第2話 厩舎での生活
「さあ、厩舎に着いたぞ。ここで青春を謳歌してくれ」
とりあえず通されたのは厩舎の寝室。
「長旅で君も疲れているだろう。まずは骨休めをしてくれ」
さすが馬田馬美ちゃん。マニアックなグッズを知っている。
作者は知らなかったのでAmazonで検索。
ちなみに青山先生の主な著作は『Mの扉』。
『M字の扉』の方が開けたくなるかも……などと言うと若い読者様はドン引き。
「低温ろうそくはただのシャレだよ」
とご主人様。
「そんな事言って、私を手篭めにして、『手篭めはただのシャレだよ』とか言うんでしょ!」
「馬美ちゃんは考え過ぎだぞ。喉が渇いたろう。トマトジュースでも飲んでくれ」
「ありがとうございますご主人様」
よく見るとご主人様は手篭めのトマトジュースを飲んでいる。
「俺様のジュースを飲んで元気が出たろう。さあ、マスクを装着してみよう」
「馬は、横や後ろなどが見え過ぎてしまうから、正面だけに集中できる様にマスクを着けるんだ」
ご主人様はタンスにしまってあったマスクを探す。
ここはご主人様のセンスが問われる。かっこいいマスクを期待する馬美ちゃん。
しかし……
「お客さんが、君の体の正面だけに集中できるマスクだ」
こんな事もあろうかと、昨日のうちにムダ毛の処理を終えていた馬美ちゃん。
備えあれば憂い無しだ。
つづく




