第202話 お天気お姉さん!
3連休も終わり、仕事が始まった。
ただ、月曜休みの3連休の良いところは翌週が4日しかないことだ。
しかも、その翌週も3連休であり、週末は楽しい冒険(旅行)が待っているのならば仕事も頑張ろうという気にもなる。
「そう思うよね?」
仕事初日の火曜が終わり、寝る前にジュリアさんとゲームをしながら話をしているのだ。
「思いますね。今日は月曜じゃなくて、火曜ですもん」
すごいよね。
まだ1日しか働いていないのにもう1週間のうち、2日が終わったんだもん。
「ジュリアさん、仕事の方はどう?」
「もう半年になりますし、慣れてはきましたね。まだ覚えることがいっぱいですけど」
「辛くない?」
「大丈夫ですよ。人間関係も良好ですし、問題ありません」
それは良かった。
「辛くなったら言いなよ。溜め込むのが一番良くないから」
「あのー、それも体験談です?」
ジュリアさんが見上げてくる。
「東京にいた時ね。あの時はそういうことを話す人もいなかったから」
彼女もいないし、愚痴るような同僚も友達もいなかった。
「一昨日も話してましたけど、ハルトさん、東京では大変だったんですね」
「ちょっとね。いや、今思うとだいぶか……よく頑張ったな、俺……」
体力も気力もあったからがむしゃらに頑張ってた。
いや、考えないようにしていただけかもしれない。
「今のお仕事はどうです?」
「普通? まあ、楽しいと思うことはないけど、そこまで辛くはないよ」
辛いのは主に朝。
「無理だけはしないでくださいね」
「しない、しない。ほどほどに働いて、週末にあっちで楽しもうよ」
「そうしましょう」
俺達はその後もゲームを続け、就寝した。
そして、翌日からも仕事をこなしていき、1週間を終える。
「朝だねー」
「ですねー……」
土曜になり、目覚ましが鳴っている。
「眠いね」
「また夜更かししてアニメを見ましたもんね」
この前のようにお互いが別のアニメを見たので寝るのが遅れたのだ。
「起きよっか」
「今日はノーラさんに話を聞く日ですしね」
そして、巫女様方と食事会の予定もある。
「今度からは同時にアニメを見ようよ」
「そうしましょう」
俺達は起きると、朝食の準備をし、皆で食べる。
「今日はノーラさんに話を聞きに行きますけど、タマヒメ様はどうされますか?」
一応、聞いてみる。
「行かない。ノルンとゲームしてる」
でしょうね。
「では、留守番をお願いします。夕方にサラさんとディーネさんを迎えにいきますので」
「はいはい」
俺達は朝食を終えると、準備をし、サクヤ様に土の国の聖都のビルの1階に飛んでもらった。
受付には先週もいた女性が座っているが、やはりスルーだ。
「サクヤ様はどうされますか?」
「我も行こう」
「では、教会に行きましょうか」
俺達はビルを出たのだが、まだ朝だというのに日が厳しい。
そして、先週の夜の喧騒が嘘だったかのように人がまばらにしかいない。
「あっついのー……」
「本当ですね……」
この地域の気候はどうなってんだ?
「サクヤヒメ様、タオルを持ってきました」
「おー! できた嫁じゃの!」
ジュリアさんがサクヤ様の頭に白いタオルを被せる。
「ハルトさんもどうぞ」
「ありがとー」
俺達はタオルを頭に乗せ、日差しを防ぎながら教会に向かった。
そして、教会に到着し、中に入ると、すぐに先週と同じ神父さんが近づいてくる。
「おはようございます、ハルト様」
名前を知っているらしい。
「おはようございます。ノーラさんはおられますかね?」
「ええ。案内するように言われております。どうぞ、こちらへ」
神父さんが笑顔でそう言い、左奥の方に歩いていったので俺達も続く。
奥に入り、火の国や水の国の神殿と同じ通路を歩いていると、奥にあるちょっと豪華な扉の前で立ち止まった。
「ノーラ様、ハルト様方をお連れしました」
神父さんがノックをし、声をかける。
『入ってもらってー』
ノーラさんの声が聞こえると、神父さんが促してきたので扉を開け、中に入る。
部屋は火の国や水の国の資料室と同じように何段もある本棚に囲まれた部屋であり、やはり図書館みたいだった。
しかし、他の2国と違うのはノーラさんがいるデスクの周りには大量に積まれた本の塔が何個もあることだ。
そして、ノーラさんはそんな本に囲まれたデスクで何かの書き作業をしている。
「おはようございます。研究ですか?」
「おはよう。まあ、そんなところ。そこに座ってちょうだい」
ノーラさんがペンで部屋の真ん中にあるテーブルを指した。
「今日はいつから研究を?」
それぞれ席につきながら聞く。
「いつだったかしら? 起きた時にぱっと閃いたのよ」
あー、俺も昔、そんな感じで魔法を閃いたことがあるな。
「無理はしないでくださいね」
「それは大丈夫。あなたの話を聞いて、ちゃんとしようって思えたから」
反面教師になれたのなら良かったわ。
「あ、そうだ。今日の夜ですけど、サラさんもディーネさんもオッケーだそうです。ディーネさんはたまたま空いていたそうですね」
「それは良かった。でも、ディーネはいつも空いてるでしょ。何しろ、理由を作ってでも来るから」
うん、そう思う。
「ディーネさんが奥に行かないようにしましょうね」
「わかってる。それだけは阻止よ。あの子、絶対にそういう知識がないわよ」
「お貴族様の御令嬢ですしね」
「いや、能天気だから」
能天気お姉さん……
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