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週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~   作者: 出雲大吉
第5章

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第179話 この世界ってフランクな人が多いな


 4層の駅前に到着すると、車を止める。


「あれかな?」


 駅の正面には杖のマークの看板がある建物があった。

 なお、道中にも何軒か見かけた。


「だと思います」

「行ってみるかの」


 俺達は車から降り、ギルドに向かうと、扉を開けて中に入った。

 ギルドの中はこれまでのギルドの中では一番大きく、月曜に行った役所くらいの広さがある。

 しかも、壁一面の本棚の前に多くの客がいるし、受付も8つもあった。

 フロック王国の王都はともかく、火の国や水の国とは大きく違う。


「すごいですね……」

「さすがは魔導帝国って感じがするね」

「これが何個もあるわけか……さて、受付は……どれでもええの」


 サクヤ様も最初は若い女性のところを勧めていたが、さすがにもう勧めてこない。


「空いてるところでいいでしょう」


 俺は空いている一番右端のお姉さんのところに向かう。


「こんにちはー」

「はい、こんにちは」


 お姉さんは笑顔で挨拶を返してくれた。


「配達の仕事をしたいんですけど」

「配達ね。悪いけど、先にギルドカードを提示してくれないかしら? ウチのルールなの」

「わかりました」


 俺とジュリアさんはカウンターにギルドカードを置く。


「どれどれ」


 お姉さんがギルドカードをじーっと見始めた。


「そのギルドカードってここで作られたんですよね? すごいですね」

「ホントにねー。でも、仕組みなんかは全然わからないわ」


 ギルド員もわからないのか。


「本当に文字が書いてあるんです?」

「ええ。奥様しか愛せない人って書いてある」


 こら、チェスター。

 意味が変わってくるだろ。


「イタズラ好きのギルド員が書いたんですよ。奥さんは一人で十分って意味です」

「なるほどね……ねえ、ドラゴンスレイヤーはまだわかるんだけど、ドラゴンライダーって何?」

「ドラゴンに乗ったことがあるんですよ」


 しかも、リヴァイアサンなんだぞー。


「乗るものかしら? まあいいわ。配達だっけ? フロック王国?」

「ええ。王都ですね」

「ふむふむ。まず、あなた達は評価がマックスだし、なんか太鼓判も押されている……え?」


 ギルドカードを見ていたお姉さんがサクヤ様をガン見する。


「何じゃい?」

「いえ……え、えーっと、配達依頼ね。いっぱいあるけど、大事な本や書類、あと杖の配達をお願いしたいわ。こればっかりは評価の良い人にしかお願いできないのよ」


 真面目に仕事をするもんだな。


「どれくらいの量ですか?」

「大きさ自体はカバンだけ」


 あ、魔法のカバンか。


「それ、いくらになるんですか?」


 カバンだけなら安くない?


「大丈夫。ちゃんとそれぞれの料金で支払われるし、重要度によるボーナスもつくから。ちょっと待ってね」


 お姉さんはそう言って奥に行ってしまった。


「サクヤ様のことがわかるんですかね?」

「どうかの? たまにノルンと飯を食いに来るが、特に騒がれたこともない。まあ、魔法ギルドの者ならわかるのかもしれんが、どうでもよいな」


 サクヤ様はともかく、ノルン様は大騒ぎになるだろうな。


「おまたせ」


 俺とサクヤ様が話していると、お姉さんがカバンを持って戻ってくる。

 ただ、カバンには何かの紙で封がしてあった。


「何ですか、これ?」

「中に見てはいけない書類なんかが入ってるの。だからカバンは開封厳禁」


 まあ、普通はそうだ。

 手紙にしろ、荷物にしろ、封筒や段ボールに入っている。


「わかりました。これを王都の魔法ギルドに渡せばいいんですね?」

「ええ。これが目録ね」


 お姉さんが紙を渡してくる。

 カバンの中身は杖が3本、本が10冊、書類が2枚らしい。


「料金は?」

「杖が金貨5枚、本が金貨4枚、書類が金貨10枚になります。合計で金貨75枚ね。また、ギルドカードによるとハルトさんはかなり早く運んでいるわね? フロック王国の王都にはいつ頃?」

「来週ですね」

「ほうほう。だったらボーナスを加味して金貨80枚にしましょう」


 良い額だ。

 これまで儲けた金も魔道具で使ったし、ちょっと貯金が目減りしていたから助かる。


「じゃあ、それでお願いします」

「はい。こちらこそお願いします」


 カバンを受け取り、サクヤ様に渡した。


「それでちょっと聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」

「なーに? 彼氏はいないわよ?」

「あ、僕、奥さんしか愛せない人なんです」


 うん、痛いね。

 というか、薄情者に聞こえる。


「ふふっ、そうだったわね。それで聞きたいこととは?」

「土の国ってどんなところですか?」

「土の国? ここから西にあるわね」


 位置的にはそうだ。

 しかし、大きな山脈があるため、迂回しないといけない。

 だからフロック王国に戻り、ダルト王国を経由するのだ。


「行ってみようかなと思っているんですけど、どんな国なのか気になりまして」

「砂漠ね。年中、昼は暑くて夜は寒い。ただ、巨大な川沿いにある町でかなり栄えているというか、人が多い国よ。注意点として聖都は治安が良いけど、他の町というか村は行かない方が良いってことかしら?」


 治安が悪いのか。


「盗賊でもいるんですか?」

「あそこの国のお国柄ね。部族ごとに村を作っているんだけど、ほぼ盗賊と言ってもいい部族なのよ。奪え、奪え、奪え、ね」


 怖っ。


「それ、良いんですか?」

「そうやって長年生きていた部族だからね。そこは何とも……ほら、私達の魔法使い以外には排他的なのも他所から見たら褒められたものじゃないでしょ? だから何とも言えない」


 まあねー……


「聖都は大丈夫なんですか?」

「ええ。巫女様がおられるし、教会がしっかりしているからね。それに観光地だし、他所の部族も変なことはしない。ちゃんと正規ルートで行けば何も問題はないわ」


 なるほどね。


「ちなみに、荷物の配達の仕事はないですか?」

「ないわね。配達の仕事は基本的に隣国しかないの。だからウチからフロック王国、フロック王国からダルト王国、そして、ダルト王国から土の国ね。逆もしかり。詳しくはカーティスさんに聞いた方が良いわよ。知り合いなんでしょ?」


 この人も息がかかってるのかな?


「わかりました。お話を聞かせて頂き、ありがとうございます」

「いえいえ。じゃあ、配達の仕事、お願い」

「ええ。任せておいてください」


 俺達は用件が済んだのでギルドを出ると、3層に戻り、図書館で読書することにした。



いつもお読み頂き、ありがとうございます。

いよいよ本作の2巻が明日発売となります。

電子の方は0時より読めます。


よろしくお願いします!

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