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転校したら馬組だった件  作者: トミロン
3/10

第3話 目指せ! 有馬記念!

「あぶない衣装も整った事だし、これから騎乗して訓練に入ろう」

「き、騎乗? 誰が騎乗するんですか?」

「御主人様に決まっておろうが」


「私、キスもまだなんですよ。それなのにいきなり騎乗だなんて!」

「安心しろ。キスをしながらでも騎乗はできる」


挿絵(By みてみん)


「私が騎乗しちゃってるーっ!」


「馬美君には年末の有馬記念を目指してもらう」


「有馬記念? あのファン投票で選ばれた馬だけが出場できる?」

「いかにも。1レースでの馬券の売り上げは世界記録になる、最高峰のレースだ」


「舞台は千葉県船橋市の中山競馬場ですよね。距離は2500メートルと長い。高低差も平地なのに5.3メートルありますよね」

「そうだ。体力がものを言う。おまけに冬の馬場は枯れ草だから重い」


「雌馬は冬場はホルモンの分泌が落ちるから、余計に不利ですよね」

 ここでもっともらしい解説が入る。



 有馬記念に出場した牝馬(ひんば)は今までで139頭。その内一着になったのは69回の開催でわずかに8頭。

 圧倒的な強さと人気で有馬に複数回出場した、ブエナビスタ、ダンスパートナー、ヒシアマゾン、エアグルーヴなどはいずれも一着にはなれず。

 

挿絵(By みてみん)

有馬には3回選出。内2回が2着!



挿絵(By みてみん)

有馬では残念ながら6着と14着。



挿絵(By みてみん)

有馬には3回選出。1994年の有馬ではナリタブライアンに敗れ惜しくも2着。



挿絵(By みてみん)

有馬には2回選出。3着となった。



「有馬を制した雌馬は数えるほどだ。だが安心しろ」


「御主人様、何か秘策でも?」

「俺様が冬でもホルモンを分泌させまくってやる!」


「ええっ、私、分泌しまくりの体になっちゃうの〜?」


 つづく

 ちなみに牝馬は装備などを2kg軽くするハンデが与えられているが、それでも有馬はなかなか勝てない。


 しかし2024年末の第69回有馬記念では美浦のレガレイラが優勝。

 優勝賞金は5億円。


挿絵(By みてみん)

有馬での馬上の重量は4歳以上の雄馬は58キロ。レガレイラは雌馬なのでマイナス2キロ、更に3歳馬なのでマイナス2キロ。合計54キロ。それでも今まで雌馬は勝てなかった。



 3歳牝馬の優勝は実に64年ぶり2頭目(1960年のスターロッチ以来)。歴代の牝馬優勝馬8頭の内、残り6頭は全て4〜6歳馬。


競走馬の全盛期は4〜5歳。

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