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第04:WHO星系、大地へ

 

 ひとまず日本連邦陣営。

 スキルを取る事になり、判明したのが愕然、たったの三個しかない、しかも救済用の一個は何処にもない、また老人達が一枚上手だったらしい。

 誰もが舌打ちするのは言うまでもない。

 分ける事にもなり、戦闘系、生産系、官僚にも成れる事務系、この三つは基本中の基本だとスキル学のを学ぶ者が主張し、どんな事が有っても最低は必要だった。

 数字が符合する、たった三個、必要なのは三個。

 再び舌打ちが広がる。

 しかしスキル学を学ぶ者はしっかりと裏情報を提供した。

 戦闘系の基本的な物は特化型、特化する事で性能を上げるもの、この中で異彩を放つ武器という汎用性のみに特化したスキルもあり、生産に関しても似た様なスキルである研究というものがある、事務系は一個なのだが、これ一つで事務処理能力が50%マシになる極めて有効なスキルの一つなのだ。

 直ぐには取らずまずは試し、これには復讐の誓いを立てたアルトが行った。

 各種の検査結果、一切の変化はない、この運営は名前こそ違うがレドの義理の兄の開発者率いる会社の名前で、地球人をメモ帳と呼んだ男だ。

 色々とあれではあるが、日本連邦陣営は全員が取得した。

 この情報は策謀家の文章により通知された。


 日本連邦陣営は動き出した。

 忍者達が先頭になり、各種トラップが確認された星に下りる為に通路に入る。

 ここで飛行団と潜水団の工兵たちが動く、トラップを徹底して破壊し始めた。手榴弾での爆破である。


「景気が好いね」

「若、一つ試したいことが」

「おう許可するぜ」


 フェザートルクの青年が、得意とするスペルを詠唱し、軽く爆撃を行う。

 数十mにわたる爆発、残ったのは燃えカス一つない通路だ。

 一同がどよめく。


「中々威力は劣りますか、くそ老犬が」


 クールな顔であるが内心は怒り心頭らしい、飛行団の若手№2も各種スペルを試し、徹底した破壊が起きる、その全てが一つ一つの起点であり複雑に絡み、得意とする空間圧殺のスペルは使わなかった。


「やはり警戒されていましたか」

「恐らくな、まあ家らのキャスターはひとまず休みだ。壊れてもよい手榴弾での破壊工作と行こう」

「ん、少し待つ」

「なんだ海」

「ここはゲームなのに使える」

「ああ疑問だろ?」

「とても」

「多分仕掛け人はスペルが必要になる状況を想定しているって訳、それもどうしても必要になるようにした、しかし一つだけミスを犯したのが、星守りの必殺技の方だ。これだけは警戒した」

「圧殺系は不能ですね、残念です」

「そう言えばクーも使えたな」

「はい」

「若、銃はありますか?」

「あああるが、単なるハンドガンだぜ」

「・・・それはリボルバーですか?」

「ああ少なくても見た目は」

「何故のデータが重くなる火薬を使うのでしょう、適当なぼかしならオートを使えばいい、手抜きならエネルギーにすればいい、何かと面倒な実弾のリボルバーを選ぶ理由はない」

「何かあるな」

「実弾系を使うしかない状況があり得ます」

「まあ初期からオートは確かに行きすぎだ」

「どういう意味です?」

「レドは生粋のゲームオタクだ。ゲームバランスを崩すのは大嫌いって訳だ」

「オートだとゲームのバランスを崩す恐れ?」

「リボルバーだと装填に時間がかかる、オートだとマガジンの一括だ。当然の様な効率の点から言えば圧倒的にオートだ。しかも楽だしな」

「・・・嫌がらせですか」

「色々と絡んでいる、実弾系の者が喜ぶような絡み、旧兵器関係かな」

「我々へのイメージアップですか、邪魔臭い」

「単純な見方だと地球の政治状況から利害まで全部絡んでいる。それでも幸せな見方をした場合となるがな」

「不幸にチップします」

「賭けにならないな、おし破壊活動開始」

「徹底的に破壊しろ」


 工兵たちが嬉しそうに破壊活動、あるのはグレネードの雨あられ、トラップ解除なんて誰も考えない、破壊し通る道を作る。

 日本連邦陣営は喝采であった。

 通る中、一体のロボットが現れる、誰もがまずは観察。

 極普通の機甲兵、操縦するのは無人機の印、しかも安全マークの付いた対レド同盟の製品だ。一部の無人機嫌いは直ぐに破壊しようするが、羽交い絞めにされて止められた。


「これはまた珍しい、EU製ですか、何やら面白い事になりそうです」

「EU?」

「対レド同盟初期にあった共同欧州です。現在の欧州統合体の母体です」

「なるほどね。道理で戦闘記録に無い筈だ」

「ええさらに珍しい事にこれは格闘用です。奪って使ってみるのもよいですね」

「いや破壊しよう、こんな玩具に頼る必要もない」

「確かに」


 短く唱えられたスペルによりロボットの関節各色が激しく炎上し、間接をそのまま溶解させ切断し破壊した。

 星守りが観察した結果、やはり格闘用らしく関節部が脆い、可動域の増加は装甲の低下、どうしても避けられない宿命だ。

 次に現れたのが射撃型、ただ性能がそれ程に良くない為に歩兵達によって防がれる、スヘルを唱え、放ったことにより、現れた一つの雷球が貫いで破壊する。


「脆い、これはもう十分なデータです進みましょう」

「気に食わん、何故単機だ。無人機大好きな大群ではない」

「恐らく足止め用に使うのでしょう、それだけ行かせたくない物が有ると言った所でしょうか」

「なるほどなぁ、一応用心はしておくか、二世いるか?」


 呼ばれた飛行騎兵の隊長、アルトの幼馴染の一人だ。

 額に角のある混血児、コーンスと東欧人との間に生まれた少年だ。


「どうしたよ?」

「暇だろ」

「暇って言うか、色々と有るんだぜ?」

「自慢の槍が使えるか」

「あ~それがな、ない、単なる木の槍だ、リサイクルには使えるかも知れないが」

「おいおい用意周到がお前信条だろ」

「ないんだなそれがまた、操縦兵達では話にならないし、俺達も天騎がないと辛いぜ」

「分かった、ただ盾の用意しておいてくれ」

「・・・なるほど確かに使い捨てなら経費は考えなくてもいいな」

「有っただろ?」

「ああ豪勢だ。大盤振る舞いって言うのかね。しっかりと用意しておく」

「おう」


 ふと思い出し。


「サツキいるか?」

「後ろにいるわよ」

「機械には詳しいか」

「12まではいたからそれなりに詳しいけど」

「ちと残骸を見てくれ」

「壊れているのよね?」

「確認しておきます、アーム、少し来てください」


 機甲兵を操縦する操縦士たちの隊長を呼ぶ、機械にとても詳しい少年だ。


「壊したな、また」

「そう言う仕事なのです」

「直せってか?」

「いえ、調べましょう」

「工具の一つでもあれば楽だが、こいつは困るな、しかもこいつはEU系だ内部は知らないが、どう見ても格闘型なら出力強化を行うから重いしな、軽い軽装甲なんて考えるトチ狂った馬鹿がいれば楽だが、欧州は厳しい」

「彼方は確実好きですからね」

「そういう事だ。まっ調べてみるか」


 二人が調べ出し、装甲が重いらしく中々上手く行かない、間接なども破壊されたこともあって軽くなった方でも難しい、本来は重機の出番だ。

 スペルで切断し、内部を見る。


「こいつはまた驚くな」

「弄られているのですか?」

「いやあり得ない、バカバカしいほど精密だ。一切の変更がない、バランス的に見ても十分なレベルだし、配線の厚みもやはり規格内だ。各所のパーツを調べたいが」

「無理ですね」

「もったいない、こんな純性パーツは永遠に手に入らんぞ」

「ここはゲーム内部です」

「ゲーム、ああそうだった。しかしいい腕前だ。ここまでの再現の細かさには驚いた」

「なるほど、再現ですか」

「ああ。恐らくだが100%を再現している」

「驚異的ですか?」

「あり得ない、何せそこまでする技術者がいない、いや出来る技術者がいない」

「…それは不味いですね。もう十分です」

「ああ」

「若、無視して進みましょう、運が悪ければ我々は酸欠で全滅です」


 星守りの言葉に、全員の呼吸が止まる、アルトは観測していた時間から老人方の用意周到さには呆れ、思い悩してから頷いて進み出した。


「ただトラップは破壊するしかありません、時間を掛ければ我々は大所帯、ならは短時間の方がかえって効率が良いでしょう、その方が時間的にもよいですし」

「おう」

「であたしは」

「多分、WHOには無人兵器の工房はありますか?」

「あるわよ。でもああいう所って基本的にダンジョンで、あたしも中々入れなかったのよね」

「なるほど、そう言う物が有りましたか、恐らく」


 星守が指さし、その方向には通路が広がり、最も深い場所には見覚えのある印がある。


「なんでこんなところに、機工士の強化マークが」

「機工士?」

「機械工作師の略称よ、機械を製作する人々ね。主に刀京にある、でもその中でも危険な物を扱うマークの強化が有るのよ」

「意味するのは性能向上ですか?」

「そう言う可愛いレベルじゃないわ。強化型の意味よ。全性能の一ランク上昇の時に使う、フルチェーンのマークよ」

「フルチェーン?そんな全くの別物ではないのですか?」

「ええ、だからダンジョンで見かけたら、まず入らないわ」

「・・・不味いです。このままでは酸欠、それ以上に水がない」

「破壊するしかないって奴ね」

「楽に言いますね」

「いや簡単だ。盾があるからな、騎兵達が準備はしている」

「盾?なぜあれが」

「分からん、必要だった、その状況にいるらしい」

「なるほど、これは厳しくなりそうです」

「たてって危険な武器なの?」

「飛行団の誇る最強の武器の一つだ」

「大丈夫なの、ここって宇宙空間のようだけど」

「かといっても他に手立てがない、という訳で進軍」


 現れる一般エネミーはスペルによって破壊され、進軍の邪魔なので星守りが更に破壊し吹き飛ばしていた。呆れる様な精神力を誇る青年だとしか思えないサツキだった。

 最深部の前に来る、アルトの手信号で騎兵達が盾を持って並ぶ。


「キャスター、破壊準備です」


 星守りの言葉に、キャスターの隊長の零が頷いてから詠唱準備に入る。


「どれ程強靭なものか、試させてもらいましょうまずはLv1」


 短い詠唱で発動されたスペルにより、炎、氷、雷、風等々、数多くのスペルの力がぶつかる、だが壊れなかった。


「Lv2と樹順に」

「了解」


 短い詠唱と共に発動したスペルが次々とぶつかり、破壊の嵐となった壁を叩く、スペルのエネルギーにより壁は次第に崩れていく、騎兵達の隊長は顔を引き締めて盾を構える。

 壁が突如崩れ、更にキャスター達の破壊が強まり、歩兵達が武器を構えて騎兵達の両脇を固めていた、長い渋滞のようではあるが、広大な通路の為にかなりの数が入る。

 内部より現れた一体の機甲兵、カニのような外見の機甲兵に、盾よりエネルギーが放射される、貫かれた装甲が直ぐにパージされ、絶え間ない盾からのエネルギーの放射に、カニは耐えられずに飛び跳ねて避けようと回避行動に出る。

 そこにキャスターたちのスペルが直撃し吹き飛び、更に放射を繰り返し、次第にエネルギーが切れた盾を捨て、後列と交代し放射を繰り返した。

 完全に破壊されたことを確認し、状況把握後に、アルトがサツキを見て話す。


「見覚えがあるか?」

「ええ。こいつは刀京の近くにあるダンジョンの賞金エネミーよ。随分とチェーンされているけど間違いないわ。カニの様な変てこ賞金首と言えばこいつだけだもの」


 かなり特異なデザインの機甲兵ではあったが、カニの賞金首はコツだけと聞いて微妙に不思議に思う、当然の疑問が出た。


「エネミーの新兵器開発か?」

「分からないわよ。ここってダンジョンなの?」

「あ~それはまあ近い様な、まあスターいるか、ちと調べてくれ」


 後ろから声が聞こえ、忍者達が調べ出した。

 若い忍者達の№2が来る、アバターネームは風鈴、忍者らしくやはり女の子である。


「空若、適当に星に運んでよ」

「常々思うが、俺らは宇宙は専門外だ」

「空若パワーで」

「無理~」

「ああ無理か、凄く面倒、トラップはないみたい、けどっすよ色々と物騒なものがごろごろ、機甲兵を借りたいっす」

「操縦兵な、アーム」

「忍者は好きじゃないんだよ、まあ行くけど」

「おっすアームお久」

「おう女ばっか」


 ちなみに忍者の男女比率は9:1の圧倒的に女性、この理由は侍に集中するからで、忍者の男性たちは肩身がとても狭いのも仕方がない。

 ここでサツキがふと疑問から口にした。


「ねえアルト」

「ん?」

「最初にあった時に自己紹介したわよね」

「必要だったからな」

「誰の為にあたし?」

「サツキと姫とワイバーンだ。俺とスターは顔見知りだ。忍者頭領の娘と飛行団長の息子なら知り合いの方が普通だろ」

「そう、でもなんで姫は何も知らないのよ。半分なんでしょ?」

「複雑な家庭の事情だ」

「そっか、まっ日本の事もあるし、借りを返して」

「藪蛇かよ。まあ有名なんだけどな、というか日本連邦が圧倒的主流派の一夫多妻なんだ」

「・・・へー」

「忍者を見ろよ、男なんてほんの僅かだ」

「・・なんで少ないのよ?」

「そう言う社会の構図だ。男は少数派なんだ。長年の戦争で男が多く死んだから、現代じゃあ男性社会なのは極一部って訳だ」

「それで半分なのね。半分を分けた間柄って」

「親父も色々と有ったらしい、何せ戦争の絵に描かれるような英雄だ。まあそれ以外もな」

「いい所の家庭も大変ね」

「いい所っか、お前みたいなのが多ければ平和なんだがな」

「そう?」

「ああ。少なくても人って感じがするからな」

「そうなのかしらね」

「俺達は戦争の中で学んだ生まれた頃より教育する方針、これによって人間性の発達がな、余り上手く行かないんだ」

「あら、みんな人よ」

「今はな」

「じゃ幼いと」

「大きいらしい、殆ど人形のようになる奴も多い、この為にゲームで免疫をつけるのだ」

「難しいわね人って」

「そうなるな」


 会話は途切れ、調べていた忍者達とアームが帰還してくる。

 近くにスターとアームが歩み寄る。


「工房だった場所というべきか、アームよりは」


 スターのクールな感情を含まない声が流れた。

 促されアームの方も説明する。


「手短に言えば専門外だ。理由は行き止まり過ぎる」


 操縦兵達の隊長もさすがにお手上げらしい、ここでサツキが声を出した。


「あたしが見た方がいい?」


 これに一同は頷く、スターが護衛し、調べると幾つかの見慣れたトラップを手順よく解除し鍵を開けて道を開ける。

 スターも感心する様な物でつい褒める。


「素晴らしいぞサツキ」


 こんなスターにサツキは軽く微笑し、話した。


「どういたしまして」


 進み出す日本連邦側、幾つかのトラップもサツキが解除して道を作り、誰もがトラップが鍵となるとは思ってもいなかったために意表がつかれた様なものだ。

 白い空間の通路が続く中、サツキとスターが先頭になり、道を作る。

 最後のトラップを作動させ、巨大な転送装置が設置されたフロアに出る。

 スターが近くの風鈴に伝える。


「他に報せよ」

「了解、二代」


 風鈴が忍者達を率いて報せに行く。

 サツキが珍し気に転送装置を見る。


「凄いわね。ここまで巨大な転送装置も珍しいのよ?」

「WHOにはあるのか?」

「結構あるわよ」

「どこに?」

「長距離移動用の転送殿やダンジョンね」

「なるほど、一応確認だが、罠の可能性は?」

「ないのじゃない、転送装置のトラップって聞いた事がないのよ?歴史の中で一度も発見された事のないトラップを警戒するのはあまり利口じゃないわ」

「言えているな」


 会話の途中で日本連邦側の首脳陣の若者が集まる。

 ストレスから解放した冥夜の顔色もよく、十兵衛と悪童が傍にいる。

 他の者もいるが、こんな目に遭わせた老人達を許す寛容な者は皆無だ。


「転送装置か。ここまで巨大なものは目を疑うな。写真でも撮りたいが」

「カメラがありません」

「スクショも取れないしね。これは渋滞も解消されるよ」


 三者三様でもあったが、既に空気扱いの姫は半分の傍にいて、やっと地上に降りる事が出来るとホッとしていた。ここに冥夜が命じる。


「まずは調査隊だ。幾つかのチームを構成しよう」

「どの様に帰還するかは謎ですぞ?」

「アルト、何かないかな」


 先輩の悪童に言われ、アルトは思案してから星守りを見る。


「構成しましょう。飛行スキルがあればよいのですが、贅沢は言えませんね」


 歩兵、キャスター、騎兵、操縦兵、工兵より腕利きのみで構成したチームを編成し、こういう場合の指揮官訓練を受けたものに指揮権を与える。

 さすがに緊張するなというのは無理で、微かな緊張感と共にそれぞれ武器と共に転送装置に入る、待機していたサツキに、アルトが頷いて作動させる。

 一瞬で消えた偵察チーム、暫くすると現れる。

 星守りが報告を受け、何度か確認してから苦笑して、アルトに報告した。


「見ての通り使えますが、現れた場所が大草原だそうです」

「大草原?」

「確認しましたが水平線は見えず、地平線の先まで草原です。木も水もないそうです」

「・・・クソッタレが」

「ですが、調べれば何か分かるかも知れませんひとまずは下りましょう」

「おし飛行団は下りるぞ。サツキ合流してくれ」


 サツキに呼びかけて合流し、薬師達が飛行団総員を確認し、転送させる。

 現れたのは見渡す限りの大草原、視界にあるのは草と土、木の水の一つもない、食べられるエネミーすら見えない。


「離れた場所で休もう、警戒は怠るな」


 移動する、日本連邦の総人口は2400万、内10代は240万名、この中で地上・潜水・飛行の比率から言えば5:3:2という地上が最多、次に潜水、最後に飛行だ。

 精々48万名という人数があるが、歩兵・キャスター・騎兵・操縦兵・工兵の戦闘担当ゃが半分の24万名、非戦闘員の技術者たちが24万名だ。

 これだけの人口にもなると、維持するのも悩みである、休めば一つの民族のようなもので、これだけの数が地球人の一部、宇宙全体となれば気の遠くなるような問題が起きる。

 生きるのなら水も飲むし腹も減る、当然出す物も出すし、溜まる物も溜まる。

 考えただけでも悪夢のような事を押し付けられた若者たちの首脳部が、復讐を考えるも無理はない。


「頼みはサツキか」

「場所は大体わかるわ。恐らく狂都の近くね」

「なんで日本の」

「あれは京、ここの狂都は狂った都」

「いやな名前だな」

「凄い大都市よ。人口も一つの都としては大きい地上に10万名、地下に100万名って感じよ、地上は10万都市、地下は100万都市」

「へー。もしかして知り合いとかいるか?」

「いても頼らないわよ。こんな大所帯の面倒は無理に決まっているでしょう」

「ですよね」

「代表の性格は日本人気質ね。日本の侍の頭領と似ているわ。余裕があれば助けるが、なければ切り捨てる、そう言う人よ」

「厳しいものだな。ひとまず交渉は可能なら良いが、こんな大移動ならまず無理だな」

「ええ。正気じゃない人口増加よ」

「せめて場所に一つでも借りれれば」

「ある程度は可能よ」

「なんでだよ?」

「狂都の周辺は変なエネミーが多いのよ。具体的に言うと移動町とか、タウンシップとか、特にも角にも巨大な町がそのまま収納できるような、そんな乗り物のエネミーが一般的なの」

「脅すなよ!」

「本当って!」

「好い話です。奪って使いましょう。ありがとうございますサツキ」

「星守りも好い性格をしているわね」

「それ程でもありません。では」

「ああ。贅沢は言えん」

「後、この変てこエネミーは変なパターンが有るわ。中には宝箱ぎっしり、中にはエネミーぎっしり、中には整地された土地、一つ一つが特徴があるの、それも普通は考えられないようなものが多いわ。中にはそっくりそのままの、町があるのもあるのだから、変てこなの」

「素晴らしい、ここはお宝です」

「変わった人ね」


 各指揮官達を呼んでの作戦会議、サツキが説明し、画家達が何とか図柄を整えて一つ当たりが最低1km、最大は20kmもある巨大なエネミーもいる、大きいのにもほどがあるような巨大生物の場所らしく、基本的にこんな奴らと戦うのは正気じゃない、だから狂都というのだから言い得て妙であるとアルトには思えてならない。


 □


 運良く見つかった亡骸、近くには巨大なエネミーの群れ、10kmはある巨大なタウンシップの群れだ。

 当然にこっそりと上陸し、内部より乗り物の制御室を乗っ取り奪取、扱い方も習い、分かれば容易い物で、このやり方で奪取し、艦隊を結成した。

 群れだったために互換性があり、運が良かった事もあるが、森が大半を占めるものの、比較的バランスの良い居住環境のタウンシップだったし、エネミーも現れない。

 戦闘担当は休み、非戦闘員の技術者たちが嬉しそうに改造を開始する。

 全員の感想を言えばこれは非常に便利な乗り物と言えた。


「おしこのままここを町に改造するぞ」

「は?いえすでに」

「艦隊ごと町にして、ここをキャンプとする、つまり日本連邦側の町にするのだ。ここ全域な」

「なるほど、艦隊だからこそ取りうる手段ですか、何やら揉め事になりかねませんよ」

「そん時は移動する」

「それなら可能でしょう。まずはお休みください、サツキもご苦労様でした」

「こう言うのもなんだけど、お腹が」

「了解しました」


 色々と有って発見されたタウンシップの群れを乗っ取り、このまま町として機能させることが決定し、ひとまずは根を下ろした。

 他の所も誘導されて日本連邦側が集まる、名前に関しては1号区画、2号区画と味気ないが、地域住民の愛称募集となり、小さな国となった。

 そんな訳で、サツキの人気は壮絶なものになりつつあった。


 □PO2日目、日本連邦陣営艦隊首都『鎌倉』


 非戦闘員の技術者たちが徹底的に改造した鎌倉、10体の移動可能なタウンシップと、幾つかの亡骸によって構成される巨大な町、10歳から19歳までの少年少女が暮らすが、幾つかの判明した事から色々な問題が解決した、まず肝心な性欲が起きない男性的な欲求が一切起きない事が判明し、男性達はホッとしていた、下手な事があれば少数派なので色々と辛いのだ。女性側もホッとしていた問題が起きてからでは遅いのだ。

 次に排泄衝動がなく、汗の機能は有ったが中々起きなくなった、色々な問題が解決する中、一番の問題は水であるが、現在の所は必要水量は減少し、これに合わせて様々な問題が解決した。


 朝方、飛行団に当てられた2号区画の中央に作られた家、部屋は幾つかあり、アルトと姫が暮らすのは勿論、一緒に住むと何かと都合の良いサツキも住むので、最も最初に作られた基本的なモデルとなった。

 ちなみにサツキは家事万能、何でも出来るので料理を担当してもらい、嬉しそうに調理していた、ただ木製の家には姫もいるので、こちらは色々な感情に苛まれ、主に劣等感であるが、女子力に劣り過ぎる姫の顔は暗い。

 何せ卵の割方に四苦八苦するのが姫だ、アルトが何も言わずサツキに任すのも姫本人ですら頷けた。

 そんな片割れの顔に書いてある内容から、アルトはフォローの言葉を出した。


「これから覚えていこう」

「・・・まずはそこからですね」


 暗い顔が一層暗くなった。

 姫の本心から言えば勝てる所が一切ない、そしてサツキの戦闘能力は本物、色々な事に詳しく、女子力も最高峰、顔は綺麗、スタイル抜群、対する自分は・・・、勝ち目のない戦いであった。


「負けない、負けません」


 唯一の己の心を奮い立たせる。

 半分の片割れからすれば勝ち目というべきか、根本的な物がないのだがとは言わなかった。それは姫がこれで少しマシになってくれればという本心からだ。

 出来た上がった料理はオムレツ、見るからに美味しそうなオムレツ、姫は泣いた。

 そんな姫にサツキは笑うべきか、励ますべきか軽く悩んでから食べ始める。


「美味いな、なんで調味料もないのに」

「コツがあるのよ。家の秘伝のね」

「なら聞かないでおく」

「そうしてちょうだい」


 姫は泣きながら食べた、美味しいというレベルではなく、店で食べるような味わいに塩辛くなっていた。

 そんな朝食だった。アルト以外は知る由もない数多い問題かある食事としても、二人には理解に及ばないものであることはアルトには分かっていた。守るためにカードを切る事も必要になった事を意味する。


 □


 朝食後、今後の方針会議、最初には飛行団、今回は姫にも強制的に出てもらいたっぷりと時間を掛けて教育する方針が既に決定されていた。

 内容は現在の二号区画で手に入る素材、主に森の恵みと多少の動物、肝心の魚がないのが全員の共通した不満、小魚の一つもない泉と川しかない、幸い川エビ、淡水のカニがいる程度だ。貝の多少も取れることから取り過ぎないようにすることが既に共通した内容だ。

 色々と出来ない姫、学校で習った知識をフル回転させて必死に食らいついた。

 そんな姫に、幹部達は内心喜んで、応援していた。

 何せ多少の差は有っても幼い頃から一緒の面々だ、情の一つぐらいは沸くものだ。

 一つ確かにな事は、全員の共通した認識の小さな幼い姫というものから変わりつつあった。飛行団のアイドルのようなものそれが姫だった。


 とある問題から説明。

 何せ姫は、容姿は清楚な美少女、訓練内容な巫女、飛行団団長の娘、純白の翼、これでもかという位の天性のものに恵まれたのが姫なのだ。

 そんな姫ではあるが、女子としてのスキルは皆無、自炊能力すらない、裁縫は出来ない、まともに買い物が出来るのかも不思議、学校の成績はまずまず、戦巫女の方は上位、お家の仕事経験皆無、能力的な面からすれば極普通の運動好きの女の子でもあった。

 素質と能力の不一致、これが姫への基本的な評価だ。

 色々と恵まれない側からすれば言いたいこともあるが、性格の方は割と良かったりする、まず真面目、優しい、潔癖な所もあるが、別に察せない訳ではない、想像力は程々にあり別に逞しい訳ではない、普通の容姿の普通の家庭なら幸せな女の子を絵にかいたような性格、しかし生まれたのはアルトの半分、普通の家庭なら幸せでも何も問題はなかった。

 飛行団団長の娘、当然のように期待を一身に受けている、普通の女の子なら投げ出してしまうのが当たり前のような重荷を幾重にも持つ。

 素質は最高峰、能力は普通、性格は基本的に善良な普通、普通の家庭なら幸せ一直線、しかし生まれが悪かった。

 戦争が終わっても何処もそれを信じていない冷戦が長年続く、国境では常に武力衝突の小競り合い、いつ不満が爆発し反乱がおきても不思議ではない国もある。

 平和な国の平和な時代の平和な一般家庭ならよかった。

 日本連邦の空を統べる飛行団の長の元に生まれた。普通の女の子なら当に昔に逃げ出すのが当たり前と言っても過言ではない事の数々がある。

 だが姫は愚痴の一つも弱音の一つも言わずに逃げ出さなかった。

 普通の女の子にこれをやってくれと頼んでもまず無理だ。

 それを14年間続けた。

 中には妙な事を考える者も確かに居たし、男性も女性にもいた、その理由は色々と有るが、アルトを手に入れるために排斥しようとした者もいる一方で、こんな家庭に居れば不幸になると強く主張する善良な者もいた、後者の方が圧倒的な数だ。

 自制心が抑えきれなかった者もいる、要するに惚れてしまってどうにかしようと考える者が、男女共に居たのだ。

 容姿と性格もあり年齢の成長もあって次第に開花し始める、どこもかしこもこれは不味いと判断していた、少しでも色香の扱いを学べばどうなるか分かったものではない。

 そんな片割れをどうにかしようとしてもアルトは決して許さない、色々な者がアルトと敵対し、結果的に敗北し、多くがこの世を去った。中には幸運な者もいて追放で済んだ者もいる。それ程の素質の恵まれたのがこの姫というまだ少女の14歳だ。


 同じく14歳のアルトの性格は、基本的にオタク文化好きな普通の少年のようではあるが、長年の星渡見習い、各所との調整や交渉などのお家の仕事、最初は確かに下手であったが、経験から直ぐに学び、これを効率化し、学習し、次第に頭角を現した。

 今では飛行団の若者を束ねるのは、偏にこのアルトによるものが遥かに強い。

 父親もこれは認め、若者の事はアルトに任せてあるし、大人の事にもアルトの能力もあって渋りはするが力は貸し、素質に恵まれない、翼もない、そんなアルトの能力の評価は非凡だった。幼い少年ではあるが、長の息子というより長より優れた所も多い出来た息子であった。

 特に個人的な戦闘能力は非凡、今までの実戦経験から負傷の一つをする事すら稀。

 武器なら何でも扱える才能、どの武器の知識も豊富であり、父親はこれを非常に愛した。

 侍としての能力は、侍の長すらも味方に付くほどに優れていた。

 実戦の戦いにおいても、父親の教えもあり、12歳の時にはもう軍師は要らなかった。

 素質にも、翼もない、生まれた頃は出来損ないと呼ばれたアルトは、13歳の時には父親の代理を行う事が増えた、アルトの能力を警戒し、警告代わりに暗殺しようした一派に対し、苛烈な行いをした一方で、個人の事情によっては追放で済ました。

 数多い戦いの中で、飛行団の空若の名前はよく知られるようになった。

 アルトの人事もやはり長の家庭に恵まれたものであった、優れた人事登用で10歳の頃に功績やら能力やらからの一大改革を行い、飛行団内部の不満をなくした。

 これには飛行団の長老たちもアルトに一目置いた。

 素質はない、翼もない、容姿も普通、能力は非凡、性格はゲーム好きやらオタク文化好き所は確かにあるが、色々と見た評価は敵を除けば良好だった。敵からすれば最悪の様な奴がアルトとしても、味方にとってみれば良好だった。

 異邦の戦士たちの騎士団との協調もあり、アルトの提案した数多い支援により騎士団は飛行団と唯一の盟約を結ぶ、潜水団もこれには同調し、少数派会議も行われ、各所での世代交代も行われ始める。

 よく暗躍する騎士団ではあるが、飛行団には手を出さない、盟約よりも空への干渉を嫌った方針もあって、これは長年続く。

 そんなアルトは国外にも影響力が強い、あちらこちらを旅して色々な所に顔が利き、便宜を図る各所も多く、それは国内より国外の方がやや多かった。

 星渡としても長年の見習いもあり、異星の事を話すアルトの話を子供達はよく聞いた。

 異星の友人も多く、その多くが星渡達であった。

 だがアルトには翼はなかった、スキル無しでは空を飛べない、乗り物に乗らなければ飛べない、これはどうしても変わる事はなかった。

 対して素質に優れた姫、純白の翼があった。

 アルトの渇望した物を持つ姫、しかしこれは永遠に与えられない物であった。

 仲が最悪にならない方に賭けない者は皆無のような環境、それでも二人の仲は良好であった、よくアルトは言う、姫も言う、半分だと、二つを足して一つなのだと。

 しかし次第に開花し始める姫、それが良い方向に進むようにどうにかするしかないのだ。

 その舵取りを行うのがアルトなのだ。


 素質に恵まれた普通の女の子、素質に恵まれなかった非凡な男の子の生活にも一つの変化が現れた。

 サツキである。

 こんなアルトが極めて異例な事に受け入れた。

 その理由を聞かない奴が居たら、脳ミソに何かを突っ込んだ方が遥かに理性的だ。

 しかもサツキは女性、また少女だ。

 容姿は確かに綺麗ではあるし、スタイルもよいそれは別にどうでもよい、こんなアルトがそんな物に動く様な性格ではない。

 飛行団の指揮官達の実働の方は殆どが男性、その理由は実戦経験が非常に豊富な猛者揃いだからだ。

 その結果飛行団の男性の中でも指揮官や隊長になれたものは恩恵もあるが、能力が非凡揃いだった。何せ生きるために必死な時代の中、生き抜いて耐え抜いて生き残った猛者たちだ。

 これを子供に言うのは非常に酷を通り越し不可能だった。


 特にアルトの人事の方針は能力と人格やらのバランス、能力と人格の二つから選ぶ、その理由は能力が有っても人格が伴わなければ何れは裏切る、人格が有っても能力が無ければ利用される。子供らしい無邪気さの一つもない徹底した現実であった。

 戦闘部隊の指揮官の中間層には女性も多いが、男性と比べたら5:5位の半分、この為に不満が殆どない、隊長に関してはやはり生え抜きの叩き上げが占める。

 この為に飛行団の基本的な理念は男女平等が徹底された。

 影響が多い若者たちもこれを受け、試行錯誤を行うも、有名な若様人事が起きた。

 飛行団の若者たちを調べ、能力と人格によりバランスのとれた人事による統一を行う。

 言うのが易し、行うが難し、様々な障害の中、若様の行動力はずば抜けていた。

 必要な者を全て自分で頭を下げて口説き落として据えた。

 大人も口出しできない、徹底的な論理武装も終えていたのが、恐ろしい所だった。また電撃的な事だったので、長老たちですら動けずにいた。

 異例中の異例ばかりの事ばかりの人事でもあった。

 まず№2、問題しかない純血の異星人、優秀なスペルを操れる優れたキャスター、頭脳は明晰、気も利く、能力・人格共に最高峰、だが純血の異星人、反対しない者が居たら左遷される様なもので、若様は徹底した反対する各所を今まで貯めていたカートを切って脅した。実にスマートなやり方で全てを行っていた。

 星守りも渋らない筈がないが、頭を何度も下げて口説き落として据えた。

 星守りの家族やら周りやらの説得も行い、外堀から何までを全て埋めていた。

 この星守りも若様には呆れるが、仕方ないので行動を起こす、プレイヤーであり最高峰のスペルの扱える、複数の系統まで修めた飛行団随一のスペルマスターをスカウトした。

 反対しかなかったが、子守りを頼みますと言って説得し、これには本人は仕方がないと言って納得し応じた。今の№3の零だ。

 歩兵隊長の疾風、元忍者の家系の者だ。問題しかない外部の者をスカウトした。

 星守り同様の外堀は全て埋めていた。

 騎兵隊長の二世、エリートの少年は何処も反対しなかったが、両親が猛反対した。

 子供に過酷な軍人は無理、どこからの干渉すらも激怒し守ろうとした。

 この両親を何度も説得し、息子の能力も詳しく説明し、その成長性や必要性や組織的な合理性まで説明し、徹底的に説得した。

 二世としても話を聞いていればこれならと頷きかける事も多かったが、両親は絶対に許さなかった、ありとあらゆることをした守ろうとする両親に、若様は切り札を切る。

 実を言うと父親の方は14歳で初陣し、翌年には騎士団長にもなった武人中の武人だ。

 対して二世の年齢は若様と同じ、追い込まれた父親は、妻に望みを託した。

 若様の切り札其の2、奥さんの家系を徹底的に調べ上げ、その関係まで調べ提供した。

 東欧出身の奥さんは愕然とした、調べるはずないではなく無理な筈だったものを全て調べていた。その熱意に打たれ折れた。

 機甲兵達の隊長のアーム、実を言うと操縦よりも整備の方だった。

 反対しかないが、若様の行動力は斜めをいった、現在の機甲兵達の長に直接乗り込んで説得した。これには長も納得し妨害を禁じた。

 アームとしても別にいいが、俺は整備士なんだがと言っても若様は全部調べていた事を徹底的に解説し提供した。ここですと示された機甲兵達の兵站能力の低さ、この改善が無ければ実質的に動けない、幾ら強くてもこれをどうにかしなければならないと強く主張した。これにアームは納得し受けた。

 反対する若者たちの説得も行い、機甲兵の操縦士の若者たちは各個撃破されて陥落した。

 整備士たちも戦々恐々だ。良くない事が起きない内に逃げ出そうとした者もいたが、歩兵達か迫っていた、一人残らず捕獲されて若様が説得した。

 どこもかしこも若様人事ビビった。

 新設される事になった工兵達、一人残らず技術者たちの卵だった。

 どう考えても無理と抵抗するが、その抵抗が無理だった。

 あちらこちらに手を回し、関係各所にも話し説得し、この有効性などの説明でどこからも好評な反応が来た、本人たちは必死に抵抗したが、次第に分断されて各個撃破されて、結局新設された工兵達は戦闘部隊の一つとなった。

 工兵の隊長は、隊長の中では唯一の女性ではあるが、どう見ても向いていなかった、必死に抵抗するが、説得に説得を重ね、家族・友人、親戚まで説得し引き抜いた。

 次にも新設されたキャスター部隊、こちらのは№3の零の力もあり簡単に終わった。

 今度は技術者たちも、事務も全部同じ様に行いスカウトした。

 この為に若様の人事に口を挟む者は皆無となった。


 そこにサツキである、幾ら何でもこれは反対しかなかったが、若様ことアルトはしっかりと説得し、飛行団内部にも密かに仕込まれた元忍者達が動き説得していた。

 アルトの理由は姫にあった、異星生まれの異星育ちの混血児が傍に居れば少しは成長してくれるかなと微かな希望を信じた。

 それは的中し今の姫がいる。

 この為に知らない間に、サツキの人気は不動になっていた。

 本人が知ったら大混乱間違いなしだ。

 サツキもなんだかんだ言っても、平和的な星に生きていた少女で、戦争すら知らない奴だ。姫には無いモノがある為に、アルトはこれが少しでも片割れに影響が及べばと判断し今に至る。こんな事もありサツキは快く共に暮らす一人となった。

 知らない者は本人のみとなる。

 外部での空若と呼ばれるが、やはり有名人でもある、その最大の理由は別に能力ではない、非凡とかそういう事ではなく、そんな立場に居ながら性格は普通に近いが、男性的な欲求が薄い、よくわからないがどんな美貌も、どんな醜悪も、全く気にならないらしく、普通の感性の持ち主ではない事が有名なのだ。

 それらが納得がいく理由が、星渡の為に他の惑星の種族と会う事が多く、地球人の感性から随分と離れた価値観の持ち主なのだ。

 両親からすれば心配にならない方がおかしい様な姫もあるが、アルトの方も心配になる要素がある為に、周りも必死に地球人的な感性に戻そうとしたが、中々成功しないのだ。

 14歳の少年の部屋に、グラビアの一枚もない部屋があると言って、信じる者は皆無の地球で、アルトは一切ない、興味が全くないらしい、若者たちもこれは困るのだ。

 性欲過多になれと色狂いに成れではないが、無さすぎるのも困る問題が多いのだ。

 人型ならまだいい、独身のままならまだいい、人型以外も多い宇宙事情である。下手な異星人とくっいたら目も当てられない。そんな問題があるのだ。

 色々な意味での有名な二人の生活に変化が現れたのを、若者たちはホッとしてた、外部の方は正しく奇跡のような事でもあった、特に義兄弟の冥夜は十兵衛に何度も確認させるほどの狼狽えぶりであった。

 騎士団の団長は信じるはずもない、何度も副団長が報告としても間違いだとして取り合わなかった。

 潜水団の方は星渡を集めて話が合った。

 忍者達も、薬師達も、巫女達も、アイヌも、琉球もこの情報の無条件では喜べない問題も数多い、サツキの親だ。正確には仲の悪い父親の方、普通のタイプなら何の問題もなかった、両手を挙げて歓迎した、しかしサツキの父親は兵器タイプなのだ。しかもレドの系統に入る戦闘艦、地球人が最も嫌う暴君の戦闘艦の家系なのだ。

 問題しかない奴と暮らす、困る事しかない、これ以上の政治問題を起こすなとは言えない側でもあるが、かといっても黙る側でもない。

 そんな事が有って、この情報は秘匿され、各所より確認の事と、代表者を集めての会議が提案されるのは仕方がない事だった。


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