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第五話 ゴーレム娘育成記

「うーぅ?」

「ちょ、え、あ、うぇ……!?」


 全くの予想外の出来事に俺の頭の中は真っ白になった。


 ――ななな何が起こったっていうんだっっっ!?


 想定では、設定した人型の通りに、土で出来たのっぺらぼうのマリオネットのようなゴーレムが作られるはずだった。

 なのに、どうして……。

 こんなに、


    か  わ  い  い  女  の  子 


 になってしまったというんだ!?

 しかも裸!? ちょ、まっ、オイ裸って!? ええええ??


「カラムス、狼狽え過ぎだ」

「ご主人様、落ち着いて下さい」


 ガルガロが呆れた声で、桔梗さんが苦笑しながら混乱する俺に呼び掛ける。

 いやでも。桔梗さんはともかく、ガルガロは落ち着き過ぎじゃないのか? 仮にも女の子がはだっ、肌ハダ~~~うにゅうにゅで居るってのにっ。


「童貞か」

「ぐふっ……お、おま」

「よく見ろ。胸に乳首は無いし、股に穴も無い。女性型フィギュアやマネキンのようなものだろう?」


 い、いや、確かにそうだけどもね。それでもちょっとは動揺するのが普通の思春期の男の子ってものじゃないのでしょうか?  あと直接表現はやめよう?

 俺か? 俺がおかしいのか?


「うぅぅ」

「うー?」


 頭を抱えて唸る俺。

 そんな俺の様子を不思議そうに見つつ真似をしてくるゴーレムの女の子(?)。


「とりあえず、服を着せてあげませんか? 今のままですとご主人様が耐えられそうにありませんし」

「そうだな。何かあるか?」


 混乱する俺を見て、埒が明かないと桔梗さんが提案してくる。

 だが、何か着せようにも女の子に着せられそうな服なんて俺は持っていないし、普通ゲームの中で服なんて余分に持ち歩いている人なんて居るのか?

 訊き返すってことはガルガロも持っていなさそうだし。


「えーっと……この子に合いそうな物は今はこれくらいしかないですね」


 桔梗さんはメイド服のエプロンのポケットから白い布きれのようなものを取り出した。

 鞄は何処にと思っていたけど、もしかしてメイド服自体が鞄代わりになるのか?


「はい、これを着てみて下さいね」


 そう言って布きれをゴーレムに渡そうとする桔梗さん。

 が、ゴーレムの方はというと「うー?」と分かっていなさげに首を傾げてそれを眺めるだけ。


「それは服なのか?」


 服にしては生地が少なすぎるその布きれを見てガルガロが訊く。

 対して桔梗さんはにこやかに言い切った。


「水着です♪」


 なぜ水着なんて持っているんだ……?

 いったいどんな場面で使うことを想定して携帯していたというのか。


「メイドの嗜みです」


 ――なるほど。


 よくわからないがメイドさんって凄い……。

 俺がおののいていると、ガルガロが無表情でゴーレムを見ながら口を開いた。


「カラムス、このゴーレム(むすめ)は今どういう状態なんだ?」

「え? 状態?」

「ああ。本来なら生成陣で作り出した物はアイテムという認識になるが、見た感じ意思を持って自律している。そういうアイテムも有りなのか、もしくは召喚獣的な扱いになるのか」


 基本的に学生(プレイヤー)は、自らの服を着替える行為すら『装備の変更』としてステ窓で行う。如何(いか)現実的(リアル)なMLOとはいえ、自由に脱いだり着たりすることは出来ない。

 ならばこのゴーレムはどうなのだろうか。

 学生ではない彼女(?)はどうやったら服を着れるのだろうか。アイテムなのかそうでないのかによって方法はまるで変わってくる。

 錬金術で造り出したということは、インベントリ内に新規アイテムの項目が追加されているはずだ。俺は所持アイテム一覧を確認した。


「あ、あった。えーと」


 ■アイテム名:土人形(名前変更可)

 カテゴリ:人形(ドール)

 属性:【土】【泥】【自律人形】【精霊】

 耐久値:140

 ・着せ替え可能


 ――やっぱりアイテム扱いなのか!


 ということはゴーレムを鞄の中(インベントリ)に入れることも出来るということか?

 何はともあれ、いつまでも放置するのは可哀想だし、着せ替え可能らしいのでこのゴーレムに服(水着だけど)を着せてみよう。

 桔梗さんから水着を譲渡してもらい、着せ替え画面でそれを選択して設定した。


「おー?」

「ふふ、よくお似合いですよ」


 どうやらちゃんと着せることが出来たようだ。

 これでようやく俺もゴーレムをしっかりと見ることが出来る。


「……」

「う?」


 ――本当に女の子の姿になってるな……。


 見た目の年齢は15、6くらい。肩甲骨くらいまで伸びたストレートの茶髪、可愛い系の顔に付いた大きな瞳は幼さを際立たせているが、体付きの女の子としての部分は十分な膨らみと柔らかみを見せている。少し濡れているような土色の身体は、真っ白なビキニとミニスカートのようなパレオがよく映え、サンオイルを塗った小麦色の肌に見えないこともない。

 俺が造り出したゴーレムは、普通に可愛い女の子と化していた。


「えーっと……」


 ――で? これからどうすればいいんだ?


 さっきのことが衝撃的過ぎてなんか色々と頭の中がすっ飛んでしまったんだけど。


「アイテム属性に【自律人形】とあったんだな? だったら主従関係の確認をしろ。主従を無視するゴーレムなど目も当てられないぞ」

「あ、ああ」


 ガルガロに言われ、咄嗟に頷く。

 確かにそうだ。前衛を任せようとしているんだから、最低限は此方の言うことを聞いてもらわないといけない。

 自律ということは自分で考えて行動出来るということ。だからと言って此方を無視して好き勝手に動かれては意味が無い。指示系統はしっかりと確認しておかなければ。

 そう思い、俺は女の子なゴーレムの前に来て――――


「……………………」

「うー?」


 ――言えない。


『俺がキミのご主人様だ』なんて、そんなこと、そんなことっ…………そんなん言・え・る・かあああああああああああああああああああああ!!


 何て言えばいいの? こんな時、何て言えばいいのっ!?

 そもそもこの子をどう扱えばいいのかも分からない。

 女の子として優しく扱う? 土と水で出来た土人形(ゴーレム)を? それはちょっと痛々し過ぎるのではないだろうか?

 では逆にゴーレムとして道具的に扱う? こんな可愛い女の子の姿の子を? それもちょっと良心が痛むというか……。


「ぐぐぐぐぐ」

「???」


 自分のことだけならいくらでも客観的に見ることが出来るのに、他人、しかも異性が絡むと途端に何も出来なくなる。


 ――くそッ、(女の子に対する)経験値が全く足りない!


「クスクスクス……嗚呼(ああ)っご主人様、やっぱり……クスクス」

「おいそこの変態メイド。離れたところで身悶えてないで、自分のご主人様を助けてやれ」

「クスクス。はい、かしこまりました」


 俺が答えの出ない思考の渦に目を回していると、桔梗さんが俺とゴーレム娘の間に入ってきた。

 そしてゴーレム娘に至近距離から目を合わせ、次いで俺に視線を向ける。


「いいですか、この(かた)があなたのご主人様です」

「う? ご、しゅじん、さま?」


 ゴーレム娘が俺を見上げ、桔梗さんの後に続くように(つたな)い感じで言葉を紡いだ。


「ほう。言葉が喋れるのか」


 俺の後ろでガルガロが小さく感嘆を呟く。

 進級試験で戦ったゴーレムは喋れなかったが、どうやらこのゴーレム娘は喋れるようだ。何から話せば良いのかはまだ分からないけど、それでも意思疎通の難易度は少しだけ減ったな。

 と、そこで桔梗さんが何かを思いついたかのようにポンと手を打った。


「あ……でも『ご主人様』では私と被ってしまいますね。では、この方のことはこれから『マスター』とお呼びして下さいね」

「『では』って何だ『では』って」


 よく分からない桔梗さんのこだわりにガルガロが後方で毒づく。

 そしてゴーレム娘は――


「……ます、たぁ?」


 ジッと上目遣いで俺を見つめてきた。

 純真無垢という言葉が頭に浮かんでくるその真っ直ぐな眼差しに、軽く息が止まる。


「ご主人様、返事をしてあげて下さい」

「あ、は、はい」


 桔梗さんの窘めの言葉で、ハッと我に返った。

 深呼吸一回の後、ゴーレム娘に視線を返して口を開く。


 ――ふぅ……なにはともあれ、だ。


「その」

「?」

「これから、よ、よろしく」


 そうだ。何はともあれ、俺が造った初めてのゴーレムだ。

 扱い的にはただの道具(アイテム)かもしれない。喋るのだってシステムに割り当てられたただの人工知能(AI)かもしれない。


 ――だけど。

 

 これからMLOを続けていくのだとしたら、きっと長い付き合いになるだろう。

 だから、()()()()()での『適当にやっていこう』という想いを籠めて。

 俺は不器用な笑顔をゴーレム娘に向けた。


「…………」


 彼女は一瞬、ポカンとした顔をして。

 次の瞬間――――


「ますたぁますたぁ!」


 作業台の上から、俺に向かって飛び掛かってきた。


「うわあああああ!?」


「あらあら」

「ふむ。反抗心はなさそうだが……反応は幼い子供そのままだな」


 ――当たってる! 柔らかいナニカが当たってる!!


 水毬のようなふにゅりとした弾力と、ベチャベチャとした感触が俺を襲ってくる。

 そして押し潰されるように研究室の床に倒れ込んだ。ゲーム内なので痛覚が無いため、床の硬い感触と『それ』とのギャップがよく分かり、逆につらい……。


「ますたぁっ、ますたぁ!」

「いやっ、ちょ、そこは……ァ――」

「なるほど。土にしては滑らかな肌だと思ったが『(どろ)』か。生成陣の設定で水の割合が多すぎたんだな」

「サラサラな泥ですね。泥パックとかもありますし、純粋な土から作られる泥ならではの肌なんですね」


 俺の上に()し掛かり、頬や体をすりすりべちょべちょしてくるゴーレム娘。

 そのことで更なる混乱に陥る俺。

 俺を放置し、ゴーレムを冷静に観察するガルガロと桔梗さん。

 事態(主に俺)が落ち着くには、それからしばらくの時間を要した。




   ◆○★△




「名前を決めてあげませんか?」


 俺とゴーレムが落ち着きを取り戻した頃合いを見計らって、桔梗さんがそう提案してきた。


「名前?」

「うー?」

「はい。『ゴーレム』では可愛くありませんし、いつまでも登録名が『土人形』のままでは可哀想すぎます」

「確かにな。ゴーレムに自身を認識させる意味も兼ねて、名前を付けるのは悪くない」


 2人の言うことは尤もだ。

 いつまでもゴーレムと呼ぶのは女の子な見た目からしても違和感があり過ぎて、此方が呼びづらくて困る。


 ――ただ。


「名前、と言われても……」


 俺の直感が言った。ここはセンスが問われる場面だ、と。

 俺の理性が問う。自分のセンスに自信はあるのか、と。

 俺の脊髄が答えた。――無いっ! と。

 ゴーレムに性別が在るのかは不明だが、見た目は確かに女の子だ。

 つまり、女の子の名前を考えなくてはならない。雌の犬の名前を考えるのとは個人的に訳が違うのだ。


「えーと、ガルガロたちは何か良い名前ある?」


 自分のセンスに自信の持てなかった俺は、速攻で他者に意見を求めた。


「君が決めろ」

「この子の名前はご主人様が決めるべきです」


 そして速攻で返される。

 せめて、せめて何かアドバイスを……!!


「ご主人様や私の名前と同じ繋がりで、花の名前とかどうでしょうか?」

「そういえば『calamus(カラムス)』というのは『菖蒲』の英語名だったな」


 ――花。そうか花か!


 女の子の名前として花の名前を付けるのは良い考えだ。無難でありきたりかもしれないが、桔梗さんも言った通り、俺の名前の由来との繋がりもあるし。

 問題は何の花にするかだが……。


「決めたか?」

「ああ」


 花を選ぶ基準は花言葉の意味と、名前の語感だ。

 中学の頃、母の日に何故カーネーションを渡すのかと疑問に思ったのが切っ掛けで、花言葉について調べたことがある。

 覚えている範囲で、このゴーレムに似合いそうなものを選んだ。


「今から、きみの名前は――――【ネリア】だ」

「ねり、あ?」


 俺の告げた名を、ゴーレム――ネリアが反芻する。


「ねりあ、ネりあ……ネリア!」


 満面の笑みで自分の名前を叫ぶネリア。

 どうやら気に入ってくれたようだ。

 それを見て、桔梗さんが微笑ましそうに頭を撫でる。


「よかったですね」

「うんっ」

「ネリア……花言葉は『華やか』『かわいい』だったか」

「うーん、それよりはサイネリアから取った感じかな」

「ほう。確かにそちらの方がこのゴーレム……いや、ネリアに合っているな」

「だろ? っていうか、ガルガロも花言葉に詳しいんだな」

「……たまたまだ」


 それよりも、とガルガロは話題を切り替えた。


「そろそろ実験を再開しよう」




   ◆○★△




「――【アルスマグナ・カルダーノ】」


 ガルガロが始動キー――進級を期に変更したらしい――を唱え、生成陣を起動する。

 同じように煙が吹き出し晴れた後、生成陣の上には『俺が造る予定だった姿形の土人形』が出来上がっていた。


「やはり、か」

「ネリアみたいにはならないな」


 ガルガロは、精霊の核を入れずに何回かゴーレムを生成してみた。しかし、造られたのは全て意思を持たないただの土で出来た人型の像だ。

 ネリアのように女の子らしく容姿や身体つきが変わるなんてことは無い。


「恐らく、精霊が原因だと思われる。核とした精霊の性質が造形に影響しているのかもしれないな」

「うー?」


 採ってきた土から精霊の【抽出】に成功したのはたった二回だけだった。どうやら確率が存在するらしい。

 ガルガロのゴーレムは後日造るとして、今日はネリアのことを調べようということになった。

 まずは設定した造形通りに生成できなかったことについてだが、これについてはサンプルが少ない。精霊の素材なしでは普通に設定通りに生成できるため、それが原因ではないかというのが俺たちの見解だ。


「次は性能だ。情報ウィンドウに在るこの【耐久値】がHPと考えてよさそうだが…………ただの土だけが素材ではやはり低いな」


 飲食系の除くアイテムには基本全てに耐久値が設定されている。俺の研究室に最初から付随していた木の椅子の耐久値がちょうど100だった気がする。そして木の椅子程度なら、人間(プレイヤー)が思いきり地面に叩き付けるレベルのダメージで余裕で壊れる。

 つまり、耐久値140のネリアは現状、戦闘に耐えられる以前のレベルということだ。


「だが、原因が分かっていれば対応も容易だ」


 ガルガロの言葉に頷き、俺はもう一度【生成陣設定画面】を呼び出した。

 一度生成陣で造りだした物は、その形状を記憶させることが出来る。

 突然変異のようなネリアも、その造形は生成陣に記憶されて一覧で選ぶことも出来るようになる。一度生成した物品を、もう一度素材を変えて作り直すことが出来るのだ。

 更に、その際の素材には生成物も選ぶことが出来る。

 要するに――――


「両腕両脚だけ岩に変更……っと。ネリア」


 ネリアの身体部位だけを素材変更して再生成出来るということだ。


「はーい、ますたぁ!」


 元気よく挙手して俺の呼び掛けに返事をしてくるネリアに、生成陣を指差してみせる。


「ここの上に乗ってくれるか?」

「はーい!」


 椅子から飛び跳ねるように作業台の上によじ登り、生成陣の真ん中でネリアは最初と同じように胡坐を掻いて座った。


「ジッとしててな」

「うん」


 ネリアは言われた通りに大人しくしてくれた。

 その様子に少し犬っぽいものを感じて微笑ましく思いながら、俺は生成陣を起動した。


 ボフン!


 撒かれた白煙から、ネリアの姿が徐々に見えてくる。


「ますたぁ?」


 不思議そうにするネリアの身体には、確かな変化があった。

 顔と胴体、そして全体のシルエットに変化はないが、両肩から先の腕と両太ももから下の足が、硬質なザラザラとした表面の岩と化していたのだ。

 ネリアが動く度に、腕と脚からパキパキと岩の擦れる音が鳴る。


「おー?」

「なんというか……すごく違和感のある絵面だな」

「もっとかわいい感じにしてあげたいですけど」

「まずは実用性重視だ。ビジュアル面は後でなんとでもなる。カラムス、ネリアの耐久値はどうなった?」

「ちょっと待ってくれ」


 俺はアイテム一覧から、ネリアの情報ウィンドウを開いて確認した。


 ■アイテム名:ネリア(名前変更可)

 カテゴリ:人形(ドール)

 属性:【土】【泥】【岩】【自律人形】【精霊】

 耐久値:350

 ・着せ替え可能


 属性に【岩】が追加され、耐久値が増えていた。


「フッ、やはりそうか」


 ガルガロが不敵に微笑する。


「素材を変えれば耐久値や属性が変わる。もしかしたら形状も関係しているかもしれない。それに部分変更が出来るということはアレやコレも――――」


 そして何やらブツブツと呟き始めた。

 マッドな部分が顔を覗かせていて少し怖い。


「ますたぁ! どう? ネリアどう?」

「ね、ネリアっ、ちょっ、待っ……!?」


 ガルガロに気を取られていて油断した。

 接近し、俺に向かってダイブする影に気付くことが出来なかった。


「ますたぁますたぁ!」

「のわああああああああ!?」


 ふにふにぽよよん、べっちゃべっちゃ、ごりごり。

 頬が! 柔らかいナニカが! そして俺にしがみ付く手足がごりがりと!

 ゴーレムの乱、再び。

 混乱の最中、俺は思った。硬質素材を使ったらこのすりすり癖は止めるように言おう、と。

 しばらくして桔梗さんに助けてもらい、何とか落ち着く。


「はぁ……」


 ――だけど素材か。


 ネリアは分類上はアイテムのため、学生(プレイヤー)のようにレベルが無い。つまりは戦闘の数をこなすことによって能力が上がることもない。

 だからこそ、ネリアの身体を構成する素材が重要となってくる。生半可な素材では、より上のダンジョンには連れていけそうにない。

 しかし、無い物ねだりも出来ない。ガルガロの集めてくれた今ここに在る素材を使い、可能な限りネリアの性能を上げることが先決だ。

 俺は思考錯誤しながらネリアの身体を再構築していった。




   ◆○★△




 ■アイテム名:ネリア(名前変更可)

 カテゴリ:人形(ドール)

 属性:【土】【泥】【岩】【鉄】【自律精巧人形】【精霊】

 耐久値:3370

 ・着せ替え可能


 ゲーム内時間で8時間をかけ、ガルガロや桔梗さんとも相談を繰り返し、俺たちはようやく今ある素材で一番耐久値が上昇する組み合わせを見つけ出すことが出来た。


「あとは実戦か」


 残りは実際に戦闘にてネリアが前衛と成り得るかを確かめるだけとなった。

 しかし、流石のガルガロも若干疲れた感じが見て取れる。声にも張りが無かった。


「今日はもうそろそろ良い時間ですし、明日にしませんか?」


 対称的に、疲れを感じさせない変わらぬ様子の桔梗さんが提案する。

 俺としてもそろそろ風呂に入って寝たいので、それに同意した。

 システム的にはアイテム扱いのネリアは一旦、鞄の中(インベントリ)に入っていて貰い、この日は俺たち皆、これでゲームからログアウトしたのだった。

ゴーレム娘は武器内蔵型が良いという意見を貰いましたが……実際は、

『身体部位換装型』でした!

私的には、内蔵型よりも多くの可能性を秘めていると思っております。


次回は、例の『アレ』の詳細が明らかになります。お楽しみに。


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