近づきたくない。何かあれば、自分とこの女の身の安全を優先するぞ。それで良いならば、多少は協力しても良い」


 スピネルの言葉に、アズライトがほっとした様子だった。


「本来ならば、貴方様が戦場に立つなどあってはならないことです。妹をどうぞよろしくお願い致します」


 アズライトの言葉に、心底うんざりした様子でスピネルが答えた。


「妹を売ってでも、国のためか。まあ良いさ――」




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