四十話 メイドのねここ!
今日は家にねこことコタローしか居ない。
ねここは求人誌を見ている。
「ねここ!コンビニのバイト代では足りないの?」
「うん。そうなのよ、保護ネコの施設に寄付したくって……」
「ねここ!おいらと動画に出ないっすか!?ねここなら人気者になれるっすよ!」
「そんな事はしないわよ!真面目に働きたいわ!」
「そうっすね……それなら自動車工場で働くのはどうっすか!?しんどいけど稼げるっす!」
コタローは自動車工場がすごく辛かった事を忘れているのだろうか?
「自動車工場!?それは無理だわ!もっと楽で稼げる仕事がいいわ!」
「それならさ、普通に飲食店で働いたらどう?コンビニのバイトとは時間ずらしたらいいんだよ!」
おれの提案にねここは
「そうね……ちょっと探してみる!」
提案に乗った!
ねここは求人誌だけじゃなくネットでもバイトを探した。
しかし……
「あんまり時給良くないわね……どのバイトも同じくらいだし……」
まだ良いバイト見つからないようだ。
「ねここ!メイド喫茶で働かないっすか!他のところより時給良いっすよ!」
「メイド喫茶?どんなところ?」
「店員さんがメイドの衣装を着て接客する喫茶店っす!ここなんか、メイドさんがネコミミをつけて接客するみたいっす!ねここにピッタリっす!」
ねここは元々ネコミミがついている。ちょうど良いかもしれない!
「でも大丈夫かな?私ときめきがなくなると倒れちゃうし……」
そういえばそうだったっけ……
「なれるまでは、おいらとユーキが店に行ってサポートするっす!」
「おれも行くの!?まあいいけど……」
「助けてくれるの!?私、応募してみるわ!」
ねここはすぐに電話して面接の日を決めた。宇宙怪人ネコだと説明すると、
「うちにピッタリだ!」
と言われてその場で採用された。おれ達は一週間ほどサポートに行く事にした。
ちなみに店長もねここの事情は知っている。
「ユーキ!ハムケンからときめきメーカー買ってきたっす!」
「ま、マジで!それ50000円もするんじゃなかった!?」
ときめきメーカーとは、ときめきがなくなったかどうか分かる機械だ。
「値上がりして60000円だったっす。今はお金ないっすから、ツケといてもらったっす。」
ハムッチだけでなく、コタローもハムケンにツケが出来てしまった……大丈夫だろうか?
おれ達はメイド喫茶の真ん中の方の席に座っている。
「そうっすね。オムライスお願いしますっす!絵を描いて欲しいっす!あとは……」
コタローは次々と注文している。
「コタロー!おれ達は楽しみにメイド喫茶に来ているわけじゃないんだよ!」
「わかってるっすよ!でもせっかくだからいいじゃないっすか!」
「でもコタローお金あるの?また宇宙怪人銀行から借りちゃだめだよ!」
「大丈夫っす!ハムケンから借りているっすから!」
「ハムケンはお財布じゃないんだよ!」
「大丈夫っすよ〜ハムケンは稼いでいるっすから〜」
本当に大丈夫だろうか?
ねここは別のメイドさんについてもらって働いている。
「ねここちゃん!ジュースに気持ちを込めるんだにゃ!」
「萌え萌えキューン!」
ちゃんと出来ているようだ。ときめきもあまり下がってない。
一方コタローはというと……
「オムライスにおいらを描いてくれっす!」
「ハムスターだね!いいにゃん♡」
しっかりメイド喫茶を楽しんでいるようだ……
一日目が終わった。ねここに感想を聞いてみる。
「お客さんも良い人ばかりで良かったわ。この調子なら働けそうだわ!」
ねここはその後コンビニバイトのシフトが入っていたため、すぐに向かった。働き者だな〜
次の日もコタローと共にメイド喫茶へ行った。
「いや〜メイド喫茶は最高っすね!毎日来たいっす!」
コタローはすっかりメイド喫茶にハマっているようだ……
「コタロー!ねここのフォローもしろよ!」
「もちろんっす!もしもの事があってはいけないっすから、ハムケンからハムビタンZ買ってきたっす!」
「え!ハムビタンZって高いでしょ!いくらだったの?」
「値上がりして2000円だったっす。これもツケで買ったっす。」
ついに2000円になってしまったか……
しかしその日はねここが倒れる事はなかった。
そして一週間経った。おれ達がフォローする最後の日だ。
これまでねここは倒れる事はなかった。おそらくだが今日も大丈夫だろう。
「今日はパフェをお願いしますっす!」
「はーい!ご主人様!」
コタローはもう、ねここのフォローで来てる事を忘れているのだろうか……
そんな時に事件は起こる。
「ねここちゃん久しぶり♡」
「え!剛力さん!」
ねここのパパ活の相手、剛力さんが店にやって来た!
「コタロー!なんでねここがこの店で働いているってわかったあのかな?」
「多分っすけどねここのSNSを見たんじゃないっすか?」
そうなのか!今の時代そんな事でバレるんだな……
「ねここのときめきが下がってるっす!」
「まだ様子を見よう。」
剛力さんは他のメイドさんが接客した。
しかし帰り際の事だった……
「僕ねここちゃんとチェキ撮りたいな♡」
剛力さんがそう注文した!ねここはそれに応じるようだ。
「ねここ!断ってもいいんじゃない?」
「せっかく来てくれたのに、断ると悪いわ……このくらいはしないと……」
そしてねここと剛力さんは手をハートにしてチェキを撮った。
「ねここちゃん♡今日はこれで帰るね♡」
剛力さんは帰って行った!
「もう、無理……」
ねここはそれに合わせるように倒れてしまった!
「ユーキ!ねここにハムビタンZ飲ませるっす!」
「お、おう!」
なんかいつもと逆だな……と思いつつ、おれはねここにハムビタンZを飲ませた!
「復活したわーーー!!!ユーキありがとう!!!」
「よかった。」
しかし元気になりすぎじゃね……
ねここは一週間は乗り切ったが、メイド喫茶は合ってないと、思ったのか辞めてしまった。
せっかく頑張っていたのに……
次回予告
ハムケン
「みんな〜ジムのチラシが入っていたんよ〜」
ハムニブ
「行ってみるぞ!」
次回
筋トレをやってみる。




